食品中の放射性セシウム検査のまとめ(5月9日発表)―栃木産葉ワサビからセシウム、福島は26件連続ND―
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2019/05/11(土) 19:44:01 めげ猫「タマ」の日記
食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。5月9日に4月5日までの食品中の放射性セシウムの検査結果が一ヶ月以上の遅れで発表になりました(3)。まとめてみたので、お買い物の参考になればいいかなと思います。先回に続き今回もしっかりセシウム入り食品が見つかっています(4)。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
@検査数240件
A平均は、1キログラム当たり1ベクレル、最大20ベクレル(宮城県産シイタケ)。
今回の発表ではセシウム汚染食品は見つかっていませんが
・栃木産葉ワサビからセシウム、福島は26件連続ND
・福島県はサヤインゲンを安全宣言、汚染が酷い主要産地は検査していません。
・今年の福島・沼沢湖のヒメマスはセシウム入り
などの特徴が読み取れ福島産は安全とは言えません。
1.栃木産葉ワサビからセシウム、福島は26件連続ND
栃木県産葉わざびからセシウムが見つかったと発表がありました(7)。以下に検査結果を示します。
栃木産からは見つかっても福島産からは見つからない葉ワサビのセシウム
※1(1)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
※3 日付けは収穫日
図―1 葉ワサビの検査結果
図に示すように福島産からは見つかっていません。厚生労働省の発表(1)を数えると26件連続で検出限界未満(ND)です。厚生労働省の発表(1)を見ると、葉ワサビ等の福島産農水産物の出荷前検査は福島県農林水産部に属する(8)、福島県農業総合センターが実施しており、中立性に疑問があります。
福島産は他よりも低く出る検査で「安全」とされ出荷されます。
2.福島県はサヤインゲンを安全宣言、汚染が酷い主要産地は検査していません。
5月に入り福島は春野菜の季節です。福島を代表する春野菜にさやえんどうがあります(9)。以下に市町村別の生産量を示します。
伊達市、二本松市、須賀川市、田村市が主要な産地の福島のサヤエンドウ
※(10)を集計
図―2 福島のサヤエンドウ生産量
伊達市、二本松市、須賀川市がトップ3です。以下に示します。
伊達、二本松、須賀川市産サヤインゲンを検査していない福島県
※1(11)の数値データを元に(12)に示す手法で5月1日時点に換算
※2 旧避難区域は(13)による
※3 ●1個がサヤエンドウの検査1件を示し(14)による。
図―3 福島産サヤエンドウの検査状況
図に示す様に3市共に国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(15)地域が広がっています。避難指示が出されなっかた市町村の中でも、汚染が酷い場所です。福島のサヤエンドウは9シーズン連続で汚染された地で作られます。サヤエンドウの主要産地(伊達市、二本松市、須賀川市)の葬式数を、福島県の発表(16)から集計すると
事故前年度(2009年度)2,294人
昨年度(2018年度) 2,682人
で17%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら約3000万分の1でした(4)。
図に示す様に、福島県会津地方は福島県内では比較的汚染がマシな地域です。また、サヤエンドウの主要産地でもありません。会津地方の葬式数は
事故前年度(2009年度)4,007人
昨年度(2018年度) 4,129人
で、少し増えていますが統計的な差はありません。
汚染されていて葬式が増えた場所で作られる福島産サヤエンドウは心配です。図で●1個がサヤエンドウの検査1件を示しますが、主要産地(伊達市、二本松市、須賀川市)の検査を福島県はしていません。それでも、福島県は福島産キュウリの「安全」を検査で確認したと主張しています(18)。
福島産は検査していなくても、検査で「安全」とされ出荷されます。
3.今年の福島・沼沢湖のヒメマスはセシウム入り
第二沼沢発電所は沼沢湖(ぬまざわこ)を上部貯水池、宮下(みやした)ダムを下部貯水池とする揚水式発電所です(19)。沼沢湖にはヒメマスが生息しています(20)。事故後しばらくの間、基準値超えを起こしていました。以下に示します。
再びセシウムが見つかりだした福島・沼沢湖ヒメマスのセシウム
※1(1)を集計
※2 NDは検出限界未満(みつからない事)を示す。
※3 日付けは捕獲日
※4 基準値は(6)による。
※5 運転再開は第二沼沢発電所運転再開日を指し(21)による。
図―4 福島県沼沢湖産ヒメマスの検査結果
第二沼沢発電所は2011年7月の新潟・福島豪雨で被災し、しばらくは止まっていたのですが2014年1月21日に運転が再開しました。そしたら沼沢湖のヒメマスのセシウム濃度は低下し、昨年(2018年)は検出限界未満にまで下がりました。多分、第二沼沢発電所の運転によって沼沢湖のセシウムが流れだしたと思います。でも、今年(2019年)の検査で再びセシウムが見かりました(21)。
福島産のセシウム含有量は上昇することがあります。過去の検査結果は「安全」であったとしても、今は分かりません。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
・他所より低くでる検査で安全とされ出荷される福島産
・検査しなくても、検査で安全とされ出荷される福島産
・セシウム含有量が上昇する事がある福島産
(=^・^=)は不安なので
「買わない」「食べない」「出かけない」の「フクシマ3原則」
を決めています。でも、これって(=^・^=)だけでは無いようです。
福島を代表する野菜にキュウリがあります(22)。今年も出荷が始まりました(23)。福島のキュウリはおいしいとのことです(24)。福島県は福島産キュウリは「安全」だと主張しています(17)。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。
※(25)を引用
図―5 福島産キュウリが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2889.html
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)食品中の放射性物質の検査結果について(第1129報)
(4)http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2888.html
(5)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(6)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(7)(3)⇒1 自治体の検査結果⇒検査結果(PDF:618KB)⇒No2,870
(8)農林水産部 - 福島県ホームページ
(9)春 | ふくしまの野菜 | JA全農福島
(10)作物統計調査>市町村別データ>平成19年産市町村別データ>年次>2007年中の「6−3 野菜(果菜類) ⇒福島県⇒Excel」
(11)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成30年9月6日〜11月15日測定) 平成31年03月08日 (KMZ, CSV)」
(12)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2018年)
(13)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(14)品目から探す | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報を「野菜」⇒「さ行」⇒「さ」⇒「サヤエンドウ、サヤエンドウ(施設)」で検索
(15)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(16)福島県の推計人口(平成31年4月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(17)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(18)(17)中やさい編 [PDFファイル/173KB]
(19)水力発電所ギャラリー 東北電力第二沼沢発電所 - 水力ドットコム
(20)沼沢湖ヒメマス漁について - 金山町ホームページ
(21)第二沼沢発電所の運転再開について| 東北電力
(22)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(23)トピックス | JA夢みなみ
(24)当たり前に安全でおいしい。須賀川市きゅうり|食メキふくしま|KFB福島放送
(25)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ