中国メディアの新浪網は8日、米国のF−35戦闘機の搭載エンジンが改良されたと紹介。中国は航空機用エンジンの分野で、米国にさらに引き離されつつあると主張した。写真はF−35。
F−35戦闘機の搭載エンジンが性能向上、さらに開く米中の差―中国メディア
http://www.recordchina.co.jp/b579419-s0-c10.html
2018年3月9日(金) 19時20分
中国メディアの新浪網は8日、米国の航空機用エンジン製造会社であるプラット・アンド・ホイットニー(以下、PW社)が、F−35戦闘機が搭載するF135型エンジンを改良し、推力20.4トンを達成したと紹介。中国の戦闘機が使用しているエンジンとの差がさらに開きつつあるとして、米国におけるエンジンの性能向上の背景には、厳しい企業間競争があるとの見方を示した。
PW社はF135型エンジンを、F−22に採用された同社製のF119型エンジンを基礎にして2005年に完成させた。記事は、現在の量産型F135の地上測定における推力は19.5トンで推力重量比は10を達成しており、ロシア製のAL−41F1SやAL−41F1をはるかにしのいでいた。
PW社はその後もF135の性能向上に取り組み、2年間の研究と1年間の試験を経て、推力を従来比5%増の20.4トンに引き上げた。AL−41F1Sの1.44倍、AL−41F1の1.4倍、さらに中国製のWS−10(渦扇−10)の1.6倍という。
記事は、PW社がF135の性能向上に努めた原因として、同じくジェットエンジンを製造している米企業のゼネラル・エレクトリック(以下、GE社)との競争があると論じた。
航空機は、同一の機体に複数種のエンジンを搭載できる場合が珍しくない。F−16戦闘機の場合、当初はPW社のF100エンジンを搭載したが、その後はGE社のF110も搭載できるようになった。
PW社はライバル出現に対応してF100の性能向上に力を入れ、2009年に完成させたF100-PW-229EEPは、初期型と比べて推力を22.4%向上させた。しかし、GE社の最新型のF110の性能はさらに高く、新タイプの場合、推進力はF100−PW−229EEPを13%上回っている。そのため、F−16におけるPW社のF100の搭載率は16%が切ってしまったという。
記事は、米国では航空機用エンジンの製造会社が「残酷な競争」に直面しているからこそ、製品の性能向上に懸命にならざるをえないと主張。米国の航空機用エンジン産業は、他の国を著しく上回っており、中国も同分野で一定の成績を収めているが、米国との差は縮まるどころか拡大していると論じた。(翻訳・編集/如月隼人)