「MeToo」1年 「声が届いたと感じる」伊藤詩織さん
https://mainichi.jp/articles/20181104/k00/00m/040/030000c
毎日新聞2018年11月3日 19時29分(最終更新 11月3日 20時17分)
「『#MeToo』に希望を感じている」と語る伊藤詩織さん=東京都千代田区で2018年11月3日、宇多川はるか撮影
昨秋に始まり、世界に広がった反セクハラ運動「#MeToo(私も被害者)」から1年の節目として東京都内で3日に開かれたシンポジウムに、自身の性暴力被害を告発したジャーナリスト、伊藤詩織さん(29)が登壇した。伊藤さんは「1年前と比べると、公の場で性暴力についてオープンに話ができるようになった。皆さんが一緒に動いてくれるようになったのは、『#MeToo』が生んでくれた連帯」と語った。 シンポを開いたのは、「#MeToo」を、日本でもあらゆるハラスメントを許さない動きにつなげようと取り組むグループ「#WeToo Japan」。「#MeTooから1年。変わったこと、変わらなかったこと、変えなくちゃいけないこと」と題し、伊藤さんのほか、国内外でハラスメント、性暴力、ジェンダー問題に取り組む3人が登壇した。会場には男女約60人が集まり、熱心に耳を傾けた。 性暴力やハラスメントについて、伊藤さんは「当事者意識が重要。誰もが加害者か被害者か傍観者かもしれない」と強調。「『自分ごと』と考えずに被害を無視することが、周囲も自分も傷つけることになる」「『#MeToo』でそういうことが分かってきたことに希望を感じている」と話した。 また、会場からの「声を上げ始めた時と今で変わったことは?」との質問には「(1年前に)声を上げなければいけなかったのはそれしか方法がなかったからだが、今は声が届いたと本当に感じている。こういうイベントができることになったのも信じられないこと」と笑顔を見せた。【宇多川はるか/統合デジタル取材センター】
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