今年(2018)7月も低迷する福島のモモ価格、TOKIOのCMも効果無し
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2018/08/20(月) 19:43:07 めげ猫「タマ」の日記
7月14日よりTOKIOが出演する福島産モモのCMがオンエアーしました。効果をみるためにCMが流れていない2011年(1)と今年の全国一位の山梨産(2)と福島産モモの7月の価格差を調べたら、
TOKIOが無い時(2011年7月)福島産△211円安
今年(2018年7月) 福島産△227円安
で(3)、価格差が拡大しています。TOKIOのCMは効果が無いようです。これは消費者が福島産モモを正しく理解しているためであり、当然のことです。
福島はくだもの王国を自称していますが(4)、福島のモモは福島県全域で栽培が盛んなわけではなく、福島盆地と呼ばれる狭い場所に集中しています(5)。以下に示します。
※1(6)のデータを(7)に示す手法で7月1日に換算
※2 旧避難区域は(8)による。
※3 福島盆地の範囲は(9)による。
図―1 福島盆地と相馬・南相馬市
図に示す様に福島盆地は旧避難地域を除けば福島でも汚染が酷い場所です。事故8年目になっても国が女全が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(10)エリアが広がっています。
福島盆地は福島市、伊達市、桑折町、国見町の2市2町に広がっています(8)。以下に各年1月から6月の半年間の福島盆地が広がる2市2町の合計の葬式数を示します。
※1(11)を各年1月から6月までの半年間で集計
※2 震災犠牲者は(12)により、死者・行方不明者を含み、関連死を含まず
図―2 福島盆地が広がる2市2町の各上半期の葬式数
図に示しように事故後に急に増えています。そして回復することなく今も続いてます。数値を記載すると
事故前(2010年1月から6月)2,019人
今年(2018年1月から6月) 2,299人
で14%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算すると0.002%でした。以下に計算結果を示します。
表―1 偶然に起こる確率の計算結果
※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(13)による。
福島県のひらた中央病院が福島産米を避けるか、避けないかのアンケート結果を発表しています(14)。以下に結果を示します。
表ー1 福島産米や野菜を許容すかのアンケート結果
※ (14)を集計
表に示す通り、地域によって大きな差があります。相馬市・南相馬市では多くの方が福島産野菜を避けています。モモ等の果物も同じだと想像されます。相馬市・南相馬市の1〜6月までの半年間の合計の葬式数は、福島県の発表(11)を集計すると
事故前(2010年1−6月)684人
今年(2018年1−6月) 681人
で、殆ど変りません。
福島のモモの主要産地では葬式が増えていますが、そうではない相馬市・南相馬市では増えていません。
以上をまとめると福島産モモは
・主要産地は汚染されている。
・主要産地では葬式が増えているが、そうでは無い相馬・南相馬では増えていない。
になります。
それでも福島県は福島産モモは安全であり(15)、避ける行為を「風評被害」と呼んでいます(16)。そしてTOKIOの皆さま出演の福島産モモのテレビCMを7月14日よりオンエアーしています(1)。
※(17)を引用
図−3 TOKIOの皆さま出演の福島産モモのCM
TOKIOのCMは2012年から7年連続だそうです(1)。すなわち2011年はありませんでした。効果を見る為にモモの最大産地の山梨県(福島県は2位)(2)と各年7月のモモの価格を比較してみました。
※(3)にて作成
図―4 福島と山梨産のモモ価格
福島のモモは事故前から山梨産に比べ安かったですが、事故後にさらに安くなりました。TOKIKOの皆さま出演の福島産モモのCMの効果を見る為に、CMが流れていなかった2011年と今年の価格差を比べてみると、1キログラム当たりで
TOKIOが無い時(2011年7月)福島産△211円安(福島産364円、山梨産548円)
今年(2018年7月) 福島産△227円安(福島産456円、山梨産673年)
で(3)、今年7月の方が価格差が大きくなっています。福島のモモは
・主要産地は汚染されている。
・主要産地では葬式が増えているが、そうでは無い相馬・南相馬では増えていない。
であり、これを消費者が正しく理解すれば避けるのは当然です。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島の果物を避けているのは福島の皆様も同じだと思います。
福島県郡山市ではブドウの出荷が行われています(18)。同市産ブドウは美味しいそうです(19)。福島県は福島産ブドウは「安全」だと主張しています(15)。でも、福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産ブドウはありません。
※(20)を引用
図―5 福島産ブドウが無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2624.html
(1)TOKIO思い熱く 新CM完成 | 県内ニュース | 福島民報
(2)桃の生産量の都道府県ランキング(平成28年) | 地域の入れ物
(3)東京都中央卸売市場-統計情報検索を「大分類、果実⇒中分類、もも類」で検索
(4)くだもの消費拡大委員会 – 福島県くだもの消費拡大委員会
(5)くだものづくりがさかんな福島盆地
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日〜11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(7)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(8)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(9)福島盆地 - Wikipedia
(10)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(11)福島県の推計人口(平成30年7月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(12)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(月1回更新) - 福島県ホームページ
(13)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(14)研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ
(15)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(16)福島県風評・風化対策強化戦略について - 福島県ホームページ
(17)ふくしまプライド。
(18)ローカルTime FNN被災地発...
(19)さっぱり食べやすいぶどう「あづましずく」清野(きよの)果樹園-福島県郡山市- – 試食れぽ〜と!
(20)ザ・ビッグ郡山店 | 宮城県、福島県のイオングループのスーパーマーケット「ザ・ビッグ」 | マックスバリュ南東北