デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)―基準超は66件、実は223件―
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2019/05/22(水) 19:44:54 めげ猫「タマ」の日記
昨年10月に改定された「放射線副読本」は、
「自治体 における食品の検査結果 (平成 29 年度)」との表で基準超を66件
と記載しています(1)。ところ厚生労働省の発表(2)を(=^・^=)なりに数えると223件でした。でも、福島県の検査が正しいとのデータは無く、福島県の検査は当てになりません。
福島第一原発事故では、放射能が各地に「うつり」各地を汚染しました。
事故から8年2ヶ月を経て特異的
※(3)のデータを(4)に示す手法で5月1日に換算
図―1 今も汚染されている福島
図に示す通り、福島を中心に国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(5)を超えた地域が広がっています。事故から8年2ヵ月以上が経過しましたが、福島を中心は汚染されています。
汚染はさらに、食べものに「うつり」数々のセシウム汚染食品を産み出しました。以下に2017年度中の食品中のセシウム検査結果まとめを示します。
福島を中心に各地で見つかった2017年度の基準超
※1 (1)を集計
※2 出荷制限、自粛は(6)(7)(8)による。
※3 色分けは以下の通りです。
赤マーケットから基準値(9)超えの食品が見つかったのに出荷制限も自粛もせずに放置した県
桃流通品から基準超値超えが見つかった県
黄基準値超えの食品が見つかった県
図―2 2017年度の食品中の検査結果
図に示す様に北は岩手から南は静岡までの12県で基準超のセシウム汚染食品が見つかっています。特に福島は発見件数が多くなっています。汚染源がある以上は当然です。基準超の内訳は
野生鳥獣 147件
山菜・キノコ類 60件
水産物 11件
加工食品 4件
果実類 1件
の合計233件です。
これについて、 昨年10月に改定された「放射線副読本」は、
「自治体 における食品の検査結果 (平成 29 年度)」
との表を17ページに掲載しています(1)。以下に示します。
2017年度の基準超は66件を主張する放射線副読本
※(1)を引用
図―3 2017年度の基準超は66件とする放射線副読本
図に示すと通り基準超は合計で66件(果実類1、山菜・キノコ類54、水産物11)です。まず、イノシシ等の野生鳥獣が抜けています。イノシシだってジビエ料理の食材です。でも掲載を省いています。
次に 山菜・キノコ類の基準超60件を54件と6件少なく記述しています。欄外の脚注13に
「 一部の野生きのこや野生の山菜類を除いて基準値を超えるものはみられません」
なんて記述があります。これを読めば、栽培キノコからは基準超は見つかっていない事になります。
さらに厚生労働省は
「検査結果は、有効数字2桁で記載してください。<中略>「例えば、セシウム 134 が 44.9 ベクレル/kg、セシウム 137 が 60.0 ベクレル/kg だった場合、合計した値は 104.9 ベクレル/kg となるので、3桁目を四捨五入し、放射性セシウムの検査結果は 100ベクレル/kg となります。」
と主張しています(10)。これですと、1キログラム104.9ベクレル以下は100ベクレルになり、基準値以下になってしまいます。
すなわわち脚注13に示す様に、栽培キノコの基準超は基準超としてカウントしない。基準値はあくまでも1キログラム当たり100ベクレルですが、100ベクレル超105ベクレル未満は100ベクレルの読みかけ、基準値以下になります。基準値を1キログラム当たりで100ベクレル以下から実質的に105ベクレル置き換えています。この置き換えの科学的根拠は説明されていません。
厚生労働省の発表を見ると2017年度にはシイタケの基準超が4件(11)(12)(13)(14)あります。シイタケは栽培ものが殆どなので(15)、基準超が無視されたようです。さらに1キログラム当たり103ベクレルのタラノメが2件見つかっています(セシウム134が13、セシウム90ベクレルとセシウム134が14ベクレル、セシウム137が89ベクレル)が見つかっています(16)。これを100ベクレルと読み替えられ、基準値以下になります。これで54件です。
この副読本はシイタケと103ベクレルのタラノメを無視して山菜・キノコ類の基準超wを54件としています。恣意的な操作です。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
改定された副読本(1)はデマでいっぱいです。めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)にまとめています(17)。よかったら見て下さい。
さらに脚注14に
「 水産庁のデータによる集計。海産種では平成 27 年 4 月以降、基準値を超えるものはみられておらず」
と記載されています。以下に福島産コモンカスベの検査結果を示します。
福島の検査では殆どがNDのコモンカスベ
※1(2)(18)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
※3 日付けは捕獲日
図―4 コモンカスベの検査結果
図に示す通り、基準超が見つかっり、出荷制限が実施されています(19)。
この副読本の表題は
「中学生・高校生のための放射線副読本」
ですが、どうみても
「安倍・原子力ムラのための放射線副読本」
です。これでは福島の皆様は不安だと思います。
福島を代表する野菜にキュウリがあります(20)。今年も出荷がはじまりました(21)。須賀川市は福島の主要なキュウリの産地です(20)。同市辺りのキュウリはみずみずしい香りでパリッとした歯切れのよいそうです(22)。福島県は福島産キュウリは「安全」だと主張しています(23)。でも、福島県須賀川市のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。
他県産はあっても福島産キュウリが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
※(24)を引用
図―5 福島産キュウリが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県須賀川市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2901.html
(1)放射線副読本(平成30年10月改訂):文部科学省
(2)報道発表資料 |厚生労働省
(3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日〜11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(4)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(5)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(6)食品中の放射性物質の検査結果について(第1128報)中の 原子力災害対策特別措置法に基づく食品に関する出荷制限等(PDF:459KB)
(7)きのこや山菜の出荷制限等の状況について:林野庁
(8)農林水産物の緊急時環境放射線モニタリング結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(9)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(10)(9)⇒「食品中の放射性物質に係る基準値の設定に関するQ&Aについて」(平成24年7月5日)⇒食品区分や検査に関する Q&A⇒No46
(11)シイタケ - Wikipedia
(12)食品中の放射性物質の検査結果について(第1030報)
(13)食品中の放射性物質の検査結果について(第1031報)
(14)食品中の放射性物質の検査結果について(第1035報)
(15)食品中の放射性物質の検査結果について(第1062報)
(16)食品中の放射性物質の検査結果について(第1033報)⇒1 自治体の検査結果⇒検査結果(PDF:6,076KB)⇒No1353、1355
(17)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)
(18)福島県における魚介類の試験操業に関するポータルサイトです中の「相馬双葉地区」および「いわき地区」
(19)原子力災害対策特別措置法第20条第2項の規定に基づく食品の出荷制限の設定
(20)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(21)トピックス | JA夢みなみ
(22)特産品 - すかがわ岩瀬 | JA夢みなみ
(23)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(24)ヨークベニマル/お店ガイド