100万円の株投資が3〜4倍に 一攫千金のにわか投資家続々
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週刊ポスト2018年1月26日号
上昇相場の波に乗っている投資家は少なくない(イメージ)
「期待感」が「現実感」に変わった瞬間、投資市場は一気に動き出す。昨年までの上昇相場の中で囁かれた「日経平均3万円」という言葉の響きには、いくらかの「希望的観測」が含まれていた。だが、2018年1月4日の大発会の急騰を境に、それは「既定路線」に変わろうとしている。こうした相場状況の中では、現役世代もシニアも、株を持たないことのリスクを意識する必要が出てくるだろう。
「株を持つ人」と「持たぬ人」ではすでに資産運用で大きな差がついている。2014年1月から、年間限度額100万円(現在は年120万円。最高600万円)までの株や投資信託の配当と売買益を5年間非課税にするNISA(少額投資非課税制度)がスタートし、それを機に株運用をはじめる一般投資家が増えた。NISAの口座数は昨年6月時点で約1090万に達している。
100万円の株投資で、“一攫千金”を実現した「にわか投資家」も珍しくない。SBI証券の雨宮京子シニア・マーケットアドバイザーが語る。
「2015年3月にNISAで9890円のオリエンタルランド株100株を購入された方は、その直後に株価が6000円台まで急落して非常に心配されていました。しかし、実は株は購入直後に4分割され、100株が400株になっていたから6000円でも2.4倍です。現在では株価1万円台だから98万9000円が400万円になっています。
やはり2014年5月にNISAでレジャー施設の『ラウンドワン』の株を590円で購入された方は株価が下がって『株主優待券を破って捨てた』と怒っていましたが、我慢して株を保有していたところ、昨年から株価が上昇。今では1900円台と3倍以上になりました。銘柄によって100万円分の投資が3倍、4倍になったケースはざらにあります」
もちろん、誰でも株投資の達人になれるわけではないし、素人が一攫千金を狙うと火傷をするのが投資の怖さだ。
それでも、日経平均株価が「3万円」の大台を目指す動きなら、いま株を買い、上がりきる前に売ってしまう。そんな素人の“資産倍増投資”が成功するチャンスとはいえないだろうか。ファイナンシャル・プランナーの森田悦子氏がいう。
「資産運用のポートフォリオを組むとか、難しいことを考えなくても、預貯金のうち10万円でも50万円でもいいから投資に回してみる。ハイリスクハイリターンではなく、値動きの安定した大型株に投資するだけで定期預金よりはるかに大きな利回りが得られる可能性が高い」