雑感。株価の急変動と別荘で休暇
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2018年08月16日 在野のアナリスト
相場が荒れています。朝方に日経平均で300円超下げていたものが、中国商務省長官が渡米という話で昨日の終値近辺まで値をもどしました。大した材料ではありませんし、手口をみてもこうした急激な動きをおこすような主体も見当たらなかった。今後何か大きな動きが起こる、そんな予兆なのかもしれません。その引き金になりそうなのは、某証券会社がだした、今期の企業業績が減益になる、というリポートです。
4-6月期は絶好調でしたが、むしろ貿易戦争を回避するため生産や荷動きを前倒しした可能性があることは、これまでも指摘してきました。しかし多くの証券関係者は、今期も増益を主張し、予想EPSを高めに見積もり、その水準で株価を語ってきました。実際、どちらも予想ですから、結果がどうなるかは分かりませんが、どちらかが間違っているので、どちらかの予想に基づいて投資していた層は失敗することになります。しかしいずれにしろ、急激な動きでは調整が間に合わないのであり、買い方が不利にもなります。上値は限られるのに、下値は底なしであり、しかも高値水準にある現状からみると、下方に急激な動きが起きやすい。下方への動きを牽制したい、そんな流れが今日だったのかもしれません。
しかし株価が下落すると、安倍政権には打撃です。通常、政治と株価は連動しませんが、第2次安倍政権発足以来、甘利越えなる言葉も生まれたように、株価への言及が目立ったことで、安倍政権のへ評価が株価との相関性を高をめたためです。実際、市場関係者でも安倍政権を評価する人間は、株高を成果としてみる向きがあり、そういう層は総じて今期も業績が好調、と訴えてきた。つまり株高至上主義をとり、それこそ安倍政権を支持する理由としてきた。業績が悪化すると、それが尽く否定されることにもなるのです。
ただ、数年前の米国のように、業績不安があっても株価が底堅い、というケースもある。実際に今期の米企業業績も、元が高いだけにそれ以上の結果は望めない、という話もある。米国では必死で減税などのカンフル剤を打ち続けようとしていますが、米財政悪化との兼ね合いであり、数年ともたないでしょう。業績が悪化しても株価が底堅くなるには、その先に成長が期待できるときですが、現状の環境はそうしたものが描きにくいのです。つまり業績がそのまま株価に反映される素地ができつつあります。
話は少し変わりますが、北朝鮮で拘束された日本人、保守系でスパイ的な活動も担っていたのでは? との話もあります。実際は分かりませんが、ただ安倍政権は困ったことに、中東で拘束されているジャーナリストの安田氏には『自己責任』を押し付け、北朝鮮で拘束された人を助ける、という二重基準がとりにくい。金銭的にしろ、交渉するにしろ、なぜ安田氏にはそうしないのか? が問われます。対国と対テロ組織、との違いはあれど、交渉するぐらいのことはどちらもできるのであり、片方だけそうする理由がないのです。
安倍首相は夏休みで、別荘でゴルフや食事会など、優雅な暮らしです。片や山口県で行方不明の男児を発見した尾畠氏は、休むことなく西日本豪雨災害のボランティアに向かうそうです。安倍氏の方が一回り以上は下、志の差を感じます。人を助ける、という基本的なことを蔑ろにしてきた安倍政権、経済すら怪しくなってきた今、自分を助ける、とばかりに総裁選を戦う様をみて、国民が何を感じるか? 本来、総裁選は国の行方を決める、首相を決める場でもあるのに、政策論争すら予定にないという。自民党が何をめざしているか? 少なくとも国民の方を向いていないことだけは確実であり、株価もどちらを向いていいか分からない、そんな状況が今の日本ということなのでしょうね。