平城京跡に4回の巨大地震跡…南海トラフか
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平城京跡に4回の巨大地震跡…南海トラフか
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20180825-OYT1T50022.html?from=ytop_main7
奈良市の平城京跡で、古代から近世にかけて巨大地震が4回発生したことを示す液状化現象の痕跡が、奈良文化財研究所(奈文研)の調査で確認された。いずれも南海トラフ巨大地震だった可能性があり、震源から遠い内陸の遺跡から、複数の地震痕跡が確認されるのは初めてという。
奈文研は今後、各地の発掘記録を集めて未知の巨大地震を含めた発生の頻度や規模の解明を進める。
奈文研が平城宮朱雀門跡の南約100メートルを2016年に調査し、飛鳥時代から現代まで、出土した土器などから10層の地層の時期を特定した。地層をはぎ取ってX線撮影などをした結果、震度5弱以上の地震で起きる液状化で地中の砂が地表に噴き出す「噴砂」の痕跡が、4層で見つかった。
日本書紀や近世文書など複数の文献にある地震の記録と噴砂痕の年代を照合。古い順に〈1〉684年の白鳳地震〈2〉887年の畿内・七道地震か、938年の京都・紀伊地震〈3〉1707年の宝永地震か、1819年の伊賀・近江地震〈4〉1854年の安政東海・南海地震か、同年の伊賀上野地震――の可能性が高いと判明した。
近世以前の巨大地震については、文献で存在が確認されていても、被害の範囲や規模などの実態は、よくわかっていない。奈文研は「調査で得られた遺跡の地震痕跡のデータを蓄積することで、震源の特定や被害想定に加え、認識されていなかった巨大地震の把握も期待できる」としている。
寒川さんがわ旭・産業技術総合研究所名誉リサーチャー(地震考古学)の話「定期的に発生する南海トラフ巨大地震の痕跡が、震源から離れた内陸の遺跡で複数確認されたことは、画期的。今後、集積したデータを各地の地震対策に活用できるようにすることが重要だ」
◆南海トラフ巨大地震=静岡県沖から四国、九州沖にかけて延びる「南海トラフ」(海底の溝)沿いを震源とする最大マグニチュード9級の巨大地震。100〜150年間隔で発生するとされる。東海、東南海、南海の3地震が時間差で連動するケースもある。