円高の理由として語られるいくつか
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/53028920.html
2018年01月15日 在野のアナリスト
民進と希望の統一会派、やはり党内から反対意見が続出です。希望は選挙公約から後退して面白くない、民進は自分たちを見限って出て行った政治家とまた組むのが面白くない。どちらも『舌の根の乾かぬうちに』公約を見直したり、統一会派をくむことに不満、ということです。民進と希望の統一会派は『民希』かと思っていましたが、『進望』がいいかもしれません。統一会派に動いた執行部も、これに不平不満をいう議員も、どちらも『シンボウ』が足りないからです。政党としての核となる基本政策や矜持、そうした『心棒』がないのなら、せめて略称ぐらいはそう呼んだ方がよいのかもしれません。
今日の東京市場でも円高がすすみ、米国の大幅高による株価への好影響を相殺した形になりました。最近の円高にはいくつか語られるシナリオがあり、前回は北朝鮮有事などによる円高を事前に織りこむ動き、を取り上げましたが、日銀の政策変更が近々あるのでは? との観測。むしろ、日銀が引き締めに転じないよう、円高にしてインフレ率を下げておく必要性、などという話もあります。世界の市場が過剰流動性によって押し上げられ、それを継続させたいなら、米欧のように引き締めに転じたところに期待はできない。日銀に如何にして緩和策をとらせつづけるか、が重要で、そのための円高だというのです。
一方で、原油高との連動性という話もある。原油高はほぼ100%を輸入にたよる日本経済にとってはマイナスです。しかし中東の政府系ファンドなどでは、運用資産が増える可能性があり、イスラエル寄りの米国には投資しにくい。欧州では待機資金をつかえばいい。日本には新規資金を流入させ、円高にしておけばさらに中東から原油を買ってくれるかもしれない。そんな思惑の入り混じった円買い、との話もあります。
その中で、円でBitCoinを買うため、との話もある。最もBitCoinの市場が整備され、取引量も多い。要するに、流動性が高いことでリスクヘッジできる、それが円での取引というのです。BitCoinに規制がかかる国もあり、また日本での取引が本国に通達されない場合、所得としての税がかからない取引もできる。今や仮想通貨は雨後の筍のごとく勃興しており、一方の仮想通貨で増えた資産を、もう一方の仮想通貨に移しておく、ということもできる。仮想通貨をみとめていない国では、そもそも仮想通貨のままの資産を、きちんとカウントしない可能性もあって、この辺りの事情も円へと資金が流れやすい構図の1つです。
こうした様々な説が語られるのも、日米の金利差が拡大する中ですすむ円高の理由、それを計りかねているため、でしょう。株や経済にバブルの兆候はみられない、という人も仮想通貨はバブル、という。そうそう都合よくバブルが切り離されることはないので、一部でバブルが起こっているようなときは、ほとんどがバブルの余波を受けていることになります。仮想通貨ばかりでなく、円で起きる説明のつかない事象、すでに経済全体が『仮想』、むしろ『仮装』となり、実態とかけ離れてしまっているのなら、これからの経済では『深謀』が大切、ということになるのかもしれませんね。