英国がイランのタンカーを拘束し続ける中、イランが英国のタンカーを拿捕
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2019.07.21 櫻井ジャーナル
スコットランドのノーザン・マリーンが運行するタンカー、「ステナ・インペロ」がホルムズ海峡の近くでIRGC(イラン革命防衛隊)に拿捕された。国際的な海事規則に違反したことが理由だとしている。 その直後にスコットランドのノーボークが運行する「メスダー」も拿捕されたという情報が流れたが、この船は規則に則った航行を始め、拿捕されなかったようだ。イギリスが始めた危険なゲームはイギリスやアメリカを追い詰めることになる可能性がある。 ノーザン・マリーンが規則に違反した航行をしていたかどうかは不明だが、イギリスの海兵隊がジブラルタル沖でイランが運行するタンカー、「グレイス 1」を拿捕したことに対する報復である可能性は高い。 今回、ステナ・インペロはイラン艦船よりタンカーが圧倒的に大きいことを利用して逃げ切ろうとしたようだが、IRGCはヘリコプターから兵士を降ろし、制圧した。イギリスやアメリカの軍隊が反応する間もなく、タンカーはコントロールされてしまったのである。 タンカーの拿捕を阻止するために軍艦を護衛につけるという話があるが、アメリカやイギリス以外の国の腰は引けている。現在のイギリスより愚かな国は数が限られている。しかも、戦争になれば軍艦をエスコートさせても輸送船を守り切れるとは言えない。 今回の出来事で再確認できたことがある。日本が主張してきた「シーレーン防衛」が戯言だということだ。輸送船を守りたいなら、少なくとも全ての船に軍艦を護衛のためにつける必要がある。その程度のことはアメリカ軍も自衛隊もわかっていたはず。つまり、シーレーン防衛とは大陸の国に対する海上封鎖作戦。当然、中国もロシアも理解、対抗してくる。それが東シナ海や南シナ海で軍事的な緊張を高める大きな要因なのだ。 |