厚労省不正問題:統計不正、野党再調査要求 !
野党の見解・詳報は ?
T 厚労省不正問題:統計不正、野党再調査要求 !
政府、聴取一部やり直しへ
(www.fnn.jp:2019年1月25日 午後8:34より抜粋・転載)
毎月勤労統計の不正問題をめぐり、野党側は、与党に対し、特別監察委員会がまとめた中間報告書の内容が不十分だとして、調査のやり直しを求めた。
政府は、関係者への聴き取りを一部やり直す方針を決めた。
25日午前に会談した立憲民主党など野党6党派の国対委員長は、厚生労働省の特別監察委員会の調査で、職員に対する聴取を身内である職員が行っていたことなどを問題視し、調査のやり直しを求めることで一致した。
立憲民主・辻元国対委員長は、「社会の土台が壊されているような危機感」、「日本の信頼は地に落ちている」などと述べた。
こうした中、菅官房長官は、特別監察委員会の調査について、「第3者の視点から厳正な調査を行った」としたものの、あらためて関係者の一部への聴き取りなどを行う考えを示した。
菅官房長官は、「昨日の国会審議でいただいたさまざまなご指摘について、厚労省で真摯(しんし)に受け止めて、特別監察委員会の委員によるヒアリング等の調査をさらに行っていただく」と述べた。
自民・小泉厚労部会長は、「きのうの閉会中審査も、あの状況を見ていれば、あれで幕引きはありえない。当然のことだと思います」と話した。
与野党ともに、25日も部会などで、厚生労働省から事実関係の聴取を行っており、週明けの28日に召集される通常国会でも追及が続く。
U 毎勤統計調査不正問題でヒアリング 厚労部会
(cdp-japan.jp:立憲民主党:2019年1月23日より抜粋・転載)
立憲民主党は1月23日、厚生労働部会(部会長・石橋通宏参院議員)を国会内で開き、厚生労働省による毎月勤労統計調査の不正問題について、厚労省などからヒアリングを行いました。この問題をめぐっては22日、弁護士らでつくる特別監察委員会が調査報告書を根本厚労大臣に提出。厚労大臣は統計法違反を認めて謝罪し、関係者を処分しました。
石橋議員は冒頭のあいさつで、特別監察委員会が17日と22日のわずか2回の会議で報告書をまとめ、組織的な隠ぺいについて合理的な理由がないまま「隠蔽しようとする意図まで認められない」と結論づけていることを問題視。
加えて、特別監察委員会には関連資料を提出する一方、24日には衆参両院の厚労委員会で閉会中審査が開かれるという状況のなか、石橋議員が今月7日から求めている資料や質問事項等に対していまだに回答がないことを指摘し、「このような状況で国民の信頼が得られるのか。われわれや、国民の皆さんが納得できる説明をしてほしい」と求めました。
会議では、厚労省から特別監察委員会に提出された資料がいまだに国会議員に提出されない理由について明確な回答はなく、再度の要請にも「検討する」旨回答。石橋議員は「厚労省への不信感はますます強くなる。委員会での審議妨害にもなりかねない」と述べ、本日午前中に資料を提出するよう、あらためて要請しました。
出席議員らは、今回の報告書に調査手続きの経過等の具体的な内容が記載されていないことにも不信感を持ち、この点を質問。
厚労省の担当者は、特別監察委員会全体での会議は2回だが、19、20の両日も独立行政法人・労働政策研究・研修機構理事長の樋口美雄(前統計委員会委員長、労働政策審議会会長)委員長から担当者らがヒアリングを受けていること、委員会に先立ち常設されている監察チームで調査した内容が引き継がれているなどと説明しましたが、内部調査ではないかとの疑念も上がり、これら内容についても示すよう求めました。
報告書では、そもそもの、2004年に全数調査から不適切な抽出調査にした動機についても、「500人以上の事業所から苦情が多く、都道府県担当者からの(負担軽減の)要望を踏まえ、全数調査にしなくても精度が確保できると考えた」と明記されているのみ。
議員が「東京都から要請があったのであれば証拠を示してほしい」などと合理的な説明を求めたところ、厚労省は答えられず、原因究明には程遠い実態が浮き彫りになりました。
そのほか、今回問題となっている、本来全数調査であるべき東京都の規模500人以上の事業所等への調査が抽出調査であったことに加え、東京都の規模30人以上499人以下の事業所の一部で他の都道府県と異なる抽出率を設定し、正しい復元が行われていなかったこと、東京都の規模30人以上499人以下の事業所の一部で行っていた「全体の統計の精度を向上させようとしたもの」とある手法については、専門会委員会で判断されるべきものであることも明らかになりました。
V 【衆院厚労委】毎月勤労統計の不正調査に
ついて閉会中審査で議論
(www.dpfp.or.jp:国民民主党:2019年01月24日より抜粋・転載)
◆山井和則議員:
衆院法務委員会は、1月24日午前、毎月勤労統計調査問題について閉会中審査を開いた。国民民主党からは大西健介、山井和則議員(写真上)が質疑に立ち、根本匠厚生労働大臣に同統計の不正調査の詳細について説明を求めた。
◆大西健介議員
大西議員は冒頭、「のべ2000万人の雇用保険や労災保険で500億円を超える過少給付を生じ、予算案を修正し閣議決定をやり直すという前代未聞の事態を招いた不祥事であり、その責任は極めて重大だ」と述べた。
特別監察委員会の報告書が極めて不十分だったとし、委員長をはじめとした有識者の参考人招致を申し入れた。また、根本大臣が昨年12月20日に調査方法が全数調査から抽出調査に変更されたと報告を受けていたにもかかわらず、年明け1月8日の記者会見まで隠していた責任は重いと厳しく追及した。
さらに、特別監察委員会による政務三役への聴き取りが一切なかったこと、調査を実施している東京都や神奈川・愛知両県、大阪府への聴き取りがなかったことを十分な調査とは言えないと問題視した。
最後に、「裁量労働制に関する労働時間データの偽装、障害者雇用率の水増し問題、そして、今回の毎月勤労統計の不正と、もはや厚労省に対する国民の信頼は地に落ちている」と厚労省の相次ぐ不祥事を厳しく批判した。
◆山井和則議員
山井議員は厚労省の不正調査について、悪質な「賃金偽装、アベノミクス偽装」だとし、「過去1年間賃金の伸び率を0.5%も高く水増し、国民や世界をだましていたにもかかわらず、言及も謝罪もない。国民に対して謝罪すべき」と訴えた。
また、「過去に一度確定した前年度比の賃金の伸び率が下方修正されたことがあったのか」質問し、根本厚労大臣が「日本の歴史上初めてだった」と答えた。
次に昨年「算出法変えたら賃金高い伸び率」と報道された新聞記事で、9月28日の総務省統計委員会では多数の人々が賃金の変化として実感するのは、同じ事業所での変化だとして、伸び率には同じ事業所を比較した「参考値」を用いるのが適切との見解を示したと紹介した。
総務省統計委員会担当者に「昨日厚労省が公表した昨年6月の名目賃金の伸び率の再集計値2.8%と参考値1.4%のどちらが実態に近い伸び率か」を質問し、「参考値1.4%の方が適切」との見解を確認した。
総務省の見解について根本大臣に所見を尋ねたところ、明確な回答はなかったため、「サンプルの入れ替えやベンチマークの更新による寄与がない、本当の賃金の伸び率の公式見解を出してほしい」と強く申し入れた。
W 勤労統計不正・偽装 組織的隠ぺい濃厚 解明は予算審議の前提
衆参厚労委閉会中審査 高橋・倉林議員が追及
(www.jcp.or.jp:共産党:2019年1月25日より抜粋・転載)
毎月勤労統計の不正・偽装問題をめぐって衆参両院の厚生労働委員会の閉会中審査が、1月24日に開かれました。日本共産党の高橋千鶴子衆院議員、倉林明子参院議員は「厚労省は、二重三重に統計を偽ってきた。
これを組織的隠ぺいではないなどといえるわけがない」「事実解明は予算審議の前提となる」として、徹底した検証を行うよう求めました。
高橋氏は、毎月勤労統計が雇用保険などの給付の基準額となるだけでなく、景気判断や今年10月の消費税10%増税など政策判断の前提となっていることを指摘。
昨年12月20日に不正調査の報告を受けながら、何の報告もしないまま2019年度予算案を閣議決定した根本匠厚労相の責任をただしました。根本厚労相は「12月28日に総理に秘書官を通じて報告した」などと弁明するだけでした。
高橋氏は「責任の重大性を受け止めているとは思えない」と厳しく批判。さらに、厚労省の特別監察委員会がわずか1週間で、組織的隠ぺいを認めない報告書をとりまとめたことについて「通常国会の開会前に(報告書を)出すよう指示があったのではないか」と追及しました。
厚労省の定塚由美子大臣官房長は「特別監察委員会を設置したときに(根本)大臣から早く事実を解明するよう指示があった」と回答。高橋氏は「出来レースだ」と批判しました。
倉林氏は、独自に入手した、従業員500人以上の事業所の事業主に調査期間の終了を知らせる厚労省大臣官房統計情報部長名による文書の存在(12年2月)を告発。本来、全数調査すべき500人以上の事業所を厚労省が勝手に抽出したうえ、期間を定めて、入れ替えまでしていたとして「恣意(しい)的な入れ替えはなかったのか」と追及しました。
厚労省の大西康之政策統括官は「恣意的なことはなく、無作為抽出だ」と答えました。倉林氏は、調査対象事業所の指定を知らせる通知には厚労相の判が押されていることを指摘。抽出調査に切り替えたことを「(大臣が)知らなかったでは済まされない」として、改めて第三者機関による検証を行うよう主張しました。
X 「毎月勤労統計調査」の不正について (談話)
(www5.sdp.or.jp:社民党:2019年1月11日より抜粋・転載)
社会民主党幹事長・吉川はじめ:
1.本日、厚生労働省は、「毎月勤労統計調査」で、従業員が500人以上の大規模な事業所について、全数調査するべき都内で約3分の1の事業所しか調べていなかった問題についての検証結果を公表した。公的統計は、国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報である。
なかでも「毎月勤労統計調査」は、特に重要と判断され社会で広く使われている国の「基幹統計」である。10年以上にわたって行われていた今回の不正は、政策立案や意思決定の基盤を揺るがし、公的統計への信頼を損なう重大かつ深刻な事態であるとともに、他の政策立案に影響を及ぼし、多くの国民にも支給漏れ等の不利益をもたらしている。
にもかかわらず、抽出調査を他の県にも拡大しようとしていたということも明らかになっている。そのうえ、昨年1月に問題を認識しながら説明せず、正しい手法で実施したかのように装った発表を続けており、厚生労働省の組織ぐるみの隠蔽といわざるを得ない。
再発防止に向け、外部の有識者も含めた第三者委員会でしっかり検証するとともに、政府の責任で公的統計の総点検を行うよう求める。また、速やかに衆参厚生労働委員会を開いて閉会中審査を行うよう働きかけていく。
2.今回の不正の影響で、調査結果をもとに算定されている雇用保険の失業給付や労災保険の給付などが本来より少なく支給され、推計でその数は延べ約2000万人、総額は530億円に上るとされる。全容の解明と被害の救済を急がねばならない。国民に対する情報提供、相談体制の強化と丁寧な対応を求めたい。
3.「毎月勤労統計調査」は他の統計にも使われており、どう影響するのか。さらに、「働き方改革関連法案」で政府が強行した高度プロフェッショナル制度の年収要件についても、本来より低く設定される懸念がある。こうした他の政策への影響についても検証を行い、必要な見直しを図るべきである。
4.昨年は、裁量労働制を巡る労働時間調査や失踪外国人技能実習生調査でも改ざんやねつ造が発覚した。相次ぐ不祥事は看過できない。
また、安倍政権の目指すGDP600兆円に近づくような名目GDPの急伸の背景に、2016年12月のGDPの計算方法の変更もあった。
今回不正が発覚した「毎月勤労統計調査」自体、昨年1月に新たな作成手法を採用し、調査対象の半数弱を入れ替えるなどされ、その結果、18年に入っての「現金給与総額」の前年比増加率は17年平均の0・4%を大きく上回る高い伸び率となり、安倍政権の狙い通りに賃金上昇率が高まった形を演出した。こうした政権の意向や思惑に沿った統計や調査の不正は断じて許されない。
5.今回の不正には、民間には罰金を科していた障がい者雇用について、中央省庁が長年水増しをしていた問題にも通じる隠蔽体質を感じる。
調査を受ける企業などには正確な報告が義務付けられ、違反には罰金刑もあるにもかかわらず、正確さに欠ける不正が04年から行われ、さらには調査手法を正しく装うような改変操作まで行われていた。
しかも対象の入れ替えや改変、修正も含め、秘密裏に行われていた。安倍政権のフェイク体質は底なしである。社民党は、「毎月勤労統計調査」問題の徹底解明と再発防止、公的統計の信頼回復に全力で取り組む決意である。