トランプ大統領とエルサレム
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2017年12月07日 小笠原誠治の経済ニュースゼミ
トランプ大統領がtwitterで次のように言っています。
I have determined that it is time to officially recognize Jerusalem as the capital of Israel. 「私は、今こそエルサレムがイスラエルの首都であることを公式に認めるときであると決心した」 I am also directing the State Department to begin preparation to move the American Embassy from Tel Aviv to Jerusalem... 「また、国務省には、アメリカ大使館をテルアビブからエルサレムへ移す準備にかかるように指示しているところである」 |
多くの人々は、このニュースを知ってもどう反応してよいのか分からないのではないでしょうか?
というか、イスラエルの首都はどこだと聞かれて直ぐに返答することができるのか、と。
その辺の基礎知識が欠如しているからこのニュースがイマイチ関心を集めない、と。
実は、イスラエルの首都がどこであるかは国際的に議論のあるところで、イスラエル自身は、エルサレムが首都だと言っていますが、国際社会は日本も含めてそれを認めてはいないのです。国際社会はテルアビブがイスラエルの首都だと見なしているのです。
でも、イスラエル自身が、エルサレムが首都だと言っているのに、他国がとやかく言う権利があるのか、と。
しかし、ここには複雑な事情が絡んでいるのです。
というのは、エルサレムはイスラエルにとってだけではなく、パレスチナにとっても重要な、というよりも聖地であるからなのです。
この点に関して、BBCは次のように言っています。
Why is this significant? 「何故これが重要なのか?」 The decision to recognise Jerusalem as Israel's capital puts the US at odds with the rest of the international community's view on Jerusalem's status. 「エルサレムをイスラエルの首都と認める決定は、エルサレムの地位に関して、米国の考えを国際社会の考え方と違ったものとする」 The Palestinians claim East Jerusalem as the capital of a future state, and according to the 1993 Israel-Palestinian peace accords, its final status is meant to be discussed in the latter stages of peace talks. 「パレスチナは、東エルサレムは将来の国家の首都になるべきものだと主張しており、1993年のイスラエルとパレスチナの平和合意に従えば、その最終的な地位は平和交渉の最終段階で議論されることとなっている」 Israeli sovereignty over Jerusalem has never been recognised internationally, and until now all countries have maintained their embassies in Tel Aviv. 「エルサレムに対するイスラエルの主権は国際的には認められておらず、今に至るまで全ての国がテルアビブに首都を置いたままである」 Jerusalem contains sites sacred to the three major monotheistic faiths - Judaism, Islam and Christianity. 「エルサレムには3大一信教である、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地がある」 East Jerusalem, which includes the Old City, was annexed by Israel after the Six Day War of 1967, but is not internationally recognised as part of Israel. 「旧市街を含む東エルサレムは、1967年の6日戦争の後、イスラエルによって併合されたが、国際的にはイスラエルの領土として認められていない」 |
ということで、このような事情を知れば、トランプ大統領の決定は相当に問題含みであると思うのですが…トランプ大統領は次のように言うのです。
Today, we finally acknowledge the obvious: that Jerusalem is Israel's capital. This is nothing more or less than a recognition of reality. It is also the right thing to do. 「本日我々は、最終的にエルサレムがイスラエルの首都であることを確認する。これは現実を認めるだけのことで、それ以上でもそれ以下でもない。また、そうすることは正しいことである」 After more than two decades of waivers, we are no closer to a lasting peace agreement between Israel and the Palestinians. It would be folly to assume that repeating the exact same formula would now produce a different or better result. 「権利放棄後20年以上が経過しているが、イスラエルとパレスチナの間の永久平和協定には少しも近づいていない。これまでと同じやり方を繰り返して、それで違った結果、或いは良い結果が生まれると考えるのは愚かである」 We are not taking a position on any of the final status issues including the final boundaries of the Israeli sovereignty in Jerusalem. 「エルサレムにおけるイスラエルの主権が及ぶ国境問題を含む最終的な地位問題に関して我々は如何なる立場も取らない」 Those questions are up to the parties involved. The United States remains deeply committed to helping facilitate a peace agreement that is acceptable to both sides. 「そうした問題は当事者に委ねられている。米国は、両者にとって受け入れることのできる平和協定が合意されることを支援することに変わりはない」 |
どうなのでしょうね?
現実を認めただけと言いますが、米国以外の国はそうとは認めていないからです。
説得力がありませんよね。
日本はどう動くのか?
今のところ、従来のスタンスを維持しているように見受けられますが、100%米国とともにあると言う安倍総理のことですから、どうなることやら。
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