金正恩は恐々か FBIと結託する反体制派「自由朝鮮」の暗躍
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2019/03/31 日刊ゲンダイ 急展開にボー然(C)ロイター 2月下旬に発生した在スペイン北朝鮮大使館襲撃事件が金正恩朝鮮労働党委員長を追い詰めている。押し入った反体制派「自由朝鮮」のメンバーが機密資料を持ち出し、FBIの要請に応じて共有。米国に北朝鮮情報が筒抜けとなり、丸裸にされつつあるのだ。 スペイン当局が公表した裁判所の記録によると、米朝首脳会談の5日前、「自由朝鮮」の少なくとも10人が大使館に侵入。一部大使館員を数時間にわたって拘束後、コンピューターとハードディスクドライブを持って逃走したという。 「ハードディスクには平壌との連絡に使用する暗号一覧表や乱数表などが保存されていて、北朝鮮の動向捕捉を容易にしかねない手段がFBIの手に渡ってしまったようです。3月中旬以降、金星国連大使、池在竜駐中国大使、金衡俊駐ロシア大使らの主要大使が相次いで帰国したのは、機密情報をやりとりする通信手段を失ったためとみられています」(韓国メディア関係者) 金正恩の寝首をかく大胆な動きを繰り返す「自由朝鮮」の前身は、「千里馬民防衛」。17年2月にマレーシアで毒殺された金正男の息子のキム・ハンソルを保護し、金正恩体制の打倒を目指して臨時政府の樹立を宣言した団体だ。ウェブサイトを通じて襲撃事件への関与を認め、大使館が麻薬や兵器の違法取引の拠点になっていると主張。「襲撃ではなかった。緊急事態に対応した」と持論を展開している。 朝鮮半島情勢に詳しい国際ジャーナリストの太刀川正樹氏は言う。 「父親が殺害された当時、マカオに滞在中のハンソルを保護した『自由朝鮮』は、台湾を通じて第三国へ渡航させようと試みたが、ハンソルの身元を確認した台湾当局が30時間以上も空港で足止めさせたようです。その間に状況を察知したCIAがハンソルの身柄を米国に移し、CIAやFBIの保護のもと、亡命した叔母の高英淑の生活拠点であるニューヨークで暮らしているといいます。“悲劇の王子”であるハンソルは『自由朝鮮』にとっても、米国の情報機関にとっても、非常に利用価値のある存在です」 物別れに終わった2度目の米朝会談後、北朝鮮は条件付き廃棄を提案していた東倉里のミサイル施設の復旧工事をほぼ完了させたという。態度硬化はやけっぱちなのか。
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