GDP実質年率1.2%減 7〜9月期は2四半期ぶり減
経済
2018/11/14 10:33
内閣府が14日発表した2018年7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.3%減だった。年率換算では1.2%減。1〜3月期以来、2四半期ぶりのマイナスとなった。全国で相次いだ自然災害の影響で個人消費が伸びなかった。輸出も大幅なマイナスとなった。
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実質GDPの成長率は市場予想の中心値(年率1.0%減)を超える減少幅で、15年10〜12月期以来の大きさとなった。1%程度とされる経済の実力(潜在成長率)も大きく下回った。
今回、前期比0.3%減と実質GDPを押し下げた要因の内訳をみてみると、個人消費を含む内需が0.2%分、外需が0.1%分押し下げていた。
内需のうち、GDPの5割超を占める個人消費は0.1%減だった。4〜6月期(0.7%増)から大きく落ち込んだ。相次ぐ自然災害の影響で、宿泊や飲食関連の減少が目立った。
民間の設備投資は0.2%減。8四半期ぶりのマイナスで、4〜6月期の3.1%増から大幅に下振れした。建設機械を中心に生産用の機械が減少方向に寄与した。今夏の西日本豪雨により建機関連の部品供給が滞ったためとみられる。
一方、住宅投資は0.6%増と5四半期ぶりにプラスに転じた。住宅投資は工事の進捗状況に応じてGDPに算入しており、4〜6月期の新築着工の伸びが反映された。公共投資は1.9%減と5四半期連続でマイナスだった。
外需の内訳をみると、輸出が1.8%減と5四半期ぶりにマイナスに転落した。自動車輸出が伸びなかったほか、自然災害で物流網が寸断されたり、生産が遅れたりした影響が表れた。
ただ、内閣府は輸出が大幅に減少したことについて「アジア向け情報関連財による押し上げ力が弱まっている」とも指摘し、災害だけが要因とはみていないことを示した。
輸出に計上される訪日外国人の国内消費も鈍かった。自然災害により訪日客が減った影響があったとみられる。輸入は1.4%減だった。
生活実感に近い名目GDPも0.3%減だった。年率でみると1.1%減だった。名目でみても2四半期ぶりのマイナスだった。
収入の動きを示す雇用者報酬は名目ベースで前年同期比2.5%増。内閣府は今回から雇用者報酬の算出方法を見直した。過去分も改定し、4〜6月期は3.4%増と従来公表の4.1%から下方修正した。1〜3月期も2.7%増と3.1%増から修正した。物価の動きを総合的に示すGDPデフレーターは0.3%減だった。
7〜9月期GDP、年率1.2%減 自然災害で消費や輸出が低迷
2018/11/14 9:30日本経済新聞 電子版
内閣府が14日発表した2018年7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.3%減、年率換算では1.2%減だった。マイナスは2四半期ぶり。7〜9月期に国内で相次いだ自然災害の影響で、消費や輸出が低迷した。
QUICKが集計した民間予測の中央値は前期比0.3%減、年率では1.0%減だった。
生活実感に近い名目GDP成長率は前期比0.3%減、年率で1.1%減だった。名目のマイナスも2四半期ぶり。
実質GDPの内訳は、内需が0.2%分、外需が0.1%分の押し下げ効果だった。
項目別にみると、外需のうち、輸出が1.8%減だった。マイナスは5四半期ぶり。米国向けの自動車輸出の伸びが鈍化したほか、台風による関西国際空港の一時閉鎖で電子部品などの輸出が滞った。訪日外国人の増加傾向が頭打ちとなったことも影響した。
内需のうち、個人消費は0.1%減だった。生鮮野菜の価格高騰などが消費意欲に水を差したほか、自然災害で宿泊や飲食サービス、航空旅客輸送の利用が減ったことも影響した。
設備投資は0.2%減と8四半期ぶりにマイナスとなった。自然災害などの影響で、建設機械など生産用機械への支出が減った。
住宅投資は0.6%増と5四半期ぶりに増加した。4〜6月期に着工した新設住宅の工事が進んだ。
公共投資は1.9%減だった。民間在庫の寄与度は0.1%のマイナスだった。
総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期比0.3%のマイナスとなった。マイナスは2四半期連続。原油価格の高騰で輸入デフレーターが上昇したことが響いた。輸入品目の動きを除いた国内需要デフレーターは0.7%のプラスだった。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL14HEG_U8A111C1000000/?n_cid=SPTMG002
2期ぶりマイナス成長 7〜9月期GDPをグラフ解説
ビジュアルデータ 経済
2018/11/14 9:32
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内閣府が14日発表した2018年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期比年率1.2%減だった。マイナスは2期ぶり。相次いだ自然災害が生産や消費を冷やした。グラフで日本経済の今を分析する。
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■実質GDP、年率1.2%減
2期ぶりのマイナス成長となった主な要因は輸出と個人消費の落ち込みだ。
■関空の閉鎖、電子部品輸出に影響
輸出は前期比1.8%減と5期ぶりに減少に転じた。9月の大型台風による関西国際空港の一時閉鎖で、電子部品の輸出が減った。GDPでは輸出に分類される訪日客消費(インバウンド)も大きく低下した。
台風で浸水した関西国際空港=共同
台風で浸水した関西国際空港=共同
■ガソリン・食料の値上がりで消費停滞
個人消費は前期比0.1%減だった。ガソリンなどエネルギー価格の上昇や自然災害を受けた生鮮食料品の高騰で、消費が伸び悩んだ。実額でみても、14年の消費増税以降の回復に力強さはない。
■設備投資は8期ぶり減少
設備投資は前期比0.2%減と8期ぶりに減少に転じた。4〜6月期に前期比3.1%増と大幅に増加した反動が出たが、米中貿易戦争で一部の企業が設備投資に慎重になっている可能性はある。ただ、実額でみると88兆円と高水準で、人手不足に対応した省力化投資は活発だ。
■10〜12月期の実質成長率1%台半ばに回復
マイナス成長となった日本経済の先行きはどうか。日本経済研究センターがエコノミストら39人に聞いている「ESPフォーキャスト調査」(11月12日時点)によると、10〜12月期の実質成長率は1.69%に回復。米中貿易戦争といったリスク要因はあるが、1%台半ばの成長を維持するとの見方が多い。19年10月の消費増税でいった落ち込むが、20年1〜3月期は0.48%に回復する。
過去の統計データがご覧いただけます。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37564700Z01C18A1000000/
7〜9月期GDP、年率1.2%減 2四半期ぶりマイナス
経済・政治2018/11/14 8:50
内閣府が14日発表した7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比0.3%減、年率換算では1.2%減だった。マイナスは2四半期ぶり。4〜6月期は年率換算で3.0%増だった。自然災害の影響で消費や輸出が低迷した。
【関連記事】7〜9月期GDPをグラフ解説
QUICKが集計した民間予測の中央値は前期比0.3%減で、年率では1.0%減だった。
生活実感に近い名目GDPは前期比0.3%減、年率では1.1%減だった。名目も2四半期ぶりにマイナスになった。
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実質GDPの内訳は、内需が0.2%分の押し下げ効果、外需の寄与度は0.1%分のマイナスだった。
項目別にみると、個人消費が0.1%減と、2四半期ぶりにマイナスだった。豪雨や台風の影響が出たほか、一部生鮮野菜の高騰やガソリン高が消費者心理を冷やした。
輸出は1.8%減だった。電子部品などの輸出拠点である関西国際空港の一時閉鎖や訪日外国人の減少が響いた。輸入は1.4%減となった。
設備投資は0.2%減と、8四半期ぶりにマイナスだった。自然災害の影響で企業の設備投資需要が伸び悩んだ。
住宅投資は0.6%増。5四半期ぶりにプラスだった。来年の消費増税を見据えた動きが出た。公共投資は1.9%減。民間在庫の寄与度は0.1%のマイナスだった。
総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期と比べてマイナス0.3%だった。輸入品目の動きを除いた国内需要デフレーターは0.7%のプラスだった。
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GDP1.2%減 7〜9月 2四半期ぶりマイナス
2018/11/14 9:01日本経済新聞 電子版
内閣府が14日発表した2018年7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.3%減、年率換算では1.2%減だった。2四半期ぶりにマイナスとなった。自然災害の影響で、消費や輸出が伸び悩んだことが響いた。
QUICKが8日時点で集権した民間予測の中央値は前期比0.3%減、年率では1.0%減だった。
生活実感に近い名目GDP成長率は前期比0.3%減、年率で1.1%減だった。名目のマイナスも2四半期ぶり。
実質GDPの内訳は、外需が0.1%分の押し下げ効果、内需の寄与度は0.2%分のマイナスだった。
項目別にみると、外需のうち、輸出が1.8%減だった。マイナスとなるのは5四半期ぶり。米国向けの自動車の輸出の伸びが鈍化した。台風の影響で関西国際空港が一時閉鎖され、電子部品などの輸出も滞った。
日本政府観光局(JNTO)によると9月の訪日外国人客数(推計値)は5年8カ月ぶりに減少した。客数の減少で国内の訪日外国人による消費が減ったことも影響した。
内需の寄与度はマイナス0.2%だった。内需のうち、個人消費は0.1%減だった。野菜価格の上昇で食品の販売が減った。災害の影響で外出が手控えられ、宿泊や飲食サービス、航空旅客輸送の利用が減ったことも影響したとみられる。
設備投資は0.2%減と8四半期ぶりにマイナスとなった。建設機械など生産用機械への支出が減った。
住宅投資は0.6%増と5四半期ぶりに増加した。4〜6月期に着工した新設住宅の工事が進んだ。
公共投資は1.9%減、民間在庫の寄与度は0.1%のマイナスだった。在庫の増加幅が縮小し、GDPにはマイナスとなった。
GDPデフレーターは前年同期比0.3%のマイナスとなった。マイナスは2四半期連続。原油価格の高騰で、輸入デフレーターが上昇したことが響いた。
輸入品目の動きを除いた国内需要デフレーターは0.7%のプラスだった。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37732410U8A111C1000000/?n_cid=SPTMG002
政府統計、信頼に揺らぎ GDPなど日銀が不信感
2018/11/13 1:30 日経新聞
東京・霞が関の内閣府庁舎
日本の現状を映す統計を巡り、内閣府と日銀が綱引きしている。国内総生産(GDP)など基幹統計の信頼性に日銀が不信を募らせ、独自に算出しようと元データの提供を迫っているのだ。内閣府は業務負担などを理由に一部拒否しているが、統計の精度をどう高めるかは、日本経済の行く末にも響きかねない大きな問題をはらんでいる。
「基礎データの提供を求めます」。10月11日、政府統計の改善策などを話し合う統計委員会の下部会合で、日銀の関根敏隆調査統計局長は内閣府の統計担当者に迫った。
統計委のGDPに関する会合は喧々囂々(けんけんごうごう)の議論が続く。中心テーマは内閣府が発表するGDPの精度だ。GDPは様々な統計を合成して作る「2次統計」で、元データの合成方法は非常に複雑だ。
日銀はこうした統計への不信を募らせ、原データなどを確認して自ら合成を試みたいと訴えている。だが、内閣府は「業務負担が大きい」などと反論。要請に応じて一部データを提供したものの決着は付いていない。
日銀の不信には一定の根拠がある。例えば厚生労働省が毎月まとめる賃金に関する統計。今年1月に統計手法を変えたところ前年同月比の伸び率が跳ね上がった。これには専門家から異議が噴出。統計委員会でも俎上(そじょう)に載り、この賃金データを基にまとめる内閣府の報酬統計も修正を迫られた。
日銀は早くから厚労省統計の賃金の異常な伸び率に着目し、7月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)では統計方法変更の影響を除いた数字を採用した。経済実態を正確に映すために、GDP統計も合成比率を見直すべきだとの立場だ。関根氏は「消費増税前後の成長率の振れは内閣府の発表より小さかった」などとする検証結果も示し意見を戦わせている。
「1次統計の精度向上が最優先だ」。第一生命経済研究所の新家義貴氏はGDPの精度向上が重要課題だとした上で、その基となる統計の見直しをおろそかにすべきではないと指摘する。1次統計とは企業や消費者などから直接データを集めて作る統計のこと。2次統計であるGDPの揺らぎは1次統計の精度の問題をはらむ。
だがこうした議論がむなしく感じるのが、今の日本の統計作成現場の実態だ。総務省によると、日本の統計職員は今年4月時点で1940人。前年比で2%増えたものの09年比では半減した。
農林水産省で統計職員の算入方法を変えた影響も大きいが賃金データの正確性に疑問を持たれた厚労省も1割超減った。厚労省が国会に示した裁量労働制に関するデータが不適切だった問題も「統計に詳しい人材が足りなかったため」との指摘が漏れる。内閣府が業務負担を理由に日銀へのデータ提供を拒むのも無視できる状況ではない。
各国に比べ日本の統計人員は少ない。政府の統計改革推進会議が昨年まとめた統計機関の職員数は米国が1万4000人超に上る。人口が日本の半分程度のフランスも2500人超、カナダは約5000人だ。
職員増だけが解決策ではないものの、人的な制約が大きければ精度向上にも限界がある。総務省は一部統計を民間に委託するが、委託できる統計には限りがある。
予算も増えない。失業率などの基幹統計を抱える総務省の担当者は「統計は予算確保の優先順位が低くなりがち」と指摘する。消費動向を調べる同省の家計調査も単身世帯の増加で調査世帯の見直しが急務だが、予算の制約がこれを阻む。
日本では戦後間もない1947年に統計法ができ、以来、統計は国や自治体の政策を決める判断材料になってきた。少子高齢化など社会が大きく変革するなかで人口や雇用、消費や企業活動などの動向をはかる統計の精度向上は不可欠だ。統計の揺らぎはデフレ脱却への正念場を迎える政府と日銀の政策判断を誤らせる可能性もはらむ。
世界でも公的統計を含むデータは重要性を増している。データの集計・管理の覇者が世界を動かす時代。統計改革の遅れは政策の方向性に影響を与え、日本経済の競争力低下にもつながりかねない。(中村結)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37675170S8A111C1EA1000/
http://www.asyura2.com/18/senkyo253/msg/607.html
GDP推計値、消費把握へ採用データ見直し 内閣府が7〜9月期2次速報から
2018/10/11 20:00日本経済新聞 電子版
内閣府は国内総生産(GDP)の推計方法を見直す。消費動向をより正確に把握するため、推計値に組み入れるデータの一部について総務省の家計調査から、企業など供給側の活動に基づく情報に切り替える。家計調査は調査対象世帯が少なく、結果の精度に課題があると指摘されてきた。12月発表予定の7〜9月期GDP2次速報から新たな推計方法を採用する。
総務省統計委員会の11日の下部会合で内閣府が示した。内閣府は各種統計を組み合わせて四半期ごとのGDP推計値を算出している。今回、見直すのはGDPの構成要素のうち、家計最終消費支出。クリーニングやスポーツ関連、美容院や書籍などを含む16項目は今後、供給側のデータだけを採用する。従来は需要側と呼ばれる家計調査の情報も使っていた。
供給側データを使う比率を高めるのは2017年7〜9月期の2次速報以来、1年ぶり。今回対象の16項目以外も、年内に組み入れるデータの比率を改める見通しだ。第一生命経済研究所の新家義貴氏は今回の見直しを評価したうえで「家計調査など、GDP統計の基となる統計の精度向上も重要だ」と指摘する。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36374530R11C18A0EE8000/
働く人の報酬、0.7ポイント下方修正 内閣府が4〜6月期で
経済
2018/10/24 17:54
内閣府は働く人が受け取る報酬の推計値を下方修正する。4〜6月期の伸び率は前年同期比で3.4%上昇と、従来の公表値から0.7ポイント下振れる。産業構造の変化などを加味して過去に遡って再計算したところ、過剰な伸び率だと分かり、異例の修正を加える。11月に発表する7〜9月期の国内総生産(GDP)速報にあわせ、過去の推計値を修正し公表する。
1〜3月期も2.7%と従来推計値から0.4ポイント下方修正する。2017年分もさかのぼって改定する。
働く人が受け取る報酬の推計値は「雇用者報酬」として四半期ごとに公表している。政府がデフレ脱却を判断する材料の一つになる。
雇用者報酬に原データとして組み込む厚生労働省の賃金データについて、統計方法を変えた今年1月以降に過剰な伸び率になっているとの指摘が専門家から相次いでいた。内閣府は厚労省のデータを精査したうえで伸び率が過大と判断し、雇用者報酬の伸び率の修正を決めた。
内閣府は雇用者報酬の見直しと並行し、公表項目も見直す。現状は年1回公表する家計の可処分所得については、物価を加味した実質値を四半期ごとに新たに公表する計画だ。18年度中に公表時期を決める。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36858190U8A021C1EE8000/
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/437.html