「蛸よお前もか!」原材料高騰で“タコ焼き”から蛸が消える日
https://wjn.jp/article/detail/2644671/
2018年10月07日 19時00分 週刊実話
「タコ焼きは庶民のおやつや〜! 値上げやて? 冗談やない、日本を代表する食べ物をどないするっちゅうねん」(大阪のおっちゃん)
大人にも、子どもにも愛されるタコ焼き。しかし、今その値段が高騰している。最近は少し落ち着いてきたものの、築地市場の冷凍タコの価格は上昇を続け、“タコタコ揚がれ”状態だ。
都中央卸売市場の市場統計情報によると、タコ1キロ当たりの価格は過去5年、平均約900円で推移していたが、'17年後半には1000円を突破し、'18年6月には1518円まで上昇した。
「欧米では“デビルフィッシュ”と呼ばれて忌み嫌われており、“机以外の四つ足はすべて食べる”といわれる中国でも、これまではそれほど消費されていなかった。ところが、これらの国々でも食されるようになり、世界中で需要が高まって、今や高級食材です。もともとタコは豊漁と不漁を繰り返し、そのたびに価格が変動する傾向がありますが、近年は価格の高止まりに加え、モロッコやモーリタニア産の不漁が追い打ちを掛けた」(水産専門紙記者)
そういえば、大阪城公園内にある「たこ焼き店」が、8個入り600円のたこ焼きを3年間で約5億8000万円も売り、1億3000万円を脱税してワイドショーネタになったことがある。同店の客の8〜9割は訪日外国人だったという。
タコの高騰であおりを食っているのが、この「たこ焼き」業界だ。
東京・銀座の有名店では、「できるところまで現在の値段を維持していく」としているが、お台場の人気スポット「たこ焼きミュージアム」では、将来的に価格への転嫁も免れないとしている。
そんな中、値上げに踏み切ったのが『築地銀だこ』(株式会社ホットランド)だ。主力の「たこ焼8個入」を、550円から580円(いずれも税込)に値上げした。
同社は現在、南米や南アフリカ、東南アジア諸国など世界中からタコを調達しているが、さらに新規エリアの開拓を進め、安定供給のために養殖にも取り組む。
さらに、利益率の高い『銀だこハイボール酒場』業態の出店を強化。'18年9月時点で大都市や首都圏を中心に50店近く出店しており、'20年末には120店まで増やす予定だ。
外はカリッと、中はとろ〜り! たこ焼きは、おやつ感覚で食べられるものだったのに、このまま価格高騰が続けば、手の届かない遠い存在になってしまうかもしれない。