住宅支援打ち切り9ヵ月、新潟の自主避難者は戻らず。当然です
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2018/01/19(金) 19:48:08 めげ猫「タマ」の日記
福島の放射能汚染から逃れるために避難している方への住宅支援が昨年(2017年)3月31日に打ち切られました(1)。新潟県新潟市は自主避難者が多いとされています(2)。福島県から新潟市へ避難されている方の人数を見ると
3月末 1,320人(借り上げ等710人、自力手配 499人、公営住宅等 1)(4)
12月末 1,133人(借り上げ等 91人、自力手配1,041人、公営住宅等 1)(5)
多く方が住宅支援を打ち切り9ヵ月経ても福島に戻ることはありません。事故8年目になりましたが、福島は汚染されたままです。当然です。
なお「借り上げ仮設住宅」は借り上げ等に、公営住宅・雇用促進住宅等は公営住宅等と区分させていただきました。
福島は原発事故によって酷く汚染されました。
※1(6)の数値データを元に(7)に示す手法で1月1日時点に換算
※2 避難区域は(8)による
図−1 原発事故7年目も汚染されたままの福島
図に示す通り広い範囲で国が除染を必要とする毎時0.23マイクロシーベルト(9)を超えています。事故8年目ですが福島は汚染されたままです。
以下に20代前半の各年の社会的増減の推移を示します。
※(10)を集計
図―2 福島県の20代前半の社会動態(各年1〜11月)
図に示すように20代前半女性の社会減が事故後の7年間、男性の社会減を大きく超えています。改善されるどころか悪化しています。福島からは若い女性が逃げ出し、やがてはママになる人がいなくなり、少子高齢化社会が到来します(11)。
事故後に福島から多くの方が避難されました。以下に推移を示します。
※(12)を集計
図―3 福島からの県外避難者数
図に示す通り福島への帰還が進んでいるとは言えない状況です。ピークには62,831人(2012年3月)の方が福島から避難していますが(13)、今も5割を超える34,263人の方が県外に避難しています(14)。以下に福島から福島県外に避難している18歳未満の子ども避難者数を示します。
※1 (15)を集計
※2 緊急時避難準備区域はほぼ全域が緊急時避難準備区域に指定された市町村で、広野町のみ
※3 1部が避難区域は一部が避難区域(警戒区域または計画的避難区域)に指定された地町村で南相馬市、川内村、川俣町、田村市
※4 全部が避難区域はほぼ全域が避難区域に指定された町村で飯舘村、浪江町、双葉町、大熊町、冨岡町、楢葉町、葛尾村
※5 避難区域無しは緊急時避難準備区域も含め避難区域が設定されなかった市町村で特定避難勧奨地点が設定された伊達市を含む
※6 避難区域の設定は(8)による。
図―4 福島県外への子ども避難者数
図に示す様に他は戻っていますが、「避難区域無し」の区域の避難者は戻っていません。かれらは自主避難者です。少子高齢化対策には福島県外に避難している自主避難者に圧力を加え、福島に戻すことが効果的です。
3月末に福島は「安全」だとして自主避難者に対する住宅支援を打ち切りました(1)。でも図―1に示す様に福島は汚染されたままです。
新潟県への避難者数は2,718人で東京、埼玉、茨城についで4位です(14)。新潟県は市町村別・居住形態別の避難者数を発表しています(3)。新潟の都市規模からいえば新潟市、長岡市、上越市ですが(15)、福島からの避難者は新潟市と柏崎市に集中しています。柏崎市には福島と同じく東京電力の原子力発電所があり(16)、福島からの避難者の9割以上が避難区域内からに避難者です(17)。突然の事故で急に古里を追われた避難者が原発繋がりで新潟県柏崎市に逃げてきたのでしょうか?一方で新潟市は自主避難者が多いとされています(2)。以下に福島から新潟市への避難者数と居住形態を示します。
※1(3)にて作成
※2 「借り上げ」は「借り上げ仮設住宅」、「自力手配」はその他(親戚・知人宅等)、「その他」は「公営住宅・雇用促進住宅等」に区分
図―5 福島から新潟市に避難された方の居住形態
福島県から新潟市へ避難されている方の人数を見ると
3月末 1,320人(借り上げ等710人、自力手配 499人、公営住宅等 1)(4)
12月末 1,133人(借り上げ等 91人、自力手配1,041人、公営住宅等 1)(5)
で、多く方が住宅支援を打ち切り8ヵ月経ても福島に戻ることなく借り上げ等から自力手配(多分、自分でアパートを借りる)に移行しています。図―1に示すように福島の汚染は改善されていません。改善の見込みもありません。当然のことです。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
事故8年目ですが福島は汚染されています。それでも住宅支援を打ち切り福島県外の避難者を呼び戻そうとするには「県民の安全」より優先させたい事が行政にある気がします。図―2に示す様に福島は少子高齢化に悩んでいます。少子高齢化対策には福島県外に逃げだした子ども親に圧力を加えて呼び戻すのが有効です。こんな政策が行われていては福島の皆様は不安になると思います。
福島県棚倉町産米の全量全袋検査数が約15万件に達しました(18)。同町は人口14,327人なので(19)、町民が食べるには十分な量です。同町辺りのお米は美味しいそうです(20)。福島県は福島産米は「安全」だと主張しています(21)。でも、福島県棚倉町のスーパーのチラシには福島産米はありません。
※(22)を引用
図―6 福島産米が無い福島県棚倉町のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県棚倉町の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2404.html
(1)東京新聞:住宅支援は「命の問題」 福島県、きょう打ち切り 自主避難者なおSOS:社会(TOKYO Web)
(2)中山 均 - 【12/21 新潟市災害対策議員連盟、避難者支援策に関し市長要望】... | Facebook
(3)新潟県:県外避難者の受入状況をお知らせします
(4)(3)中の平成29年3月31日現在の県外避難者受入状況(PDF形式 91 キロバイト)
(5)(3)中の平成29年12月31日現在の県外避難者受入状況(PDF形式 96 キロバイト)
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日〜11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(7)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(8)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(9)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(10)福島県の推計人口(平成29年12月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(11)めげ猫「タマ」の日記 若い女性の福島脱出は2年連続増(各年1−10月集計)
(12)県外への避難者数の状況 - 福島県ホームページ
(13)(12)中の「・県外への避難状況の推移 [PDFファイル/209KB]」
(14)(12)中の「・県外への避難者数 [PDFファイル/112KB」
(15)新潟県 - Wikipedia
(16)発電所の概要|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力
(17)柏崎市の広域避難者支援と 「あまやどり」の5年間 - 新潟大学
(18)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報
(19)トップページ | 棚倉町公式ホームページ
(20)みりょく満点ブランド|JA東西しらかわ
(21)水田畑作課 - 福島県ホームページ
(22)エコス/棚倉店のチラシと店舗情報|シュフー Shufoo! チラシ検索