自民党「参院選挙制度改革」のご都合主義 ここがおかしい 小林節が斬る!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/230790
2018年6月9日 日刊ゲンダイ
まず、全ての前提として、議員は「人間」の代表であり畑や林の代表ではない……という世界の常識を確認しておく。その上で、日本国憲法も選挙区ごとの議員定数の均衡(つまり投票価値の平等)を要求しており(第14条)、最高裁もそのことを再三確認している。
にもかかわらず、自民党は2012年に党議決定した改憲草案で、選挙制度は「人口を基本とし、行政区画、地勢等を総合的に勘案して定めなければならない」としている。これは、「人口比例原則」の骨抜きである。
しかし、政治の仕事が権力を用いて、国家の有限な資源を、利害が対立する国民の間に強制的に配分し、各人の天賦の自由を国家の名で制約することである以上、政治権力者(議員)たちの座席は人口に比例して公平に選出される以外にあるまい。
にもかかわらず、人口の他に都道府県の区分などにも配慮して議席を配分し、場合によっては不均衡が生じても構わない……という自民党案は本質的に論外である。
最近まで自民党は、この草案で参院選挙区の合区(鳥取・島根、徳島・高知)を解消する改憲を主張していた。
それが不当であることは前述のとおり自明であるが、今回、自民党はそれと同じ結果を法律の改正で達成しようという提案を出してきた。
まず、合区解消には前述の改憲が必要だが、それは来年の選挙には間に合わない。そこで、比例区の定員を4人増員し、比例区の1、2位だけは党が優先順位をつける制度にして、2つの合区で次回改選時にあぶれる2人を救済する……という案である。
選挙制度を与党に有利に作ることを、その首謀者にちなんで米国では「ゲリマンダー」と呼ぶが、今回の自民党案は現代のゲリマンダーそのものである。
選挙制度は、“いかに本質的に公平であるか?”だけを基準に設計されるべきものである。にもかかわらず、現職の特定の議員の地位を守るという目的だけから提案されたことが明白な今回の自民党案は論外である。
ここにも、政治権力の私物化という安倍政権の体質が露骨に表れている。
小林節 慶応大名誉教授
1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。
自民党「参院選挙制度改革」のご都合主義 https://t.co/mhTS8JFMNb #日刊ゲンダイDIGITAL
— いたにのりお (@je3gnu) 2018年6月8日
自民党の選挙改革案は、党利党略そのものだ、自公だけがいい思いのする選挙制度改変反対だ
🔴⚠️💢自民党「参院選挙制度改革」のご都合主義|ここがおかしい 小林節が斬る! https://t.co/U6NytXUGq1#0610国会前大行動#怒 #麻生は辞めろ #恥#0610国会前大集合#高プロ #加藤は辞めろ#安倍は辞めろ #内閣総辞職#国会前大集合#新潟県知事選
— ⛵️motty⛵️ (@novtnerico) 2018年6月9日
🌈#池田ちかこ pic.twitter.com/pPIOvIIRYy
ここがおかしい 小林節が斬る!
— 齋藤一弥<穏やかなレジスタンス&里山資本 (@rainasu) 2018年6月9日
自民党「参院選挙制度改革」のご都合主義 https://t.co/RDd85cMKN4 #日刊ゲンダイ
全ての前提として議員は「人間」の代表であり畑や林の代表ではない……その上で日本国憲法も選挙区ごとの議員定数の均衡を要求しており(第14条)、最高裁もその事を