文在寅「金正恩、経済発展注力のため非核化加速 トランプとの再会談望む」
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/09/post-10990.php
2018年9月21日(金)06時26分 ニューズウィーク
9月20日、韓国の文在寅大統領(左)は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談後、金氏が非核化の加速に向け近くトランプ米大統領との2回目の会談を行うことを望んでいることを明らかにした。写真は20日、北朝鮮で開かれた昼食会で撮影(2018年 ロイター/Pyeongyang Press Corps/Pool via REUTERS)
平壌で北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談を行った韓国の文在寅大統領は20日、金委員長が非核化の加速に向け近くトランプ米大統領との2回目の会談を行うことを望んでいることを明らかにした。ただ、年内に1950─53年の朝鮮戦争の終結を宣言することが主要な目標となるとの認識を示した。
文大統領は訪朝を終えソウルに戻った直後に行った記者会見で、金委員長との3日間にわたる会談で、北朝鮮の核問題を巡る米朝協議の再開に多くの時間を割いたとし、金委員長が米国が相応の対応をとれば関係国の専門家の監視の下で主要なミサイル関連施設と寧辺の核施設を「永久的に廃棄」する意思があると述べたことを明らかにした。
同大統領は、首脳会談後の共同声明には、金委員長の核プログラムの「検証可能で不可逆的な」廃棄に向けたコミットメントが盛り込まれていると指摘。「金委員長は迅速に非核化を完了させ、経済発展に注力したいとの意思を表明した」と述べた。
そのうえで、金委員長は豊渓里(プンゲリ)核実験場の査察も拒否しない姿勢を示したとし、「金委員長は、非核化プロセスを加速化させるため、近くトランプ大統領との2回目の会談を行うことを望んでいる」と述べた。
米ホワイトハウス、および米国務省から現時点ではコメントは得られていない。ただポンペオ国務長官は前日、北朝鮮の非核化を2021年1月までに完了させることを目指し、「直ちに」北朝鮮側との協議に入る用意があると表明。北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相と来週ニューヨーク市で会談を行うことを明らかにすると同時に、ビーガン北朝鮮担当特別代表とウィーンで「できるだけ早期に」会談を行うため、北朝鮮代表団を招待したとも明らかにした。
韓国は年内に米国とともに朝鮮戦争の終結を宣言したい考えで、文大統領はこれについて来週ニューヨークで開かれる国連総会に出席する際にトランプ大統領と協議する。
文大統領は、朝鮮戦争の終結宣言で韓国に駐留する米軍などに影響は出ないとし、金委員長もこの点では一致していると指摘。「終結宣言は新たな平和協議の開始につながる政治宣言となる」とし、「北朝鮮が非核化を完了した後、平和協定が締結され、米朝関係が正常化される」と述べた。