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★ あらかじめ御断わりしておきますが、私の投稿文は記紀神話をベースにした発想から「とんでも論」を展開していますので、『おかしいのでは』と思われても、『そこは記紀神話の事ですから』ということで御理解ください。
★ また、私の投稿は、記紀神話を学術的に研究するためではなく、記紀神話の二重性とか多重性とか二元論的な反面性などを指摘して、掲示板でオカルト・スピリチュアル的な「お花畑」として遊ぶ事を目的としています。
@ ところで、「鹿児島の日向三代は、理解に苦しむ」に、ご興味をお持ちでしょうか。一般に、(鹿児島を根拠地にした)ニニギ・山幸彦・ウガヤフキアエズを「日向三代」と言うそうですが、各種の文献を合わせて読むと、訳が分かりません。
分からないので、飛ばしたいところですが、「お花畑」ということで、記事にしてみました。
A ニニギの出自は諸説ありますが、全然分かりません。(誤字脱字あり要確認)。
古事記に、『忍穂耳と、高木神の娘の万幡豊秋津師比売が、天火明命・日高日子番能迩迩芸命の、2人を生んだ』。
日本書紀に、『忍穂耳と、高皇産霊尊の娘の万幡姫が、天津彦火瓊瓊杵尊の、1人を生んだ』(第九段・一書二・4)。
日本書紀に、『忍穂耳と、高皇産霊尊の娘の天万栲幡千幡姫が、天照国照彦火明命・天津彦火瓊瓊杵尊の、2人を生んだ』(第九段・一書八)。
日本書紀に、『忍穂根と、高皇産霊尊の娘の栲幡千千姫万幡姫が、天火明命・天津彦根瓊瓊杵根尊の、2人を生んだ』(第九段・一書六・1)。
(または、『忍穂根と、高皇産霊尊の娘の火之戸幡姫の娘の千千姫が、天火明命・天津彦根瓊瓊杵根尊の、二人を生んだ』(同上)。
日本書紀に、『忍骨命と、高皇産霊尊の娘の天万栲幡千幡姫が、天之杵火火置瀬尊の、1人を生んだ』(第九段・一書七)。
(または、『忍骨命と、高皇産霊尊の娘の万幡姫の娘の玉依姫が、天之杵火火置瀬尊の、1人を生んだ』(同上)。
(または、『大耳尊と、丹舄(ニツクリ)姫が、火瓊瓊杵尊の、1人を生んだ』(同上)。
(または、『忍骨命と、高皇産霊尊の娘の栲幡千幡姫が、火瓊瓊杵尊の、1人を生んだ』(同上)。
(または、『天杵瀬命と、吾田津姫が、火明命・火夜織命・彦火火出見尊の、3人を生んだ』(同上)。
先代旧事本紀に、『押穂耳と、高皇産霊尊の娘の豊秋津師姫栲幡千千姫が、天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊の、1人目を生んだ』(巻五・尾張氏)。
次に、『押穂耳と、高皇産霊尊の娘の栲幡千千姫万幡姫が、天津彦彦火瓊瓊杵尊の、2人目を生んだ』(巻三・国譲神話)。
★ ニニギの両親については、大半で一致していますが、問題は、兄弟の数です。
B 山幸彦の出自も諸説ありますが、理解に苦しみます。(誤字脱字あり要確認)。
古事記に、『迩迩芸と、木花佐久夜毘売が、火照(ホデリ・海幸彦)・火須勢理(ホスセリ)・火遠理(ホオリ・穂穂手見・山幸彦)の、3人を生んだ』。
日本書紀に、『ニニギと、鹿葦津姫(神吾田津姫・木花之開耶姫)が、火闌降命・彦火火出見尊・火明命の、3人を生んだ』(第九段・本文九)。
日本書紀に、『ニニギと、神吾田鹿葦津津姫が、火酢芹命・火明命・彦火火出見尊(火折尊)の、3人を生んだ』(第九段・一書二・6)。
日本書紀に、『ニニギと、神吾田鹿葦津津姫が、火明命・火進命(火酢芹命)・火折彦火火出見尊の、3人を生んだ』(第九段・一書三)。
日本書紀に、『ニニギと、吾田鹿葦津姫が、火明命・火進命・火折尊・彦火火出見尊の、4人を生んだ』(第九段・一書五)。
日本書紀に、『ニニギと、豊吾田津姫が、火酢芹命・火折尊(彦火火出見尊)の、2人を生んだ』(第九段・一書六・4)。
日本書紀に、『天杵瀬命と、吾田津姫が、火明命・火夜織命・彦火火出見尊の、3人を生んだ』(第九段・一書七)。
先代旧事本紀に、『ニニギと、神吾田鹿葦津姫が、火明命・火進命・火折命・彦火火出見尊の、4人を生んだ』。
★ 問題は、兄弟の数です。名前の数で7人が登場し、重複すると4人になります。
1の1 ホデリ------火照(ホデリ・海幸彦)・
2の1 ホスセリ-----火須勢理(ホスセリ)・火闌降命・火酢芹命・
2の2 ホノススミ----火進命(火酢芹命)・火進命・
3の1 ホオリ------火遠理(ホオリ・穂穂手見・山幸彦)・火折尊・火折命・
3の2 ヒコホホデミ--彦火火出見尊・彦火火出見尊(火折尊)・火折彦火火出見尊
3の3 ホヨリ-------火夜織命(ホヨリ→ホオリ)・
4の1 ホアカリ-----火明命・
C 次の代のウガヤフキアエズも、分かりません。(★問題は、玉依姫の位置と子供です)。
古事記に、『火遠理(ホオリ・穂穂手見・山幸彦)と、豊玉姫が、ウガヤフキアエズの、1人を生んだ』。
日本書紀に、『彦火火出見尊と、豊玉姫が、ウガヤフキアエズの、1人を生んだ』(第十段・本文五)。
先代旧事本紀に、『火折尊(山幸彦)と、豊玉姫が、彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊の、1人を生んだ』。
また別に、『火折尊(山幸彦)と、玉依姫が、武位起(タケクライオキ)の、1人を生んだ』。
(★ つまり、山幸彦は、豊玉姫との間にウガヤフキアエズを生み、玉依姫との間にも武位起(タケクライオキ)を生んだことになります。
すると、玉依姫は、山幸彦の妻になって子供を産み、さらにウガヤフキアエズの妻にもなっても子供を産んだことになります。
★ 古代には、父親の妻を、子供が犯す事例が時折り登場しますが、どうなんでしょうか。
(系図を作るなら、どんな系図が作れるでしょうか)。
D ウガヤフキアエズの、変わった名前。
ウガヤフキアエズは、「彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊」(鵜葺草葺不合命)と書きますが、意味は、『ウガヤ(産仮屋・産屋(うぶや)を完成させる前に、ウガヤフキアエズが産まれてしまった』と一般に解釈されています。
実は、違うのではないか。
山幸彦は、3年の間、海神の宮の対馬に居たから、豊玉姫との間にウガヤフキアエズを生んでいたはずであり、日向に帰って来た時には、産屋(うぶや)を作る必要が無かった。
だから、鵜葺草葺不合の意味は、『(対馬で既に生まれていたから)ウガヤを葺き合わして、作る必要が無かった』と解釈すべきではないかと、思いますが、どうでしょうか。
★ 対馬には、ウガヤフキアエズを祀る神社が、何箇所も有ります。1つや2つではありません。
E 記紀神話に見る、古代の「近親相姦」について。
ア) 記紀神話の初発に、イザナギ(呉系倭人説)とイザナミ(越系倭人説)の結婚や、スサノオ(辰韓系の濊族系扶余族説)とアマテラス(馬韓系の呉系倭人説)が、兄弟結婚しました。
(まあ、作り話かも知れませんが、「安羅系倭人」と「加羅系倭人」は異なるとの説も有ります)。
イ) 古事記での、兄弟結婚の話。(古代には数多く有るようです)。
古事記と日本書紀は異なりますが、記紀神話は「ウソの羅列」であり、ニセ系図のヒットパレードです。
10代天皇の御真木入日子(崇神天皇)と、妹の御真津比売が兄弟結婚した説。
(反論も有りますが、日本書紀では、御間城入彥五十瓊殖天皇が御間城姫を皇后にしていますが、同じ「御間城」の名前です。
(御間城・御真木・御牧の意味は、「水垣の宮」・「玉垣の宮」などのように、(人の名前ではなく)、「皇城」とか「京(みやこ)」とか「御所」の意味だと思います。
あるいは、垂仁天皇皇子の本牟智和気の段で、(日子坐王の子供の)沙本毘古と沙本毘売の同父母兄弟の悲恋物語。
あるいは、20代の安康天皇と、同父母兄弟の長田大郎女との結婚の話。
ウ) 記紀神話に見る、父の妻を、子供が犯す話。
上記の、山幸彦の妻の玉依姫を、ウガヤフキアエズが犯す話。
神武東征で、神武天皇の妻の伊須気余理比売を、神武天皇の子供の手研耳が犯す話。
9代の開化天皇が、父で8代天皇の孝霊天皇の妻の伊迦賀色許売(イカガシコメ)を犯して、10代の崇神天皇と妹の御真津比売の2人を生む話。
(この、古事記の系図の、崇神天皇を組み込んだ部分は「ニセ系図」として有名です)。
F (余談として)、海人族の、過酷な生活環境と婚姻関係の話。
漁師の言葉に、『板子一枚下は地獄』という言葉があります。つまり、海で操業する漁師は、「おおしけ」に遭うと、海の藻屑になってしまうということです。過酷な職業です。
(これは、鍬(クワ)で「地球の皮めくり」をする百姓には理解できない世界観です)。
(漁師の後家は、さらに悲惨でした)
夫や父親を海で亡くした遺族は、悲惨です。後家一人では、海の世界では生きて行けません。乳飲み子を抱えていれば尚更です。
(生活の知恵として、多様な婚姻制度が採用された)
後家の家族が生きていくためには、誰かの世話にならねば成りません。そのために、後家や子供たちを、弟や親戚が引き取って、生活を支えてやりました。
正妻とか後妻とか言っていられません。妾(めかけ)であろうが、兄弟の近親相姦であろうが、餓死する訳にはいかなかったのです。
(生活の知恵として、結婚前の「夜這い制度」が発達した)
小さな島とか、遠く離れた漁村では、漁業以外の生業(なりわい)は有りません。
ですから、娘が結婚しても、夫が海で遭難する危険が非常に高かったから、後家になった場合の「保険」を掛けなければなりません。保険を掛けておかないと、万一の場合には、母子ともども「餓死」しなければなりません。
そのため、「網元」の息子とは「お友だち」になりましたし、健康で将来性のある男とも「お友だち」になりましたし、とにかく、村中の男たちとも仲良くして、之と言った男とは「保険」の意味で「お友だち」になったと、想像します。
(娘の親も、それを公認したし、有望な男には、娘と「お友だち」になるように求めたかも知れません。知りませんが)。
★ とにかく、小さな島や小さな漁村では、皆で助け合ったし、取れた魚も皆に分け与えて、餓死しないように助け合った。
結婚制度も厳格ではなく、女や子供を養う能力の有る者が、義務として養ってやった。だから「乱婚」だったと思います。
(美人でも、体の弱い娘は、嫌われた)
★ 「一夫多妻」で「男性天国」で、おまけに「美人妻」というのは、夢やドラマの中の話です。実際の漁師の世界は、過酷です。
とにかく朝が早い。(魚は夜明けにエサを求めて湧き上がるから)夜明け前に漁に出て、それ以前に起きて飯を食う。
昼には港に帰るが、漁師の妻は家族総出で、魚を料理する。今夜のオカズに、保存の日干しに、現金収入の売り物にもする。多いときには日が落ちても仕事が終わらない。
そして、最も過酷で悲惨なのは、海が荒れて漁に出られないこと。何日も漁に出ないと食うものが無くなり、餓死が待っている。無理をして漁に出ると、波にさらわれて「海の藻屑」になる。
百姓は米の蓄えが有るが、漁師には蓄えが無い。たえず死と隣り合わせで生きている。
だから、漁師が欲しいのは「美人妻」ではなく、丈夫で長持ちする体を持って、自分を補助するパートナーです。
いくら美人でも、漁村の重労働に耐えられない女は、年頃になると、「女郎屋」に売り飛ばされたそうです。
(農家も商家も丈夫な女を求めたから、体の弱い女は、行く所は「風俗産業」しかなかった。大半が二十代で病死したそうです。哀れです)。
G 終わりに。
古代には、今のような結婚制度は無く、父親が誰か分からない子供も多くいた。分かるのは『母親が誰か』であり、「母系社会」だった。
また、権力者は、姉妹の全部を妻にし、時には、母娘さえも妻にして子供を産ませたことも有ったと、想像します。
したがって、父親を主体とする系図を作るのは困難だし、「記紀神話編集委員会」も母系系図を父系系図に変換するのは大変だったと、思います。
(母親は直ぐに分かるが、父親は、親父のほうか息子のほうか分からないし、隣の叔父さんかも知れない)。
また、母系社会は、定住・継続・安定化社会で成り立つもの。父系社会は、移動・断絶・不安定化社会で威力を発揮すると、思います。
その意味において、3百年代後半から始まった「朝鮮半島の動乱と中華帝国の台頭」によって、日本は、武力中心社会に移行し、男の即断即決力が求められ、男女の主従関係も逆転したと、思います。
★ ちなみに、遠い未来社会では、「ユニ・セックス」といわれて、男女の別は無くなるそうです。今のような家族の概念は無く、子育てに追われる毎日も無くなるようです。知りませんが。
★ どう思われますか。