総額3兆円、鴻海・米中同時接近戦略のリスクと勝機
稀代の実業家・郭台銘はなぜ莫大なリスクを冒せるのか
2019.2.8(金) 中田 行彦
2018年6月、米国ウィスコンシン州の鴻海の液晶工場起工式に出席した郭台銘・鴻海精密工業会長、トランプ大統領、スコット・ウォーカー州知事(写真:AFP/アフロ)
台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長(会長)は、2019年2月2日に、前日にトランプ米大統領からの電話でアメリカへの投資を促されたことを受け、米中西部ウィスコンシン州で予定していた液晶パネル工場建設を継続すると明らかにした。人材不足や液晶パネル市況の悪化を受けて中断していた工場建設が再び動き出すことになる。一部では、この一件、鴻海の「ブレる米国戦略」と揶揄されている。
「三兎を追うものだけが三兎を得る」
しかし、アメリカと中国との「ハイテク戦争」が激しさを増す状況下で、鴻海は米中双方に同時接近し、「三兎を追う」戦略を進めている。今回の翻意についても、筆者は、鴻海にとって「想定内」の戦略ではなかったのかと思う。
二兎を追うものは一兎をも得ず――言わずもがなだが、あれこれ目を奪われることなく、一つのことに集中せよ、ということを教えてくれることわざだ。だが、常識や規範を破壊して前進していくタイプの人間もまれにいる。規範を知った上で、あえて規範を破壊していく人だ。
郭台銘はまさにこのタイプだ。二兎どころか、三兎も追っている。それは「三兎を追う者だけが三兎を得る」と心得ているからに違いない。
ではその「三兎」とは何か。鴻海が中国・広州で建設を予定している液晶工場、同じく中国・珠海で計画している半導体工場、そして前述のアメリカ・ウィスコンシン州の液晶工場の3つだ。
米中は、知的財産権を争う「ハイテク戦覇権戦争」の真っ只中にある。この米中「ハイテク覇権戦争」も永遠に続くはずはない。終戦後に鴻海が「三兎を得る」可能性がある。少なくとも、米中の「両面戦略」が、ハイリスクではあるが、利益を生み出す可能性がある。課題は、リスクをいかに低減するかにある。この視点から本事例を読み解いていく。
鴻海が米中で予定している新規工場は、それぞれ投資金額がおよそ1兆円に及ぶビッグプロジェクトだ。
米国液晶工場の位置を【図1】に、総額3兆円の工場投資計画を【図2】にまとめてみた。
【図1】 米国での鴻海の大型液晶パネル工場とシャープ関連会社(筆者作成)
【図2】鴻海の米中での液晶・半導体工場投資計画(筆者作成)
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一つは、中国に習近平国家主席の提唱する「中国製造2025」の象徴となる、世界最大の10.5世代の液晶工場だ。これは広州に総額約1兆円を投資して最新の液晶工場を建設する計画である。
さらに中国では、もう一つの巨額投資計画を打ち出した。中国の珠海に予定している半導体工場だ。「中国製造2025」を実現する半導体素子を自前で製造したい中国にとっては、喉から手が出るほど熱望する計画だ。
中国での巨額投資をぶち上げた郭台銘は、「米国第一」主義の米国トランプ大統領にも接近した。それが冒頭で取り上げた、ウィスコンシン州に建設することになっている液晶工場だ。液晶工場は、現在は、日本、韓国、台湾、中国のアジアにしかない。この工場建設で、雇用を生み出す計画だ。
だが液晶工場の各社の計画を見ると、数年先の計画では「TBD(To Be Determined)」とされているものが多い。TBDとは、未確定を意味する英語表現であるが、単に決まっていないだけでなく、「後で決める予定である、将来確定させるべきである」という意味を含んでいる。
つまりこういうことだ。液晶工場の建設に必要な投資金額は、近年に急激に増大し1兆円を超えるものも多くなった。このため自社で全額投資するのではなく、先に工場建設計画のアドバルーンを挙げ、建設予定地となる地方自治体からの投資や支援策を呼び込んで、計画の確定、工場建設、さらに確度があがると生産設備導入に至るという手法が多く取られるようになってきた。つまり、巨額の投資計画では、アドバルーンを上げながら進めていくケースが多い。鴻海のウィスコンシン州の工場が一時凍結されていたのも、こうした慣行が背景にある。
競争戦略の基本:「バカな」と「なるほど」
実は鴻海は、これまでにハイリスクに挑んで成長してきた。それを、同社が最初にアップルに食い込んだ際のケースから考えてみよう。
アップルはiPhoneを初めて発売する時、ケースを金属製の高級感あふれるものにしたいとのこだわりをもっていた。製造受託先のメーカーがこの要求に応えるためには、非常に高価な工作機械を多数購入し、それを夜中まで稼働させないといけない。事業としてはハイリスクだった。多くの企業が尻込みする中、郭台銘は、リスクをとって多額の投資を行い、アップルからのビッグビジネスを獲得したのだ。こうした郭台銘の、従来の経済のパラダイム(規範)を破壊する型の経営を、私は「規範破壊経営」と名付けている。
経営戦略論の名著に『「バカな」と「なるほど」』という本がある。吉原英樹神戸大学名誉教授の著書だ(PHP研究所刊)。「バカな」は、差別性、それも軽蔑される差別性を表現している。「なるほど」は、合理性ないし論理性を表している。吉原氏は、戦略の二大条件は、差別性と合理性であるとし、強いて言えば差別性の方が重要であると説いている。
私が言う「規範破壊」は、このうち「バカな」のほうの差別性と言える。では、郭台銘の経営スタイルにおける「なるほど」の合理性はあるのだろうか。
それをシャープとの提携交渉を踏まえて読み解いてみよう。
鴻海のシャープ堺工場運営会社への出資
まず、鴻海がシャープと最初に提携した、堺工場運営会社への出資の事例に注目したい。
郭台銘はかねてより、「シャープと鴻海が組んで、韓国のサムスンに勝つ」 、つまり「日台連携で韓国に勝つ」という構想を抱いていた。
当然シャープと鴻海の提携交渉は、トップ同士の直談判となった。シャープは会長(当時)の 町田勝彦、鴻海は董事長の郭台銘が交渉に当たった。
この交渉が、2012年3月26日に公表された、両社の提携に結びついた。提携内容は、液晶パネルを生産する堺工場の運営合弁会社への50%出資と、シャープ本体への10%出資の2つが柱だった。
その後、堺工場の運営合弁会社への出資は実際に実行され、堺工場の共同運営で成果が出た。
一方、シャープ本体への出資は、業績低下でシャープの株価が当初約束した価格より下がってしまい、実行すると鴻海側に損害が発生する状況に陥っていた。このため、交渉は難航し、最終的には決裂することになってしまう。
郭台銘のこの決断について、私は「経済合理性」に適った判断だと思う。つまり、「なるほど」の合理性は、当初の計画を変更しても「経済合理性」を追求することだ。
鴻海は堺工場の運営会社へ投資することにより、堺工場で生産する大型液晶パネルの半分が安定供給され、また液晶生産のノウハウが得られるメリットを獲得している。一方、シャープ本体への投資を止めることにより、株価低下による損失を回避できた。この2つの選択は、鴻海側から見れば「経済合理性」に適っている。
シャープ側から見ても、大型液晶パネルの半分の安定供給先を確保でき、工場の稼働率を上げられ利益が出る体制が作れた。巨額の投資をした堺工場だったが、鴻海との提携により、売上高が損益分岐点を超え、利益が出るようになったのだ。
シャープ本体への出資と経費削減
こうして、いったんはシャープ本体への出資を断念した郭台銘だったが、シャープへの強い思いは一貫して抱いていた。その思いを実らせるチャンスは4年後にやってきた。
当時まだ経営危機を脱していなかったシャープは、政府系ファンドの産業革新機構(INCJ)からの出資によって救済されることが半ば決まっていた。シャープは解体されて、液晶部門はジャパンディスプレイ(JDI)と、家電部門は東芝の家電部門と統合されるはずだった。
ところが、2016年1月末、鴻海の郭台銘が来日し、シャープ経営陣に直談判したことにより、このプランをひっくり返してしまったのだった。
なぜ、郭台銘は、産業革新機構の提案を論破し逆転できたのか?
産業革新機構の提案と鴻海の提案、また参考として2019年1月時点の鴻海の実際の対応を、【図3】にまとめてみた。
【図3】産業革新機構の提案と、鴻海の提案と実際の対応の比較表
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まずは、産業革新機構と鴻海の提案を比較してみよう。
産業革新機構は「勝てる」と思って強気の案を出していた。出資規模では、鴻海の7000億円規模に対し、産業革新機構は3000億円規模。2倍以上の違いがあった。
出資の仕方も大きく異なっていた。鴻海は、メインバンクであるみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行に対して、 「債務の株式化」(DES:デット・エクイティ・スワップ)で貸付金2000憶円を優先株に変えたものを簿価で買い取るとしていた。そのうえで、それ以上の債権放棄などは求めないという提案だった。
これに対して、産業革新機構は優先株2000億円分の実質放棄とともに、さらなるDESにより1500億円の拠出を求めていた。合計3500億円の債権放棄を求めるという、銀行にとっては厳しい条件だった。この案を受け入れると、銀行のトップは株主代表訴訟で訴えられる恐れもあった。
また会社の経営体制については、鴻海が原則現状維持の提案をしたのに対して、産業革新機構は経営陣の退任を求め、事業部門ごとに切り離すとしていた。
つまり鴻海案はシャープ経営陣にとっても銀行側にとっても受け入れやすかったのだ。
そして最も重要なのは、支援後の「成長戦略」を描けているかどうか、だった。
産業革新機構の案では、シャープの液晶部門とJDIを統合するという同種企業の「日の丸液晶連合」であり、規模を大きくすることによりコストを抑えるという「規模の経済」が中心で、その先行きは不透明だった。
一方、鴻海の支援案では、鴻海とシャープが同業ではなく補完関係にあることが明確になっていた。シャープは研究・開発に強く、鴻海は生産・販売に強い。このため両社の強みを生かした「国際垂直統合」と「共創」によりグローバル競争に展望が持てた。
郭台銘はこの点を強調した。「グローバル成長戦略」で、シャープ経営陣を説得したことが、鴻海が大逆転する決め手となったのだ。つまり、この時点では、「なるほど」の合理性の面で見て、シャープが鴻海を選択するのが妥当だったのだ。
しかし、鴻海の提案から3年を経た現時点から振り返ってみると、条件が低下された事項がある(【図3】参照)。これが、今回の注目すべき点である。
提案を超えて実施された事項は、最も重要な「グローバル成長戦略」で、東芝のPC事業買収や、液晶テレビ1000万台計画等である。
出資規模は、鴻海の提案7000億円規模に対して、最終は3888億円に削減されている。その理由は後述する。
銀行が保有する優先株については、2018年6月、公募増資して優先株の買い取りを行う計画を発表していた。しかし、株価が低迷したため、「株式の希薄化」を恐れて、同じ6月に増資の中止を決定。「株式の希薄化」とは、新株発行で株式数が増えて1株当たりの権利内容が小さくなることだ。代わって、銀行が保有する優先株の約半分を、手元資金851億円により取得し、2019年1月に消却した。
社員の雇用については、「原則現状維持」としていたが、2015年7月〜9月に国内3500人の希望退職を実施している。
郭台銘が「偶発債務」で見せた「条件交渉」
鴻海による出資規模の削減には、「偶発債務」が関連している。2016年2月24日早朝に、シャープから鴻海に送られてきた「偶発債務」リストが騒動を引き起こした。これはシャープが鴻海の買収提案受け入れを決める臨時取締役会のまさに前日の出来事だった。
「偶発債務」とは、現在は発生していないが、将来何らかの事態が起きたときに負担する可能性のある債務のこと。例えば、ある製品の生産から撤退した場合に地元自治体に返納しなければならない補助金、特許侵害等を巡る訴訟の損害賠償金、製品輸送時の事故や取引先の倒産で生じる損失などがこれに該当する。重要性が高いものについては、財務諸表の「注記」に内容や金額を記載して投資家に開示する必要がある。
鴻海の郭台銘は、24日に報告を受けると、シャープに説明と翌日の取締役会延期を要求した。しかし、シャープは、「偶発債務」を既に適切に開示しているとして、25日に取締役を開いて、鴻海を選んだことを鴻海に通告した。
取締役会延期の要請を無視したシャープに対し、鴻海には不信感が広がった。シャープは、社長の高橋興三が深圳に出向き、郭台銘に謝罪と説明をせざるを得なかった。
ここから郭台銘の交渉力が発揮される。
出資額は、当初4800億円でまとまりかけていたが、「偶発債務」問題の発生により、鴻海は主力銀行に2000億円の減額を通告した。これに対して、2つの主力銀行は、新たな融資枠3000億円を設定する条件を示した。
最終的に郭台銘は、出資額を当初予定の4800憶円から約1000億円減額した、3888億円とすることで、シャープと合意した。
取るべき価値のあるリスクには挑戦するが、冒す価値のないリスクは徹底して排除する。誰もが「なるほど」と頷かざるを得ない経済合理性を追求している。
米中「ハイテク戦争」下での「想定内」戦略
鴻海のシャープへの2回の出資および条件交渉の事例を見てきた。
郭台銘の「規範破壊経営」は、ハイリスクの「規範破壊」を提案する「バカな」、その後、条件交渉により「経済合理性」を追求する「なるほど」から成り立っている。
このように考えると、今回の鴻海の米戦略はぶれたのではなく、「経済合理性」を追求する「想定内」の戦略だと理解できる。
まず、米中「ハイテク覇権戦争」の状況下で、米中の両方に同時接近するのは、米中双方から支援が得られなくなる可能性があり、ハイリスクである。
郭台銘は、2019年2月2日午前、台北市内での講演で次のように述べたという。
「昨晩トランプ氏から電話を受け、米国投資に期待していると言われた」
トランプ氏は「できる限りの協力」を申し出た上に、「中国との貿易協議は順調で、合意に達するだろう」とも話したという。これは、中国へも接近を試みている鴻海に対し、トランプ大統領直々に米国投資のお墨付きを与えられたことを意味する。
また郭台銘は当初、トランプ大統領に対して、大型液晶テレビ等に用いる10.5世代の液晶パネル生産ラインを約束していた。しかし、米国に液晶サプライチェーンがないため、2018年の着工直前に、より小型で世界に多数稼動しており立ち上げが容易な「6世代」に変更していた。ところが、起工式に参加したトランプ大統領にはそのことを伝えなかったと言う。その後、経済環境の変化もあり、工場建設を凍結していた。
今回のトランプ大統領との電話会談で、郭台銘はお墨付きを得ただけでなく、「6世代」への変更を追認してもらったことになる。
今回の一件は、ウィスコンシン州からの支援にもプラスの効果が出てくる可能性がある。鴻海の液晶工場建設については、スコット・ウォーカー知事(当時、共和党)が、鴻海が負担する賃金の30%に相当する補助金、約3億5000万ドルを何年も支払う好条件を約束して誘致合戦に勝利していた。しかし、2018年11月の州知事選挙でウォーカー氏が敗れ、民主党のトニー・エバース氏が新知事に就任すると、鴻海に補助金が支給されるか不透明になった。
しかし、民主党支持者にも、鴻海進出による雇用増に期待を寄せる層がある。今回のトランプ大統領の支援の再表明によって、エバース知事が鴻海に補助金を出す可能性が高まったという見方も当然できる。
郭台銘の経営スタイルは、「規範破壊経営」により、ハイリスクの「規範破壊」を提案するだけでなく、その後で、今回のように条件交渉により「経済合理性」を追求する「なるほど」から成り立っていると考えられる。リスクの取り方と経済合理性の追求のバランスが絶妙なのだ。
その視点に立てば、ウィスコンシン州での工場建設の凍結も、よりよい条件が出てくるまでの「待ち」の戦略だった可能性がある。一代で、世界最大の電子機器受託製造サービス企業を築き上げた経営手腕はダテではないのである。
(文中敬称略)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55404
拡大する中国の半導体需要ファーウェイが3位に浮上、中国メーカー4社がトップ10入り
2019.2.8(金) 小久保 重信
韓国の電機大手サムスン電子のロゴ(2017年10月31日撮影)。(c)AFP PHOTO / JUNG Yeon-Je〔AFPBB News〕
昨年(2018年)1年間における半導体購入企業のランキングは、韓国サムスン電子が1位で、これに米アップルが次いだ。
両社が、半導体の購入に最も多くの金額を費やす電子機器メーカーであることは、2011年から変わりがない。しかし、昨年は、この2社の金額の伸びが減速した。その一方で、中国メーカーの金額が増えている。
こうしたレポート(速報値)を米国の市場調査会社ガートナーがまとめた。
上位10社の半導体購入金額、世界全体の40.2%に
昨年におけるサムスンとアップルの金額の世界市場全体に占める比率は17.9%で、2017年から1.6ポイント縮小した。
ところが、この2社を含む上位10社の合計金額の比率は、一昨年の39.4%から、40.2%へと拡大した。
その大きな要因は、中国のスマートフォンメーカーにあると、ガートナーは指摘している。例えばファーウェイ(華為技術)の購入金額は、前年から45.2%増加した。同社は一昨年、このランキングで5位だったが、昨年は米デルと中国レノボ・グループ(聯想集団)を上回り、3位となった。
一昨年にランキングの上位10社に入っていた中国メーカーは、3社のみだった。ファーウェイ、レノボ、それに、中国オッポ(広東欧珀移動通信)と中国ビーボ(維沃移動通信)を傘下に持つ中国BBKエレクトロニクス(広東歩歩高電子工業)である。
しかし昨年は、これにシャオミ(小米科技)が加わり、中国メーカー4社がトップ10に入った。シャオミの金額は前年から62.8%増(27億ドル増)と、大幅に増えている。
このほか、米国のキングストンテクノロジーも同48.7%増と、金額を大きく増やし、一昨年の13位から8位へと順位を上げた。これに伴い、韓国LGエレクトロニクスとソニーが、トップ10から外れた。
こうした状況について、ガートナーは、「パソコン市場とスマートフォン市場は、ともに上位メーカーへの集約が進んでおり、この半導体購入企業ランキングにも、大きな影響を及ぼしている」と述べている。
パソコン市場、上位メーカーへの集約進む
例えば、昨年のパソコンメーカー別出荷台数ランキングは、レノボ、米HP、デル、アップル、台湾エイサー(宏碁)、台湾エイスース(華碩電脳)の順。
このうち上位3社のシェアは、いずれも前年から拡大したが、4位〜6位の3社と、7位以降の「その他」は縮小した。昨年10〜12月におけるトップ3の合計シェアは63%となり、1年前の59%から拡大した。
(参考・関連記事)「パソコン市場は、7年連続の前年割れ」出荷台数2.6億台、2007年以来最も低い水準
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55246
スマホ、世界トップ6の合計シェアは75%
スマートフォン市場にも同様の傾向がある。昨年のメーカー別世界出荷台数ランキングは、サムスン、アップル、ファーウェイ、シャオミ、オッポの順。これらトップ5の10〜12月における合計シェアは69%で、1年前の63%から拡大。これに、6位のビーボも含めると、その合計シェアは、75%となる。
(参考・関連記事)「2018年はスマホ市場始まって以来の『最悪の年』」市場成長は止まったか?出荷台数、2年連続で減少
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55380
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55439