原発の専門家だった武田邦彦は何時から頭がおかしくなったのか?
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GEISTE @J_geiste 2018年12月20日
武田邦彦が完全に電波になってる…
百万歩譲って仮に武田の言う通り、英霊と俺らテレパシーで繋がってんのなら靖国参拝しなくていいじゃんw
https://twitter.com/J_geiste/status/1075946069589078016
2019.02.09
【トンデモ】靖国英霊と我々はテレパシーで繋がっている
(武田邦彦|別冊正論33『國神社創立150年:英霊と天皇御親拝』「國に英霊はおられるか―の科学的結論」2018)
https://rondan.net/8989
Contents
1 宗教と科学
2 Y遺伝子論の曲解
3 テレパシーによって繋がっている
4 ルイセンコ主義?
5 日本スゴイ論
6 おまけ
宗教と科学
「科学的に証明された」などと言われると、客観的かつ普遍的にその正しさが証明されたような気がします。
中世において、自然科学の仮説が得られると、聖書と照らし合わせてその真正性が審議されました。たとえば地動説は、聖書の記述(天動説)に合致しないとして迫害されました。
近代になり啓蒙主義が起こると、宗教が権威を失うとともに、自然科学が権威を増しました。このため、現代では、自然科学を用いて宗教の真正性を証明しようとする動きもあります。
しかし宗教と自然科学はもともと異なる学問体系に属するため、この両者の親和性は極めて悪く、得てしてトンデモ説(いわゆる疑似科学)になりがちです。
今回はそのようなトンデモの一つ、靖国神社に祀られた英霊と、現代の我々がテレパシーによって繋がっているという説を紹介したいと思います。具体的には、武田邦彦 「靖國に英霊はおられるか―の科学的結論」『國神社創立150年:英霊と天皇御親拝』(別冊正論33, 産経新聞社, 2018)を取り上げます。
Y遺伝子論の曲解
保守にとって靖国神社はナショナリズムの牙城であり、その存在意義を確立することは重要な使命の一つです。
ところで虎ノ門ニュースなどで大活躍中の武田邦彦氏は、本職が科学者であるらしく、「科学」という観点から、天皇のありがたさ、靖国英霊の重要性を主張します。
まず天皇が万世一系の男系でなければならない根拠は、Y染色体論(男系に継承される遺伝情報)が採用されます。つまり、神武天皇から今上天皇に至るまで、同一のY染色体が受け継がれているというのです。
しかしこの説明がともかくオカシイ。
現在の象徴天皇の男性としてのY遺伝子は、神武天皇と全く同一である。つまり、今上陛下の男性としてのご性質・人格は神武天皇と全く同じである。
「男性としてのご性質・人格」という言葉をどの様な意味で用いているのか解りませんが、暴論であることは間違いないでしょう。というか、この理論を適用するならば、ヘイトスピーチのかどでYoutubeをBANされた竹田恒泰氏も、今上陛下も同じ性質・人格を持っていることになりますが、私には両者の性質・人格が同一であるとは到底思えません。
さらにトンデモは加速。
天皇と国民の身分の差、遺伝子の差はあまりにも広いために、天皇家と国民という二階級しか形成されず、支配的地位に就いた国民もその時々の臨時なものであり、いつでも交代するという下克上もあり得る社会を作り出した。
遺伝子の差を要因に階級を論じるという、人種差別そのものの発言。武田氏の理解によれば、先天的な要因によってその人の身分が決められるとお考えのようです。
テレパシーによって繋がっている
疑似科学で天皇のありがたさを垂れ流した後、武田氏は靖国神社に祀られている英霊と、現代の我々とに繋がりがあると説きだします。
私たちの肉体と精神は、今も國神社に祀られている人たちからの遺伝子、テレパシーで存在し、それで生を享け、人生を送っているのだ。
テレパシーによって英霊と我々が繋がっているそうです…。
このテレパシーのたとえも酷い。スマホによる切符予約を持ち出して次のよう説明します。
スマホを使って鉄道の改札機前で切符を予約し、数秒後に改札を通ると予約した切符が出てきて改札ゲートが聞く。これを「常識」で説明できる人はいないだろう。
「テレパシー」も同じで、遠くに離れて暮らすわが子の苦悩を感じられる母親がいる。「そんなことウソだ」と言っても、現在では光より早い通信手段が実験的にも見出されている。六十兆個の細胞同士の通信も存在するのだから、人間同士のテレパシーを否定する方が非科学的である
いくらでも「常識」で説明できる人はいると思うのですが、この人、本当に科学者なのかと疑うくらいの無知さです。きっと携帯電話で通話できることも、この人にとっては常識外の現象なのでしょう。
「光より早い通信手段」というのも、一体何を指しているのか解りませんが、疑似科学そのものでしょう。
ルイセンコ主義?
武田氏によるこのテレパシー論は、「ミーム」「ミラーニューロン」「アフォーダンス 」といった聴き慣れない言葉を駆使して説明されています。
どうやら、武田氏はルイセンコ主義(獲得形質遺伝)とよく似た思想をお持ちのようです。
このルイセンコ主義とは、キリンの首が長いの理由は、自然淘汰の結果ではなく、先祖代々高いところにある餌を食べているうちに「長い首」という遺伝情報を獲得したからであると解釈する疑似科学の一つです。
武田氏も過去の祖先の行いが、様々な形で現代の我々に影響を与えていると言います。
私の体もDNAも、命を捧げてくれた先人からいただいたものであり、先人とは今でもテレパシーでつながり、それがミーム、ミラーニューロン、そしてアフォーダンスとなって私自身を形成している。
生物は遺伝子以外にも様々な「非遺伝的形質、性質の獲得」や周囲環境からの「身体や性質に及ぶ直接的影響」を受ける。たとえば、ミーム(文化的遺伝子)による約三百年前からの共通情報の保有、ミラーニューロン(大脳の脳神経細胞構造)の類似性、アフォーダンス(環境からの人体や性質への直接的な働きかけ)などによって「非遺伝的共通性」を有する
さらに、現世の人間同士だけでなく、現世の人間と過去の人間、人間と自然の聞にも未解明の通信手段がある。それが、先述したミーム、ミラーニューロン、アフォーダンスと呼ばれる連絡である。
ここまでくると、なんだかサイエントロジーのパンフレットを読んでいるみたいですね…。
日本スゴイ論
この様に武田氏は、過去の日本人の行動が、テレパシーによって現代の私たちの存在そのものを規定していると考えています。
この理論に従うと、過去の日本人がスゴくないと、現代の日本人もスゴくなくなってしまいます。そこで武田氏は過去の日本を持ち上げまくり、これを靖国と結びつけます。
人類史上、初めて達成した諸国民の独立と平等!
この輝かしい偉業を自らの生命をかけて成し遂げた人たちが、今、國に祀られている。
私たち日本人は、人類の平等のために命を捧げた人たちを祀る場所を持っていることに誇りを持ち、外国の方が日本を訪れた時には、この三千年に及ぶ歴史と英霊の偉業を説明し、まずは國神社にお参りすることを勧めるのがもっとも大切なことだ。
大東亜戦争はアジア民族独立の聖戦だったから、当時の英霊はスゴイ、それとテレパシーで繋がっている日本人もスゴイ()
しかし日本の歴史が三千年に及ぶって、もしや天照大神から数えているのでしょうか? また外国の方に、英霊の偉業を説明することが大切だと言っていますが、結局、武田氏の英霊の偉業って特攻なんですよね。次の通り。
戦争中、もっとも高貴に命を捧げたのが特別攻撃隊(特攻隊)だった。特攻こそが軍隊の魂であり、もっとも正しい戦い方である。
特攻が「もっとも正しい戦い方である」って、終戦間際のヤケクソ記事みたいなことを現代になっても言ってしまうとは…。きっと武田氏の価値観は、今でも大戦下なんでしょう。
この人が為政者になって戦争になったら平然と特攻させるんだろうなぁと思うと恐ろしいことです。
こんな靖国擁護論は、逆に保守のトンデモさを際立たせているだけだと気が付かないのでしょうか?
というか、「百万歩譲って仮に武田の言う通り、英霊と俺らテレパシーで繋がってんのなら靖国参拝しなくていいじゃん」(by GEISTE)ってことになるのですが、そういう疑問は浮かばないのでしょうか?
おまけ
保守論壇の宿命か、武田氏はちゃんとインテリ層批判も忘れてはいません。
日本社会党に由来する政党や日本共産党、日教組、東大法学部教授、朝日新聞などがその典型だが、不完全な大脳と狭い了見しか持たず、日本人が世界的な偉業を達成したのが理解できない。
しかし「不完全な大脳」しか持っていないって、差別感情剥き出しですね…。
コメント
pipisan より: 2018年12月21日 11:03 PM
武田邦彦に箔を付けた名古屋大学の責任は重い。
旭化成を引退して芝浦工大の教授で終わっていればこんなことにならなかった。
こいつの招聘を決めた名古屋大の工学部長はアホである。
結局、何も実績を残さずに同じ愛知県内の中部大学に行って、地元民放を中心に言いたい放題コメンテーターになって、その揚げ句が今の状態だ。
武田の名古屋大学以降の研究実績は、ゼロと言っていい。
いまだに地上波(中部日本放送)でも出演している。
そして大学のブランディング(というか生徒募集の生き残りで必死の事業)にいそしむEだかFだかランクの中部大は、あろうことか武田を特任教授にしてしまった。他にもノーベル賞候補リストに載っている研究者もいるのに。たぶん、その2氏は武田のせいもあって絶対にプライズを取れないだろう。武田は死ぬまで中部大の特任教授で、元名古屋大学大学院工学部教授になってしまったわけだ。
山本弘が徹底批判した「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」は、百田同様に出典を明示しないパクリ、誤用、捏造、妄想が満ちあふれている。にもかかわらず、武田を講演会に呼んで、放射線対策を考えたいという右や左の市民団体(というかアタマの程度が下)がまだいっぱいいる(右派左派双方から問い合わせを受けた。下の方の人の相手は面倒なので「知らない」と答えた)。
百田と武田は同じインチキでのしあがってきた、売れるためには何をやってもいいと思っている屑だ。
そして日本国民の一定数は、そんなもんに騙される阿呆だと思っている。
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