日産ゴーン元会長、逮捕後初のインタビュー 【イブニングスクープ】
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40664680Q9A130C1MM8000/
2019/1/30 17:00 日経新聞
会社法違反の特別背任罪などで起訴された日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(64)が30日、勾留先の東京拘置所(東京・小菅)で日本経済新聞のインタビューに応じた。中東の知人側への巨額送金について「必要な幹部が(決裁に)サインした」とするなど改めて違法性を否定し、検察側との主張の食い違いが鮮明になった。
日産自動車のカルロス・ゴーン元会長 イラスト デザイン編集部 萩原 始
日産と仏ルノーの経営統合案について、2018年9月に日産の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)と協議し、持ち株会社方式を検討していたことも明かした。
18年11月19日の最初の逮捕以来、ゴーン元会長が報道機関の面会に応じるのは初めて。約20分間、英語でのやり取りに答えた。
ゴーン元会長は面会で、自身が使途を決められる「CEO予備費」を使ってサウジアラビアの知人側に約12億8千万円を支払わせたとされる特別背任罪の起訴内容について「他地域でも同じように予備費からインセンティブを支払っているが、問題視されていない」と主張。「予備費はブラックボックスではなく、必要な幹部がサインをしている」とし、正当な支出だったと強調した。
これに対し、日産の中東担当幹部は東京地検特捜部の聴取に「必要のない支出だった」などと証言しているもよう。特捜部はこの支出について、知人がゴーン元会長の信用保証に協力した謝礼などの趣旨だったと判断している。
ゴーン元会長は面会で、2度の保釈請求が認められず勾留が70日を超えていることに「なぜ勾留が続いているのか理解できない」「証拠は日産がすべて持っている。どうやって証拠隠滅できるのか」と不満を表明。「私は逃げない。しっかりと(法廷で)自分を弁護する」と述べた。
日産とルノーの経営統合案を巡っては、日産の西川社長に「昨年9月に話した」と説明。統合構想は「1つの持ち株会社の傘下で、(それぞれの会社が)事業運営の独立を確保する内容だった」とし、ルノー、日産、三菱自動車を持ち株会社方式で経営統合させる計画が社内で進行していたことを明らかにした。
自身の逮捕につながった日産の社内調査は「策略で反逆だ」と主張。自身が進めていたルノーとの経営統合に反対する日産内の一部グループと関連していたことは「疑いようのないことだ」と話した。
ルノー、日産、三菱自のアライアンス(企業連合)の将来については「推測を述べることはできない」と言及を控えた。
健康状態を尋ねると「大丈夫だ」とし、現在の自らの状況について「人生山あり谷ありだ」と述べた。終始、疲労や動揺は見せなかった。
ゴーン元会長は18年11月に特捜部に逮捕され、これまでに会社法違反(特別背任)と金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で起訴された。
逮捕前、ルノー大株主の仏政府はゴーン元会長に対し、ルノーと日産の関係を「後戻りできない関係」にするよう求めていた。仏政府は逮捕後にも日本政府関係者に日産とルノーを経営統合させたい意向を伝えているが、西川社長は「今は(統合などの)形態を議論する時ではない」としている。
日産はゴーン元会長の逮捕を受けて18年11月に会長職と代表権を解いた。4月中旬の開催を検討する臨時株主総会で取締役からも解任する見通しだ。ルノーでは1月24日付でゴーン元会長が会長兼CEOを退任し、仏ミシュラン出身のジャンドミニク・スナール氏が後任会長に就任した。
三菱自を含む3社連合は31日、オランダ・アムステルダムでトップ会談を開く。ルノーのスナール新会長と日産の西川社長が初めて対談するとみられる
「これは反逆だ」 ゴーン元会長会見全文
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40665080Q9A130C1I00000/?n_cid=DSREA001
2019/1/30 17:03 日経新聞
――日産自動車によるゴーン被告の不正調査と、仏ルノーとの経営統合に反対していた一部関係者が関連していたと思いますか。
「疑いようがない。(不正調査は)策略であり、これは反逆だ」
――「独裁者」であり「会社を私物化していた」との批判にどう反論しますか。
「私は日産を再生させた。日産を愛しているし、すばらしいことをしてきた。(私がやってきたことは)独裁ではなく、強いリーダーシップだ。一部の関係者が現実をゆがめるために、強いリーダーシップを独裁だと説明している。その目的は私を排除するためだ」
――2018年春に日産とルノーの資本関係見直しを表明していた。この計画はどこまで進んでいましたか。
「経営統合のプランはあった。18年9月に(日産の)西川(広人社長兼最高経営責任者=CEO)に話をした。(三菱自動車の)益子(修CEO)さんにも会話に加わってほしかったが、西川が一対一での会話を求めてきた」
「(統合構想は)1つの持ち株会社の傘下で(ルノー、日産、三菱自の)それぞれの自主性を確保する計画だった。私が過去17年間取り組んできた方針に沿った内容だ。あくまでも各社の自主性を尊重する内容だった」
――日産とルノーの経営から退くことになった。日仏連合の将来をどう見ていますか。
「アライアンス(企業連合)の将来については推測できない」
――日産の海外子会社を通じて不動産を不正に購入したとの疑惑があります。
「私には安全に仕事をして(業務上)人を招く場所が必要だった。一連の手続きは(CEOオフィスの)ハリ・ナダ(専務執行役員)がすべて担当した。私は弁護士ではなく、すべての関係者が把握していた。(問題があるのなら)なぜ私に言ってくれなかったのか分からない」
――中東の知人への巨額送金で罪に問われている。なぜ資金源に「CEO予備費(リザーブ)」を使ったのですか。
「(送金は)すべて各国の責任者である幹部がサインしている。他の地域でも同じように予備費からインセンティブが支払われているのに問題視されていない。『CEOリザーブ』はブラックボックスではなく、必要な幹部がサインをしている」
――日本の刑事司法についてどう思いますか。
「なぜ勾留が続いているのか理解できない。私は逃げもしないし、しっかりと自分を弁護する。証拠は日産がすべて持っており、社員との接触も日産が禁じている状態で、どうやって証拠を隠滅できるのか」
――今の状況は。
「人生山あり谷ありだ」
――健康状態はどうですか。
「大丈夫だ」
※以下有料記事
【日経特報】中東の知人側への巨額送金は「必要な幹部が(決裁に)サインした」などと改めて違法性を否定。日産元会長のカルロス・ゴーン被告が30日、東京拘置所で日本経済新聞のインタビューに応じました。https://t.co/RT1uHQx8vs
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) 2019年1月30日
日本経済新聞による日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告の単独インタビュー記事です。フランスのメディアの関心も高く、トップ級で内容を伝えています。仏紙のルモンド、フィガロ、レゼコーはいずれも現時点で電子版トップに置いています。https://t.co/eRJzAP6Apq
— 篠崎健太(日本経済新聞) (@k_shinozaki) 2019年1月30日
日産ゴーン元会長、逮捕後初のインタビュー: 今夜10時のBSテレ東「日経プラス10」で、生々しいインタビューの様子をお伝えします。本日は私の出番。突っ込んで聞いていくつもりです。
— 太田泰彦 Yasu Ota Nikkei (@nikkei_yasuota) 2019年1月30日
#ゴーン #日産 #日経プラス10 https://t.co/ivx5fe3IZY
自身の逮捕につながった日産の社内調査は「策略で反逆だ」と主張。自身が進めていたルノーとの経営統合に反対する日産内の一部グループと関連していたことは「疑いようのないことだ」と話した。https://t.co/XD2EcEfTQK
— Mariko Oi 大井真理子 (@BBCMarikoOi) 2019年1月30日
「私は逃げない。しっかりと(法廷で)自分を弁護する」と、ゴーン氏。逮捕後初のインタビュー。 https://t.co/ivx5fe3IZY
— 太田泰彦 Yasu Ota Nikkei (@nikkei_yasuota) 2019年1月30日
この状況において、「人生には浮き沈みがあるものだ」。並大抵じゃないなあ。
— マサティス (@D8UlS72icvHwISF) 2019年1月30日
このニュース見るたびに、日本の前近代的な部分が世界にさらされているようで、日本人として恥ずかしく感じる。 / 日産ゴーン元会長、逮捕後初のインタビュー (日本経済新聞) #NewsPicks https://t.co/Y8VfSFWZrD
経営統合に反対していた一部関係者が関連していたと思いますか。
— パレート (@Vil_Pareto) 2019年1月30日
「疑いようがない。(不正調査は)策略であり、これは反逆だ」
「これは反逆だ」 ゴーン元会長会見全文: 日本経済新聞 https://t.co/BgVSq9j79T
まあ反逆なのは誰が見てもわかるけど、それ相応のことをやってたからなぁ。
— やっはろ〜 (@Hello2013Ya) 2019年1月30日
>――「独裁者」であり「会社を私物化していた」との批判にどう反論しますか。
この質問にもまったく答えてない。
「これは反逆だ」 ゴーン元会長会見全文https://t.co/QgjmHIcXK3
日本語のインタビュー全文がもう出ていました:「これは反逆だ」ゴーン元会長会見全文 :日本経済新聞 https://t.co/nWeQ4nLhUI pic.twitter.com/wJB5QZRT5u
— polarbear (@polarbear_2017) 2019年1月30日