朝鮮戦争を戦っている韓国ですら見直した密室の合同委員会
http://kenpo9.com/archives/3444
2018-03-21 天木直人のブログ
これも私が注目した記事だ。
そしてやはり日米同盟がらみの記事だ。
今度は東京新聞である。
きょう3月21日の東京新聞「私説 論説室から」で五味洋治記者が書いていた。
昨年11月、韓国政府と在韓米軍が発表したと。
両者が定期的に開いている「米韓合同委員会」の合意内容について、「軍事機密や米軍の内部情報」をのぞいて、基本的に公表する事にしたと。
驚いた。
韓国も在韓米軍との間で合同委員会を定期的に開いていたのだ。
いや、考えて見ればそれは当然だ。
何しろ韓国は今でも米軍とともに朝鮮戦争を戦っている国だ。
日本政府が在日米軍と定期的に日米合同委員会を開いているぐらいだから、米韓合同委員会がないはずがない。
しかし、米軍と朝鮮戦争を戦っている韓国でさえ、米軍と交渉し、その開催日時、場所、合意内容の一部を公表するようになったのだ。
市民が訴訟などを通じて合同委員会の内容を公開するよう働きかけた結果だという。
ひるがえって日本はどうか。
月2回開催されていると伝えられている日米合同委員会であるというのに、その内容はもちろん、日時、場所、参加者など、一切秘密のベールに包まれたままだ。
これで対米外交で韓国に勝てないはずだ。
文在寅韓国大統領の仲介で米朝首脳会談が実現し、安倍首相がはしごを外されるわけだ。
五味記者は次のようにその記事を締めくくっている。
「ここまで在日米軍に遠慮する理由は一体何なのか」と。
外務省にいて、見て来た私が答えよう。
明確な理由は何もない。
ただ、そうしないと面倒だというだけのことである。
米国の事になると、すべての省庁の官僚たちが、文句を言いながら皆外務省に従って来ただけのことだ。
偉くなる連中が皆そうして来たのを見習って、半世紀以上たってしまった、ただそれだけの事である
(了)
【私説・論説室から】 密室の合同委員会
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2018032102000178.html
2018年3月21日 東京新聞
昨年十一月、韓国政府と在韓米軍が、ある発表をした。両者が定期的に開いている「米韓合同委員会」の合意内容について、「軍事機密や、米軍の内部情報」を除いて、基本的に公表するというものだった。
この委員会は、在韓米軍地位協定に基づいて定期的に開かれており、韓国内の米軍基地の運用や、軍人の待遇などを協議する。韓国側は外務省が担当している。
確かに韓国外務省のウェブサイトには委員会の開催日時、場所、双方が握手している写真、簡単な合意内容が公表されている。
基地の環境汚染問題が深刻化し、市民団体が委員会の協議内容を公開するよう、訴訟などを通じて運動した結果だった。
ソウルに行った機会に、市民団体「平和・統一研究所」の劉永載(ユヨンジェ)研究員に意見を聞いてみた。「米軍側が同意しない部分の非公開は同じ。都合の悪い情報は隠されたままだ。透明性を高めるよう求めていく」と手厳しい。
だが韓国は、まだましだ。日本にも、同じ合同委員会がある。外務省と在日米軍の幹部が出席し、日米安保に関する重要な決定を行い、時には密約も交わされてきたとされる。
月二回開催されていると伝えられるが、内容はもちろん、日時、場所、参加者など基本的に秘密。外務省に問い合わせても「秘密保持」を理由に答えない。ここまで在日米軍に遠慮する理由は一体何なのか。(五味洋治)