スキー場の選択は雪質だけで決めよう
スキー用語33-1「雪質」
https://ameblo.jp/takanamitaichi1230/entry-12131097928.html?frm=theme
「雪質」と書いてなぜか ゆきしつ と読みます
雪面(せつめん)雪温(せつおん)と来たら
せつしつ の気がするのですが
雪質 だけは慣習として湯桶読みをするようです
さて、雪の上を滑るスキーですので
雪の性質を把握する事も大事ですね
前日の天気、その日の天気、気温、湿度、
日当たり、圧雪の度合い等により
雪質は様々に変化します
その時々に合わせた滑りを適切に選択すれば
スムーズに斜面を降りる事ができるでしょう
雪は降ってくる物と地面にある物で
分かれますが
ここでは地面にある雪を中心に
季節を追って解説します
1.マシン雪
シーズン頭はまだ天然雪が少なく、
この雪を滑る事が多いです
※マシンとは人工降雪機スノーマシーンのこと
アイスバーンの一種であり、
ジャガイモが多く発生します
滑り方は次回解説するアイスバーンと一緒です
2.ジャガイモ
アイスバーンやマシン雪の様に
表面に凍った層が出来た後、
整備の為圧雪車が通るとその層が細かく砕かれ、
砂利を蒔いた様になります
この凍っていて細かくなった雪や氷の塊を
ジャガイモ と称しています
大きいものはカボチャほどのものもあります
カボチャ大は投げるか避けるかしかないですね
略して ジャガ
丁寧にいうと おジャガ
複数個が散らばっている所を
ジャガイモ地帯 とかジャガイモ畑
とも言い、圧雪車が取りこぼして
落ちている事もあります
滑り方はアイスバーンとほぼ一緒です
昼頃になり、気温が上がると
いつの間にか解けて無くなります
山用語で言うガレ場に近いですね
別名 ゴロゴロ ガタガタ ガラガラ
3.天然雪
マシン雪に対して 本当に空から降ってきた
雪のことを総称してこう呼びます
4.新雪(しんせつ)
降りたての 誰も滑っていない雪の状態を
特にこう呼びます
新しい方のしんせつ と言う人もいます
良い雪質の乾雪粉雪の朝イチの状態を
指して呼ばれることが多いです
滑り方は乾雪と同じです
別名 サラサラ雪、パウダー
5.乾雪(かんせつ)
シベリア系の乾いた冷たい寒気から
もたらされる一番に滑りやすい雪のことです
あまり圧を加えなくとも気持ちよく
ターン出来るので さほど技術を必要としません
「良い雪」と言えるでしょう
別名 サラサラ雪、サラッとした雪、
粉雪、乾き雪、パウダースノー、パウダー
※パウダーとは 粉 を意味する英語
6.湿雪(しっせつ)
11月や春は天気が不安定で
サラサラが降ったり雨が降ったりの繰り返しです
気温が高い時に降ってくる雪は霙に近く、
結晶化も不十分で水気を含んでいます
これが積もったのが湿雪で
ベタ雪とも言います
乾雪よりも摩擦が増える為
滑走性が悪くなります
滑り方は
ただ板に乗っているだけでは
スピードが出ない為、
腰を入れて自力で板を順捻り方向 に
つまり板そのものを
前方に押し出すような動きが
必要になります
水気が特に多くて平地に至っては
板が止まってしまう雪は
「悪雪(あくせつ)」と評される時もあります
更に大きな力で 板を前方に押し出します
別名 ベタベタ雪、ベタッとした雪、
モサモサ雪、モサっとした雪、
妖怪板掴み、止め雪、止まる雪、ストップ雪、
濡れ真綿
7.キョロ雪
上記の水気を含んだ湿雪の上を
スキーヤーが滑り、
圧雪された後 晴れの日の午後になって
再凍結すると出来るのがこの雪です
アクリル板の様に平滑になっていて、
エッジが効かずトップが
キョロキョロすることから呼ばれているようです
滑り方としましては 内モモを使い
エッジを雪面内部に食い込ませるようにし、
回転弧外側に圧を加え過ぎないようにします
別名 テロテロ
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スキー用語33-2「雪質」続き
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8.アイスバーン
春先の朝イチなどに多く発生します
日中 日射の熱や降雨により
積雪の表面が解けた後に
夜間晴天であると熱がどんどんと空中に逃げ、
地表面はどんどんと気温が下がります
これを「放射冷却」と言います
この影響で 解けた表面が再凍結して
ガチガチに凍った状態になります
このような状態をアイスバーンと呼びます
もはや雪ではなく氷に分類した方が
良いでしょう
別名 カリカリ、ガリガリ、ガリガリ君、
バンバンに凍った、
カチカチ、ガチガチ、ギンギン
大会などで人為的に水を撒いて作る事もあります
滑り方は
斜滑降でスタートしたら ターンの前半で
落下を伴いながら回旋操作を行い
スキーの進行方向を決め、
中〜後半は回転弧外側に圧を加えない様に
慎重に板を前方に進めていきます
この時 素早く回旋させないと
直滑降が長くなり、スピードが増します
ただ、上記の操作だけだとずらし要素が少なく
スピードが出るので 、
ターンが始まったら足首を捻り続けて
ターン弧を深くし、
直滑降よりも斜滑降が長くなるように
深回しする事でスピードを落とします
このようにすると余り外足が谷に流れず
進む事ができます
雪と違ってエッジが食い込みにくいので
ターン後半に回転弧外側に圧を加えすぎると
足元の壁をエッジが乗り越えてしまい、
ガガガガっと 行きたい方向よりも
谷側に落とされる現象が起きますので
気をつけましょう
o(^_-)O
流れる、落とされるについては97にて後述します
http://ameblo.jp/takanamitaichi1230/entry-12239979019.html?frm=theme
9.青氷
アイスバーンの一種で
特に水が多くかかり、特に冷えた時に出来ます
文字通り歯が立たないで
ただ滑落するしかないような氷の状態です
避けるしかありません
マシン前にある事がありますので
気をつけましょう
別名 ツルツル、テカテカ、ブルーアイス
どうしても通過せざるを得ない時は
極力何もせず、板の進むがままにまかせて
板と一緒に落下するイメージで
やり過ごします
少し移動すれば また摩擦のある雪が
あるはずです
10.深雪(ふかゆき)
しんせつ とも読めるのですが 新雪 と
区別する為
私は ふかゆき と呼んでいます
深い方のしんせつ と言う人もいます
これは質ではなく量を表す言葉になります
明確な定義はありませんが
大体膝を越すくらいの 移動にラッセルが
必要になるほどの積雪がある場所を指します
ラッセルについては後述します
12月〜1月ともなると一晩で1メートルなどの
ドカ雪も珍しくなく
更に運休が重なったりすると
肩までの雪に埋もれる事もあります
滑り方は
やや後傾のポジションを取り、
カカトに乗って トップが沈まないように
滑ります
別名 ドカ雪、バカ雪、
モフモフ、パフパフ、バフバフ
パウパウ、フカフカ、フワフワ
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スキー用語33-3「雪質」続きの続き
https://ameblo.jp/takanamitaichi1230/entry-12132358019.html?frm=theme
11.クラスト
春に近づいて晴天日が出てくると
非圧雪エリアはクラストと言う状態に
なる事が多くなってきます
出来方により幾つかの種類があります
※クラストとは 固い外皮 を意味する英語
a.サンクラスト(日モナカ)
日中 熱射により表面が解け、
午後になり日が陰って
再凍結してできるクラスト
b.ウインドクラスト(風モナカ)
尾根筋の風下側など風が巻き込むところで
風圧で押し付けられてできるクラスト
c.レインクラスト(雨モナカ)
雨が降った翌日 また寒気が来て気温が下がると
再凍結してできるクラスト 厚いとアイスバーン
原因は様々ですが モナカ雪 と形容される様に
外はカリカリ 中はフワフワの状態を
総称してクラストと呼びます
滑り方は
@クラストが薄い時
まず持ち上げ式の山開きシュテムを行ない
着地の際に圧を加えてクラストを割ります
この時 内部の雪が柔らかければ
センター加重をキープして
あまり潜らない様にし、
内部の雪が締まっていれば
しっかりと外足加重して
雪に足を取られないようにします
その後 腰を入れた順ひねりによって
クラストを割りながら進みます
更にこの時 足首の回旋を掛け続け
迎え角を作り制動を掛けながら行くと
ゆっくりと向きを変える事が出来ます
Aクラストが厚い時
まず持ち上げ式の山開きシュテムを行う
所までは一緒ですが
着地の際 圧を加えすぎず
クラストを割らないようにします
そのままセンター加重をキープして
なるたけクラストの上を進みます
足首の捻りも加えて
制動を掛けながら向きを変えましょう
なかなか難しい雪質ですが
とても練習になるので たまに突入してみてはいかがでしょうか(^_−)−☆
12.ザラメ
春先アイスバーンが出来た後に気温が上がり、
氷の層が細かく砕けて
海岸の砂のようになった状態を言います
砂糖のザラメ糖に似ている所から
呼ばれています
湿雪よりは滑りやすいです
ICSアイスクラッシュシステムと言う
カキ氷機の親玉のような機械で作った
人工雪もこれに似ています
滑り方は
内面に圧を加えすぎると潜ってしまうので
表面を撫でるように滑り、
かつ滑走性が悪いので
板を前方に押し出すような
動きを加えます
別名 ザラザラ ザクザク ザブザブ シャバシャバ
13.硫安雪
春には融雪が進み、平らで湿雪だと
止まってしまうほどになります
そこで硫安と言う薬剤を用いて
雪を固める必要があるのです
硫安については95にて後述します
http://ameblo.jp/takanamitaichi1230/entry-12238899198.html
滑り方はアイスバーンに近い感じです
14.腐り雪
春先、湿雪の融雪が進み、
水やザラメやシャーベットが
混じったような状態になった雪です
雨が降ると意外と滑りやすくなり、
滑り方は湿雪とほぼ同じです
別名 グサグサ 腐れ雪
15.黄砂雪
春の季節風で飛ばされてきた
黄砂が混じった雪の事です
とても滑走性が悪く、
緩斜面に至っては板が止まってしまいます
滑り方は湿雪とほぼ同じで、
もっと力を強くして滑ります
長くなりましたが
身体的な技術を磨くと共に
状況により適切に選択する と言う判断力も
合わせて身につけられれば
憂いなし ですね(^o^)
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