トランプは得意満面 安倍首相「5兆円」献上の大盤振る舞い
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2019/05/29 日刊ゲンダイ 「兵器爆買い」「農産品市場進呈」「積極投資」にトランプ米大統領(代表撮影)は得意満面/(C)JMPA 「令和初の国賓」として3泊4日で来日したトランプ大統領が28日、上機嫌で帰国の途に就いた。プロゴルファーの青木功氏を交えたゴルフ、升席にイスを置いた特設席で大相撲観戦、外国元首として初めて天皇と会見。安倍首相の接待攻勢は海外メディアに揶揄されるほど濃厚だったが、トランプに刺さったのは、「世界で最も米国の経済に貢献しているのが日本」と安倍首相が胸を張る数々の献上品だったようだ。なにせ、「バイ・アメリカン」が決まり文句のトランプ政権発足以降、安倍首相はご機嫌取りで5兆円超も差し出しているのだ。 ◇ ◇ ◇ 最終日の28日、トランプは海上自衛隊横須賀基地を訪問し、日本に追加購入を迫った米国製ステルス戦闘機F35Bの搭載が可能となる護衛艦「かが」を視察。その後、米海軍横須賀基地に停泊する強襲揚陸艦「ワスプ」に移り、「(日本の)F35戦闘機の数は米国の同盟国の中でもっとも多くなる」と自らのビジネス手腕をアピールした。トランプが「米国の装備品では日本が最大の買い手となった」と得意満面だった通り、安倍政権の兵器爆買いはハンパじゃない。 F35は147機を導入する計画だ。民主党政権時に42機の配備が決まったが、昨年末の防衛計画の大綱などで105機の追加購入を決定。追加費用は機体だけで総額1兆2000億円に上る。秋田県と山口県が配備候補地に挙がる地上配備型ミサイル迎撃システムのイージス・アショアは1基800億円。防衛省は2基の取得関連費を2404億円と試算していて、維持運用を含めると計4389億円になるという。 “未亡人製造機”とも呼ばれる垂直離着陸輸送機オスプレイは陸上自衛隊に17機導入予定で、計1700億円。早期警戒機E2Dは9機で1940億円、無人偵察機グローバルホークは3機で567億円だという。 これらだけで、2兆円を優に超える大人買いだ。 ■大歓待も意味をなさず 一方、トランプに押し込まれた通商交渉では、自動車分野や農産品が標的にされている。TPP離脱前の米政府の試算では約4000億円の対日輸出増を見込まれていた。トランプが〈日本と貿易交渉で大きな進展があった。農産品と牛肉は大変な影響がある。7月の選挙後、大きな数字を期待している〉とツイートしたり、「8月に素晴らしいことが発表されると思う」と発言していたことから、ソロバンをはじいているのは間違いない。 元外務省国際情報局長の孫崎享氏は言う。 「安倍政権は日本経済の屋台骨である自動車産業へのダメージを小さくするため、農産品市場の差し出しを決めたのでしょう。米中貿易戦争で打撃を被っている米国農家にとって好材料になります。かといって、トランプ大統領が本丸に見据える自動車分野で手を緩めるとは考えられない。2016年の大統領選でトランプ大統領は自動車産業と関係の深いウィスコンシン、ミシガン、オハイオ、ペンシルベニアを押さえた。再選を果たすには、当選に必要な選挙人の過半数(270)の4分の1を占めるこの4州の勝利は必須です。日本に譲歩させたイメージを有権者に植え付けるため、最も分かりやすい数量規制を求めてくるのではないか。安倍首相の大歓待は意味をなさなかったといっていいでしょう」 共同記者会見で安倍首相は「トランプ大統領が就任して以来、日本企業は、米国への240億ドル(約2兆6000億円)の新たな投資を決定し、4万5000人の新しい雇用を生み出すことになる」「前回の首脳会談から1カ月の間に日本企業による対米投資は10億ドル(約1100億円)も増加した」と意気揚々だった。売国を鼻にかける男を政権に居座らせたままでいいのか。
【報ステ】トランプ大統領 護衛艦『かが』に乗船 https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20190528-00000080-ann-pol 5/28(火) 23:30配信 ANN アメリカのトランプ大統領は滞在最終日の28日、“事実上の空母”に改修されることが決まっている護衛艦『かが』に乗艦した。 トランプ大統領は「日本は新型戦闘機F35を105機購入する意向を示してくれた。日本はF35を最も多く保有する同盟国になる」と語った。 安倍総理は「日米同盟は私とトランプ大統領のもとでこれまでになく強固なものになった」と述べた。 トランプ大統領は、すぐ近くに停泊するアメリカ海軍の強襲揚陸艦『ワスプ』も訪問。 かがとワスプは、対中国を念頭にした合同訓練を重ねていて、28日の視察は中国をけん制する狙いもある。
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