連邦政府機関の一部閉鎖の理由
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2018年12月23日 小笠原誠治の経済ニュースゼミ
米国の連邦政府機関の一部が閉鎖されてしまいましたが… どうしてそのようなことになったかご存知でしょうか? 「バカ言っちゃいかんよ」 大変失礼しました。そうですよね、お分かりですよね。 でも、念のために、その理由を言ってください。 「だから、野党の民主党が反対しているので、予算が通らないと」 ほんまでっか? どうして野党の民主党が反対すると予算が通らないのですか? 「中間選挙で、野党が下院で過半数を獲得したじゃないか、えっへん!」 確かに、野党民主党が下院で過半数を獲得しましたが… 「だろう?」 でも、下院では壁建設費を含む予算を可決したのですよ。 「じゃあ、何故政府機関の一部閉鎖になったんだ?」 だから、その理由を聞いているのです。 「上院が通さないの? でも、上院は、共和党が過半数を占めているし…」 いずれにしても、米国の下院は民主党が過半数を占めていると思っている人がいて、それが今回の問題を分かりにくくしている理由の一つだと思うのですが… でも、現時点では、下院も共和党が過半数を維持しており、中間選挙の結果が議席に反映されるのは年明けになるのです。 「分かった。だから下院では、共和党が壁の建設費を盛り込むことを認めたんだ」 では、上院は? 「う〜ん」 ということで、何故共和党が過半数を維持している上院で、壁建設費が認められないかと言えば… BBCが次のような記事を掲載していました。 BBCの日本語の記事です。 米政府、一部閉鎖 国境の壁めぐり議会対立続く(12月22日) (抜粋) 下院では単純過半数で予算案は可決されるが、上院(定数100)では3分の2以上の賛成が必要。上院の共和党議席は51議席にとどまるため、民主党の賛成が得られなければ成立しない。民主党はトランプ氏の壁建設計画に強く反発しているため、上院で民主党が、壁の建設費計上に賛成する見込みはない。さらに年明けには今年11月の中間選挙の結果を受けて、下院は民主党が多数党となる。 トランプ氏は事態打開のため、上院でも単純過半数で可決できるよう手続きを変更する、いわゆる「核のオプション」を使うよう、共和党のミッチ・マコネル院内総務に働きかけているが、マコネル議員はこの極端な議会対応には消極的だ。 共和党ではほかに複数の上院議員が、可決の要件を変更するという極端な対応に強く反対している。 「なるほど、なるほど」 でも、上の記事は間違いがあるようなのです。 米国のメディアと同様、日経が次のように報じています。 日経(12月19日) 米政権、「国境の壁」で代替案 21日に予算期限 (抜粋) ただ、与野党が合意できるかは不透明だ。野党・民主党は国境警備に16億ドルを認めるものの、壁の建設には反対している。上院(定数100)で予算を通すには60議席が必要で、民主議員の賛成票が欠かせない。 2/3の賛成ではなく、60票がが必要なのだ、と。 で、今度はBBCの英語の元記事を確認してみると… BBC US shutdown looks set to drag through Christmas But Mr Trump does not have the 60 votes in the 100-seat Senate he needs to get the House budget passed. そこにはちゃんと60票となっていました。 どうなっているのでしょう? いずれにしても、共和党員だけでは60票が確保できずに、だから壁建設費が認められない、と。 因みに、下院は単純過半数で予算が可決されるとのことです。 米国の議会の仕組みが少し分かったという人、クリックをお願い致します。 ↓↓↓ 人気blogランキングへ ※リンク省略 |