立憲・国民、募る危機感 減る比例得票/れいわ躍進 野党連携強化、求める声も
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2019年8月3日05時00分 朝日新聞 主要野党の比例区得票数 野党第1党の立憲民主党と野党第2党の国民民主党が2日、それぞれ参院選の結果を総括した。主要野党は共闘し、全32の「1人区」で候補者を一本化して10選挙区で勝利。だが、新興政党の躍進もあって個別には思うように議席を伸ばせず、次の衆院選に向けて危機感を募らせている。 立憲は改選議席を9から17に、ほぼ倍増させた。しかし、比例区では目玉候補が軒並み落選し、当選は8人止まりに。得票数も2017年の衆院選から300万票以上減らした。 この日、国会内で開いた両院議員懇談会では、れいわ新選組や「NHKから国民を守る党」が議席を得たことを引き合いに、選挙戦略への不満が相次いだ。出席議員によると、「立憲の政策は、れいわの『消費税廃止』、N国の『NHKをぶっ壊す』と比べて分かりづらい。一言で分かる政策が欲しかった」「期待感が2年前に比べて落ちている」といった意見が出たという。 福山哲郎幹事長は懇談会後、記者団に「れいわの山本太郎さんが自分の身を捨てて戦う姿が、2年前の(結党時の)枝野幸男代表に重なって見られた」と指摘。「我々は変わっていないつもりだが、有権者にどう伝わっていたのかは考えなければいけない」と反省の弁を口にした。 支持率低迷にあえぐ国民民主は比例区の票が立憲の半分にも満たず、現職2人が落選した。党本部で開いた両院議員懇談会の冒頭、玉木雄一郎代表は「多くの候補を当選させることができなかった。心からおわびする」と陳謝した。 玉木氏は参院選前から「野党の大きな塊」づくりを呼びかけてきた。一方、野党共闘を優先したため独自色を出しきれなかったとの不満もくすぶる。複数区での擁立を見送ったり、1人区で擁立した統一候補を無所属に切り替えたりしたためだ。ただ、地方組織からは野党連携の強化を求める声が根強い。 野田佳彦前首相(無所属)は1日の記者会見で「力を合わせて中道ががっちり固まることが、より大きな野党の広がりをつくっていく。立憲も国民も注意深く対応してほしい」と苦言を呈した。立憲内には、国民との統一会派結成を働きかける動きも中堅から出てきた。枝野氏は7月31日の会見で「今の政治に不安や不信、不満を持つ声の結集に向け、さらに努力していかなければいけない」と述べるにとどめた。(中崎太郎、河合達郎)
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