原発推進候補支援新党なら消滅は時間の問題
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2018年4月22日 植草一秀の『知られざる真実』
安倍内閣が末期的な様相を示している。
麻生太郎財務相は財務事務次官のセクハラ疑惑浮上に対して、加害者側のトップであるにもかかわらず、事実確認をおろそかにして居直る対応を続けてきた。
公文書の改ざん事案についても、犯罪的行為の当事者である組織の長としての真摯な姿勢などかけらも示さなかった。
セクハラ疑惑を指摘されて、加害者と指摘された福田淳一事務次官の行動を徹底的に確認することが優先されるべきことが当然であるのに、被害者に対して居丈高に名乗り出ることを強要するなど、最低最悪の行動を示し続けている。
野党が麻生太郎財務相の辞任を求めるのは当然のことだ。
また、加計学園疑惑では、2015年4月2日に柳瀬唯夫首相秘書官が加計学園職員と首相官邸で面会した事実がより明確になるなかで、柳瀬氏は「記憶による限り面会していない」の供述を示し続けている。
すでに参考人として国会に招致され、その際の発言の信ぴょう性がなくなったために再度、国会での説明を求められるのであるから、今回は証人喚問でなければ意味がない。
野党は麻生太郎財務相の辞任だけでなく、柳瀬唯夫氏の証人喚問も強く求め、これを受け入れられないなら審議に戻るべきでない。
さらに、安倍首相の昨年2月17日の国会答弁である「私や妻がかかわっていたら、総理大臣も国会議員も辞める」とのかかわりで、安倍昭恵氏の国会での説明が必要であることも言うまでもないことだ。
安倍首相の発言が端緒であり、安倍首相が籠池泰典氏に対して、いきなり証人喚問の実施を求めたことを踏まえれば、安倍昭恵氏の証人喚問を受け入れるべきことも当然である。
野党は腰砕けにならずに、与党に対して毅然とした姿勢で対峙するべきだ。
主権者国民が野党の毅然とした対応を強く求めていることを忘れてはならない。
こうしたなかで、旧民進党の分裂、再編がなおくすぶり続けている。
民進党は主権者国民の支持を完全に失っている。
その淵源はかつて民主党が、主権者国民との公約を踏みにじったことにある。
2009年8月総選挙に際して、民主党は「シロアリ退治なき消費税増税は許さない」ことを公約に掲げた。
ところが、2010年6月、首相の座を獲得した菅直人氏は、何の党内手続きを踏むことなく、突然、消費税率を10%に引き上げる方針を提示した。
このために、2010年7月参院選で民主党は大敗した。
日本政治が崩壊し、その後の安倍自公政治の暴走を生み出す契機になったのが、菅政権による消費税増税提案だった。
菅直人氏の後継首相に就任したのが野田佳彦氏である。
「シロアリを退治しないで消費税を引き上げることは許されない」と絶叫していたのが野田佳彦氏である。
この野田氏が首相になり、「シロアリ退治なき消費税増税」を強行決定した。
このことによって、民主党は主権者国民から完全に見捨てられたのである。
その延長線上の存在が旧民進党であり、主権者国民は、民進党に対する支持を完全に捨て去っている。
これが民進党分裂の背景である。
昨年10月の総選挙を契機に、その民進党がようやく分離・分割を始動させた。
民進党は「隠れ自公」と「反自公」の混合物で、この「水と油」が同居していることが「矛盾」そのものであった。
紆余曲折を経て、民進党の分離・分割が始動し、「反自公」勢力が「立憲民主党」として独立した。
残余の部分が「希望」、「民進」、「無所属」に分裂したかたちで残存している。
いま必要なことは、旧民進党が、「反自公」と「隠れ自公」に完全に分離・分割されることだ。
このなかで、「民進」と「希望」の合流が進められているが、この勢力は、早晩、消滅する定めを負った勢力であると考えられる。
主権者国民の支持がないのだから、存立しようがないだろう。
その裏側にあるのは、「連合」の断末魔の叫びである。
原発推進の「連合」中枢が、このまま進めば、来年参院選で当選者を出すことができないため、「民進」と「希望」を合流させようとしているだけなのだ。
しかし、世の中は、原発推進の「連合」中枢のために存在しているのではない。
原発推進の「連合」中枢は、自民党の支持勢力に衣替えして、組織内候補者を自民党から立候補させればよいのだ。
民進党の分離・分割と同時に実行するべきことは、「連合」の分離・分割である。
「隠れ自公」勢力である「連合」中枢勢力は、足並みを揃えて自公の支持勢力に衣替えするべきである。
そして、本来の労働組合は立憲民主党の支持を鮮明に打ち出すべきである。
「反自公」の主権者国民は「隠れ自公」勢力を支持することはできないのであり、野党勢力を「反自公」で純化させることがいま強く求められている。