安倍政権が露骨スリ寄り 吉本興業と“ズブズブ”三文芝居
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2019/06/17 日刊ゲンダイ 安倍首相を訪問しネタを披露する吉本新喜劇の池乃めだから。左端は西川きよし/(代表撮影) 安倍政権が芸能界に露骨にスリ寄り、大ヒンシュクを買っている。 4月20日、安倍首相は現役首相として初めて、なんばグランド花月で「吉本新喜劇」に出演。「四角い仁鶴がまーるく収める」などとギャグを口にしたものの、「場内の反応はイマイチでスベっていた」と報じられたのは記憶に新しい。 出演の目的は「G20大阪サミット」のPRだったが、官邸が吉本に呼びかけ、吉本サイドがこれを受け入れたという。 これにまっ先に異を唱えたのが吉本所属の芸人、ウーマンラッシュアワーの村本大輔。〈おれは芸人だから総理大臣をこき下ろしても総理大臣を持ち上げて当たり障りのない時間は作らない〉とツイッターで反応した。 話は続く。6月6日、今度は吉本所属の西川きよし(72)、池乃めだか(75)らが首相官邸を表敬訪問。新喜劇出演の“お礼”として、官邸で吉田裕(40)とすっちー(47)の持ちネタ「乳首ドリル」を披露した。 しかし予算委員会の集中審議を100日あまりも拒否している最中に「乳首ドリル」を見てヘラヘラしている安倍首相の姿に批判が殺到した。芸能評論家の肥留間正明氏はこう話す。 「見苦しいね。国民をナメてるよ。政治というレベルとお笑いというレベルを一緒であるかのように見せて。要するに人気取り、関西の大衆を巻き込んで支持を得よう、一票を取ろうという下心がミエミエですよ。目の前にエサをぶら下げられて、尻尾を振っているような吉本の態度を一般の人は冷めて見てると思いますよ」 さらに安倍首相は5月以降、芸能人と頻繁に会合している。5月10日には、TOKIOのメンバー4人と自宅近くのピザ屋で会食。5月22日は、安倍首相が大晦日に見たという映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」に出演した俳優の大泉洋(46)と高畑充希(27)と官邸で会食した。安倍首相はいずれもその様子を喜々としてSNSにアップ。参院選を前にした“イメージアップ作戦”に鼻白む声は大きくなるばかりだ。 カラテカの入江慎也(C)日刊ゲンダイ
一方の吉本は教育産業への進出をもくろんでいるという。この4月には、NTTグループと組んで教育関連のコンテンツを配信するプラットフォームを設立。ここに官民ファンド「クールジャパン機構」が段階的に最大100億円出資すると報じられた。6月末には株主総会も控えているが、その直前に起きた闇営業問題では、反社会勢力との関係がバレたカラテカの入江慎也(42)を電光石火で契約解除。「まさにトカゲの尻尾切り」と肥留間氏が指摘するように、「我が社は反社会勢力とは一切無関係」と猛アピールしたい意図が見え隠れする。上智大学教授(メディア文化論)の碓井広義氏はこう話す。 「いわゆる芸能の世界は、一般の社会とは違う価値観で動いている部分はあります。そのひとつとして一般の人が言い出しにくいことや、言っても届かないことなど“庶民の隠れた声や怒り”を芸として代弁する、広めるという機能があるんです。例えば江戸時代は歌舞伎でも時の為政者を揶揄したり批判したりしてきたわけですよ。すべての芸能人が必ずしも反権力ではないし、そうでなくてはならないということではないのですが、芸能には一般の人が持てない、そうした力があるんです」 にもかかわらず、権力者に対して、あたかも猫が頭を撫でられてなつくように振る舞ってしまうのは残念だと言う。 「“政府お墨付き”を得ることで、いろいろと展開しやすいこともあるのでしょう。しかし、特に吉本などは“笑いの力”でもって、時の権力者を揺さぶっていくという部分があって欲しいですね」(前出の碓井広義氏) 吉本を利用しようとする官邸と、それを喜々として受け入れる吉本。一見ウィンウィンの関係なのかも知れないが、そんな“三文芝居”にダマされるほど、大阪のオッちゃん、オバちゃんはアホではないはずだ。 総理の前で「乳首ドリル」反応は?
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