所属議員も鼻白む 自民党“ネトウヨ冊子”配布で参院選対策
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2019/06/15 日刊ゲンダイ 問題の冊子(左)と安倍首相のイラスト 年金をめぐる「老後資金2000万円不足問題」は国民の不安を増幅する一方だ。そうした中、14日の衆院財務金融委員会では、金融相を兼任する麻生財務相の放言がまた響いた。野党議員から年金受給の有無を問われ、「秘書に任せていて、正確な記憶がない」と答弁。年金なんてハシタ金と言わんばかりの横柄な態度を見せた。参院選への悪影響にビビって火消しを急いでいる自民党は大ワラワ。選挙対策で自民党の全国会議員に“ネトウヨ冊子”をまき散らすほど焦りを強めているのだ。 今月10日ごろから自民議員の元に「フェイク情報が蝕むニッポン トンデモ野党とメディアの非常識」と題された冊子が送り付けられている。縦21センチ、横15センチ、厚さ5ミリ程度の装丁で、全142ページ建て。発行元は情報サイト「テラスプレス」で、冊子はこのサイトに掲載された記事に加筆修正してまとめられたという。ところが、サイトには運営母体などの明示がなく、実態は不明だ。 タイトルからして“ネトウヨ臭”がプンプンするこの冊子。中には数十冊も送り付けられた議員もいるから驚く。党本部が参院選に向けた演説の参考資料として、あるいは支援者への配布用として手配したという。 「ニュースサイト『テラスプレス』の許可を得て、参考資料として配布した」(自民党本部) 冊子は、〈トンデモ野党のご乱心〉〈フェイクこそが本流のメディア〉〈安倍政権の真実は?〉の3章構成。目次を見ると、〈あきれるしかない野党の低レベル〉〈おごり続ける朝日新聞〉〈民主政権「悪夢」という安倍首相の正しい認識〉といった具合で、野党や政権に批判的なメディアをコキ下ろす文言がズラリと並ぶ。その一方で、安倍政権をこれでもかとヨイショする見出しが躍りまくっている。 ■安倍首相のイラストは似ても似つかないほど美化 目次もさることながら、記事内容は相当際どい。 〈立憲民主・枝野代表の無責任を嗤う〉と題された記事には、〈枝野氏は、革マル派活動家が浸透しているとされるJR総連などから献金を受けており、革マル派に近いといわれています〉などと書かれ、ご丁寧にもだらしなくヨダレを垂らす枝野のイラストが添えられている。 かたや安倍首相については〈世界のリーダー〉〈安倍首相ほど精力的に外交をこなしている首相はこれまでいない〉と、徹底的に礼賛。イラストは本人に似ても似つかないほど美化されていて、誰だか分からないほどだ。 一体、誰のアイデアなのか。送り付けられた議員らから不評を買っている。 「まあ、内容は理解できるんですが、発行者がよく分からないので、“何だ、これ?”という印象ですね。皆、いぶかしんで、ほとんど読んでないようです。同僚議員は『書類の山に埋もれたまま』と言っていました」(自民中堅議員) 「失言防止マニュアル」の配布といい、アベ自民の程度が分かるというものだ。
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