財政政策の限界も直視せよ
渋澤健
2019/03/14 09:03
金融政策の限界を直視せよ: 日本経済新聞
なぜ金利がこれほど低いのか。「長期停滞論」で説明できるのか。次の景気後退期の金融政策の効果を見通す上でどんな意味を持つのか
r.nikkei.com
金融政策に限界があるという主張は、私も賛同します。
「中銀が構造的な需要不振に直面し、物価を押し上げたい場合には、信用供与(貸し出し)を拡大し、債務を増大させる方向に誘導するだろう。だがその結果、物価の上昇は実現できない一方で、債務危機を招くという事態に陥るかもしれない。つまり、インフレを起こすどころかデフレに陥るということだ。」
信用与信を提供している中央銀行のバランスシートに、我が国の場合は、リスク資産を積み上げている。これは良いわけがありません。インフレを起こすどころかデフレに陥いた先には、通貨の番人が信用を失うというハイパー・インフレのリスクが潜めています。
ただ、
「民間部門が投資したがらなければ、公的部門がやるべきだ。」
というところからは、疑問が湧きます。直ぐに財政に解決策を求めることは、そもそも何故「民間部門」が投資したがらないのかという重要な課題のWHYの深化がないからです。
「中銀に依存した金融政策は、長い目で見ると、むしろ問題を悪化させる。必要なのは他の政策だ。今こそ財政政策から始めるべきだ。」
いやいや、財政政策の悪影響も吟味しなければ、同じことになります。現状の対処、食いつぶしで、世の中の将来世代に「よりよい明日」を残さないからです。財政を活用するのであれば、あくまでも、それは未来への長期投資。この大事な視点が欠かせないと思います。
そういう意味で、財政支出を官民連携の投資に活用することは、色々な課題があるものの、検討すべき政策です。
https://comemo.nikkei.com/n/n621f6b261823
金融政策の限界を直視せよ
2019年3月14日 2:00
Financial Timesなぜ金利がこれほど低いのか。「長期停滞論」で説明できるのか。次の景気後退期の金融政策の効果を見通す上でどんな意味を持つのか。金融政策の代わり、あるいは景気対策効果を高めるには、他にどんな政策を試してみる必要があるのか。これらはマクロ経済上、最も重要な問いだ。そして議論が大きく分かれる問いでもある。
■先進国、危機前から長期停滞に陥っていた
英中央銀行イングランド銀行のリサーチアドバイザーを務めるウ…
By Martin Wolf
(2019年3月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)
(c) The Financial Times Limited 2019. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
マーティン・ウルフ
FT commentators
チーフ・エコノミクス・コメンテーター
Martin Wolf 英国生まれ。経済政策の間違いが第2次世界大戦を招いたとの問題意識から経済に関心を持つ。世界銀行のエコノミストなどを経て87年にFT入社。一貫して経済問題を執筆。現在最も影響力のあるジャーナリストとされ、その論評、発言は各国の財務相や中央銀行総裁も注目するという。
金融緩和「劇薬」にはリスク[FT]
2016年5月26日
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上杉 素直 Deep Insight Deep Insight
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緩和縮小、世界で後退
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利上げ停止、来年か20年か FRB割れる
2018年11月10日
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO42409200T10C19A3TCR000?s=2
マイナス金利は経済冷やす? 功罪論争、日銀に影響も
2019/3/16 1:31
中央銀行が経済を刺激するために政策金利を0%未満にする「マイナス金利政策」に世界の有力な学者やエコノミストが疑問を投げかけている。導入した欧州と日本で経済の回復が弱いうえに、金融緩和として物価を上げる効果すら疑う説が出てきたためだ。世界経済の減速を前に、市場関係者の関心は金融緩和に向かっている。しかしマイナス金利の評価が割れたままでは、緩和政策の展開は一段と難しくなる。
マイナス金利は銀行の貸し…
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42553090V10C19A3MM8000/