(第1話)
電車暴走「三鷹事件」 元死刑囚の再審認めず 東京高裁
朝日新聞デジタル 2019年7月31日14時32分 阿部峻介
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「三鷹事件」から一夜明けた現場。電車は国鉄三鷹駅舎を破壊して暴走し、通行人ら6人が死亡した=1949年7月16日
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東京の旧国鉄・三鷹駅で1949年、無人の電車が暴走して6人が死亡した「三鷹事件」で、東京高裁(後藤真理子裁判長)は31日、電車転覆致死罪で死刑が確定した竹内景助・元死刑囚=45歳で獄死=の裁判をやり直すための請求を認めない決定を出した。竹内元死刑囚の長男(76)が、2011年に再審請求をしていた。
確定判決によると、国鉄で運転士や検査係を務めた竹内元死刑囚は49年7月15日夜、三鷹駅の車庫から電車(7両)を発進。自分は運転席から飛び降りた後、暴走して脱線した電車が6人をはねて死亡させた。
当時、政府は連合国軍総司令部(GHQ)の意向を受け、戦後の復員で増えた国鉄職員らの大量解雇に踏み切っていた。同じ49年夏には国鉄の下山定則・初代総裁が列車にひかれた状態で見つかった「下山事件」、福島県で乗務員3人が死亡した脱線事故「松川事件」も起き、三鷹事件と合わせて「国鉄三大ミステリー」と呼ばれる。
三鷹事件で警察は、労働組合を……こちらは有料会員限定記事です。残り:575文字/全文:976文字
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(第2話)
謎多き国鉄三大ミステリー、時の政府は「共産党の仕業」(朝日新聞)
朝日新聞デジタル 2019年7月31日19時40分 阿部峻介
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「三鷹事件」から一夜明けた現場。暴走した電車は通行人ら6人をはね、三鷹駅前の商店街に突っ込んだ=1949年7月16日
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「三鷹事件」から一夜明けた現場。電車は三鷹駅舎を破壊して暴走し、通行人ら6人が死亡した=1949年7月16日
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70年前の1949年夏、東京の旧国鉄・三鷹駅で無人電車が暴走して6人が死亡した「三鷹事件」の裁判をやり直す再審の扉は開かなかった。連合国軍総司令部(GHQ)が「反共」にかじを切り、国鉄職員らが大量解雇された時代。「国鉄三大ミステリー」と称される不可解な3事件が相次ぎ、時の政府は「共産党の仕業」と主張したが、多くの謎が残されたままだ。
戦後に日本を占領したGHQは当初、民主化・非軍事化を進めた。しかし、朝鮮半島での米ソ対立が次第に鮮明となり、中国でも共産党の勢力が増すと、日本を「アジアにおける共産主義の防波堤」と位置づける路線に転換した。
共産党は国内でも人気を集め、49年1月の衆院選では4議席から35議席に躍進。吉田茂内閣が復員で膨れあがった官公庁の人員を整理するため、国鉄を含めて28万人以上を解雇する行政機関職員定員法を同年5月に成立させると、共産党が率いた国鉄労組は一部列車を止めるストライキを実施。GHQが止め、緊張が強まった。
7月に入り、労組に大量解雇を告げた下山定則・初代国鉄総裁が轢死体(れきしたい)で見つかる「下山事件」が発生。その9日後に三鷹事件が続き、吉田首相は「社会不安が一部労組の挑戦的態度によって挑発されている」「共産主義者の煽動によるもの」などと声明を発表した。直接事件に言及はしなかったが、「共産党の犯行」を示唆した。8月には、福島県で列車が転覆して乗務員3人が死亡する「松川事件」が起き、今度は増田甲子七(かねしち)官房長官が「三鷹事件と思想的底流において同じ」と断じた。
捜査も、「共産党の犯行」という線で進んだ。三鷹事件では非党員の竹内景助・元死刑囚とともに9人の党員が起訴され、松川事件では国鉄と東芝の労組幹部ら20人が起訴された。
捜査は次第にずさんさが明らかになり、三鷹事件では竹内元死刑囚を除く9人、松川事件では起訴された全員の無罪が確定。下山事件は迷宮入りした。
しかし、労働運動は3事件で腰砕けになり、政府は大量解雇を実現。50年にはGHQの指示で、共産主義者を公職などから追放する「レッドパージ」を実施した。内部対立も起きた共産党は、52年の衆院選で公認候補が全員、落選した。
法政大の五十嵐仁(じん)・名誉教授(政治学)は「政府・GHQにとっては、絶好のタイミングで国鉄を舞台に事件が起きた」と指摘する。「共産主義者の仕業だと印象づけ、社会状況を変えられればそれでよかった。謀略だとすれば、狙いは十分に成功した」
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(第3話)
電車暴走「三鷹事件」に遭遇、元記者が見た米軍の怪しさ(朝日新聞)
朝日新聞デジタル 2019年7月31日21時02分
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大学生のときに三鷹事件を目撃した元朝日新聞記者の堀越作治さん=大鹿靖明撮影
下山、松川両事件と並ぶ占領期の国鉄3大事件のひとつ、三鷹事件に、堀越作治さん(89)は偶然遭遇した。無人電車が暴走して三鷹駅に突っ込み、6人が死亡。慌てて負傷者の救出活動をすると、米軍のMPに追い出された。事件は共産党の組織的犯行とされ、10人が逮捕されたが、9人は無罪に。獄死した1人の再審請求は7月31日退けられた。
一橋大の学生だった1949年7月15日夜、後に「三鷹事件」と呼ばれる大事故に出くわした。東京・三鷹駅のホームで、減速せずに突っ込んで来る電車を目撃。「そのとたんガタガタドタンと大音響とともに砂ぼこりが舞い、あとは阿鼻叫喚(あびきょうかん)のちまたですよ」。慌てて飛び降り、電車の下に手をさしのべると生存者がいた。
すると米軍のMP(憲兵)がこ……こちらは有料会員限定記事です。残り:497文字/全文:845文字
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