自分ファーストから脱却するべき民進党面々
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2017年10月27日 植草一秀の『知られざる真実』
政党は基本政策を明確にし、政権構想を明確にし、これによって主権者の支持を集めようとするものである。
それなのに、基本政策が不明確で、政権構想も不明確で、それで主権者に支持してくれというのは、あまりにもおかしなことだ。
今回の総選挙に際して、民進党はすべてを混乱させた主犯である。
今回の総選挙での最優先課題を
「安倍政治を終焉させること」
として、この目的のために、
「反安倍大連合」
「反安倍呉越同舟連合」
を形成する、ということには大義がある。
一つの選択肢にはなり得た。
民進党の両院議員総会では、民進党立候補予定者の全員合流を前提に前原氏への一任が了承されたが、現実はまったく違うものだった。
小池氏と前原氏は、
1.戦争法制の容認
2.憲法改定の推進
3.共産党の排除
を前提に合流計画を進めていた疑いが濃厚なのである。
これが事実なら、
「反安倍大連合創設」
ではなく
「自公補完勢力創設」
に過ぎなくなる。
似ても似つかない話になるのだ。
前原氏がこの認識を持ちながら、民進党内での民主的な話し合い、決定、了承というプロセスを経ずに、希望の党への合流を進めたのなら、その行動は万死に値する。
前原氏は直ちに謝罪して、代表を辞任するべきである。
希望の党が
戦争法制肯定、憲法改定推進
を「踏み絵」にしたところから、すべての崩壊が始まった。
この新党が「反安倍大連合」ではなく「自公補完勢力連合」であることを希望の党自身が宣言してしまったことになる。
その結果、希望の党は主権者の支持を得られなかった。
そして、この騒動の副産物として民進党の分離・分割がようやく一部実現した。
私は、かねてより、民進党の分離・分割の必要性を訴えてきた。
同じ政党の中に、正反対の政策主張、政策方針が同居していることが根源的な問題である。
政党の体をなしていない。
これが民進党問題の核心だった。
戦争・憲法、原発、消費税
が主要な政策課題であるときに、この主要政策課題についての基本方針が正反対の者が同居しているのなら、それは、もはや政党とは言えないだろう。
この問題を民進党は抱えてきた。
代表戦で、これが明らかになったのに、党を分離・分割するとの話題さえ出なかった。
それが、この騒動をきっかけに、ようやく実現したのだ。
これを奇貨として、民進党は合理的に、誰にでもよく分かるかたちで、民進党の分離・分割を実行するべきだ。
ところが、現状は、
希望組、立憲組、無所属組
の三つの組に分かれて、はっきり動こうとしない。
宝塚ではないのだから、組に分かれてすくみ合う場合ではない。
登場人物の行動を見ると、そのすべてが、
自分のことだけを考えている。
都民ファーストでも国民ファーストでもない。
ただひたすら、自分ファーストなのだ。
立憲民主は「草の根から」を標榜しているのだから、「草の根」の声に耳を傾けて、基本政策方針を見直すべきである。
原発の即時全面稼動停止
戦争法制廃止
消費税増税中止
の方針を明示するべきだ。
そのうえで、広い主権者連帯を形成するべきである。
参院民進党もこの基本方針に同意する者は合流するべきだ。