世界景気減速、波乱も山積 日本が消費増税をやる狂気
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2019/03/25 日刊ゲンダイ 文字起こし
アベノミクスが世界経済の足かせに(C)共同通信社
世界経済は“リーマン・ショック前夜”の様相だ。トランプ政権による大型減税などで好況を誇ってきた米国経済がガタつき、不況の前兆とされる長短金利の逆転現象が約11年半ぶりに発生している。引き金はFRB(米連邦準備制度理事会)の路線変更だ。
FRBは20日(現地時間)のFOMC(米連邦公開市場委員会)で景気予測を下方修正。2019年の利上げ見通しを従来の「2回」から「ゼロ」に引き下げた。トランプ大統領による利下げ圧力をかわしてきたFRBが一転、景気の先行きに慎重なハト派に転換したと受け止められ、市場の不安感を増幅。米債券市場で期間10年の金利が急低下し、3カ月物を下回る「長短逆転現象」を引き起こした。「逆イールド」とも呼ばれるこの動きは、不況の予兆だ。米国では過去60年間、景気後退期前に必ず逆イールドが発生したとされる。調査会社ビアンコ・リサーチの分析によると、10年物と3カ月物の金利逆転が10日続いた場合、平均で311日後に景気後退が始まったという。前回の逆イールドは07年8月。その1年後、08年9月にリーマン・ショックが起きた。米金利低下を受け、ドル売り・円買いの動きが強まっている。
世界経済減速の引き金となった米中通商協議の行方も見通せない。2月末を交渉期限とした当初の90日間協議は、双方の溝が埋まらずに先延ばし。貿易戦争を仕掛けたトランプがフロリダ州の別荘「マールアラーゴ」に習近平国家主席を招き、3月末の首脳会談に意欲を見せたことから合意が期待されたが、それも立ち消え。ホワイトハウスの発表によると、2月下旬以来となる直接交渉がようやく再開し、閣僚級協議を28日から北京で、来月3日からワシントンで行うという。
しかし、追加関税の撤廃を求める中国に対し、トランプは、合意後も追加関税の維持を主張。いまだ真っ向対立している。
■アベノミクスは「ジャパン・リスク」と問題視
迷走する英国のEU離脱問題も不安要因だ。英議会はメイ政権がEUとまとめた協定案を1月と今月中旬の2回、大差で否決。離脱日が29日に迫る中、メイ首相はEUに6月末までの延期を求めたが、EU首脳会議はこれを却下した。認められたのは、29日までに協定案を議会で承認する場合に限り、欧州議会選前日の5月22日までの離脱日延期。あるいは、来月12日までに「合意なき離脱」か、長期延期の3択だった。長期延期の場合、解散総選挙や国民投票を再実施する必要に迫られる。いずれにせよ、英国は混乱必至だ。波乱は山積である。
経済評論家の斎藤満氏は言う。
「世界経済はかなり危ない状況に差し掛かっています。排外主義をあおり、極右ポピュリズムをたきつけるトランプ大統領が火をつけた英EU離脱問題はハードブレグジット(合意なき離脱)となる公算が大きい。そうなれば、世界的な経済不安を招くでしょう。世界中に混乱の種をまき散らしてきた米国自身が景気後退リスクに直面する事態に陥っている。その影響をダイレクトに受ける日本経済はダブルパンチを食らいます。円高進行で輸出産業がダメージを被り、日本の株式市場の重しになる。国際的に“ジャパン・リスク”が問題化しています。法人減税や人件費抑制で企業を優遇し、個人には税や社会保障の負担増を強いて所得分配を歪めるアベノミクスが日本経済の弱体化の原因だという認識が広がっているのです。現実に個人消費は弱まり、需要は減退し、景気悪化につながる悪循環にはまっている。アベノミクスは世界経済の足を引っ張るマイナス要因と見なされ、迷惑がられています」
アベノミクスによる好景気を演出するため、政府統計のインチキが蔓延した揚げ句、世界経済の足かせとコケにされているこの国で消費増税をするなんて、狂気の沙汰である。
パウエルFRB議長もハト派転向か(C)ロイター
増税強行、ポイント還元で税率5通りの大混乱 |
内閣府が今月上旬に発表した1月の景気動向指数(2015年=100)の速報値は3カ月連続で悪化。景気の現状を示す一致指数は前月比2・7ポイント低下の97.9に落ち込み、内閣府は基調判断を前月までの「足踏みを示している」から「下方への局面変化を示している」に後退させた。この表現を使うのは14年11月以来。前回の消費増税から7カ月後のことだ。それでも政府の3月の月例経済報告は「緩やかな回復が続いている」との判断を維持。世論の半数超が増税反対の声を上げているにもかかわらず、安倍政権は10月に予定する消費税の10%への引き上げに突き進もうとしている。
安倍首相の「いただいたものをすべてお返しする」との支離滅裂な掛け声で始まった負担軽減策は約1・5兆円規模。「十二分の対策を講じる」というその中身は、食料品の税率を8%に据え置く軽減税率、低所得者や2歳以下の子どもを持つ家庭に限定されたプレミアム商品券発行、キャッシュレス決済に対する9カ月間限定のポイント還元が柱だ。安倍の肝入りがこのポイント還元なのだが、店舗によって還元率5%、2%、ゼロの3パターンに分かれる複雑な仕組みとなり、買う場所、買い方、買う方法で5通りもの税率が生まれることになる。ややこしい制度がかえって買い控えを招きかねない。
■3%増税分の84%が“使途不明”
FRBもハト派に転じたように、世界中が景気減速を警戒し、米中協議、英国のEU離脱問題の行方を固唾をのんで見守っている。そうした中、アベノミクス偽装で取り残された国が付け焼き刃のポイント還元で消費増税とは正気なのか。
経済アナリストの菊池英博氏はこう言う。
「ポイント還元による消費刺激効果はゼロと言っていい。利用者を限定し、中小企業に負担を強いる弥縫策で消費の冷え込みをカバーできるわけがありません。バカじゃないかと思いますよ。第2次安倍政権の発足以降、日本は実質的にゼロ成長です。厚労省のデータを基にした試算では、13年から17年までの実質所得(1世帯当たりの平均所得額)は5年で80万円減っている。60万円は3%分の消費増税によるものです。2%の増税で実質所得は10万円のマイナスになる。日本経済は消費増税でドーンと落ち込み、完全なマイナス成長に陥るでしょう」
だいたい、本来は社会保障費に充てられるはずの消費税の使い道はメチャクチャだ。
自由党共同代表の山本太郎参院議員の調査によると、15〜17年度に「社会保障の充実」に使われたのは各1・35兆円。前回の消費増税3%分のわずか16%だった。内閣官房に全体の内訳の開示を求めたところ、「出せない」と拒否されたという。84%は“使途不明”なのだ。
「消費税との比較で欧州の付加価値税を持ち出されますが、まったく別物と考えるべきです。例えばドイツでは、年初に政府が物価見通しを示します。物価上昇率が2%と見込まれれば、企業は2%プラスアルファの賃上げを実施する。小規模企業でも労働組合があり、経営者と賃金交渉する文化が根付いているためです。物価防衛分は賃上げでカバーされ、デフレが起きづらい環境が整っているのです。そうした底支えの政策を打たず、姑息な手でデタラメを押し通せば、日本経済は奈落の底へ真っ逆さまです」(菊池英博氏=前出)
世界にイカサマを見破られたアベノミクス。それを恥じもせずに喧伝し続けるペテン首相。この国を破綻に追い込む原因はハッキリしている。
日刊ゲンダイ
— 但馬問屋 (@wanpakutenshi) 2019年3月25日
【新元号『安』入り伝達情報】
【この国で消費税増税をする狂気】
『世界経済失速、波乱は山積』
「世界中が景気減退に警戒し、米中協議、英国EU離脱問題の行方に固唾」
「そんな中、アベノミクス の偽装で取り残された国が付け焼き刃のポイント還元で消費税増税とは正気なのか」 pic.twitter.com/S5XfDL85t9
— リ コ (@riko0058) 2019年3月25日
あるわけないやろ!#アベは辞めろ
— Yumi 💛原発から動物達を守り隊 (@MiffyandKuma) 2019年3月25日
— リ コ (@riko0058) 2019年3月25日
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— 藤原直哉 (@naoyafujiwara) 2019年3月25日
【世界経済減速、波乱は山積】この国で消費税増税をする狂気 FRBもハト派に転じたように世界中が景気減速に警戒し、米中協議、英国のEU離脱問題の行方を固唾をのんで見守っている そんな中、アベノミクス偽装で取り残された国が付け焼き刃のポイント還元で消費税増税とは正気なのか(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/N5MozKBtoL
— KK (@Trapelus) 2019年3月25日