短期決戦「出遅れ20銘柄」 連騰相場は11月5日までが勝負
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2017年10月26日 日刊ゲンダイ
トランプ大統領の訪日後は危険(C)AP
24日、兜町は怒涛の16連騰に沸き、日経平均は2万1805円(終値)まで上昇した。
「まさか……でしたよ。日経平均は23日に史上初の15連騰を記録しました。その達成感から、市場は案外、冷めていたのです。ところが続伸で引けた。予想を超える強い相場に驚いています」(証券関係者)
バブルを予感させる連騰記録だが、市場関係者はそれほど過熱感を抱いていない様子だ。
「16連騰は確かに驚異的ですが、中身を冷静に分析すると、大フィーバーとは言い難いのです。16日間の上昇率を1日平均でみると、わずか0.44%アップに過ぎません。金額にして80円強です。実体は静かな上昇といえるでしょう」(株式アナリストの黒岩泰氏)
もうひとつ、過去の連騰相場と状況が違うという“記録”がある。株式分析で使われる「日足陽陰線」だ。その日の始値と終値を比較し、終値のほうが高かったら「陽線」(勝ち)、始値が高かったら「陰線」(負け)となる。
12連騰した86年、13連騰の88年とも「全勝」だったが、今回はきのうまで8勝8敗と五分だ。
「寄り付きより、終値のほうが安い日が半分もあるのです。だから過熱感もない。見方を変えれば、市場は冷静ということです。となると、この先も上昇相場が継続する可能性は高い。銀行など出遅れている銘柄に狙いを定めるべきでしょう」(黒岩泰氏)
連騰相場で年初来高値を更新する銘柄が相次いでいる。きのうも200銘柄以上が更新した。だが、みずほFGや三菱UFJFGは、いまだ高値を更新していない。証券の野村HDや大和証券グループ本社も同様だ(別表参照)。
「商社も出遅れていましたが、24日に伊藤忠商事や双日は年初来高値をつけました。未更新の三菱商事や三井物産を拾っておきたい」(証券アナリスト)
出遅れ感の強かった不動産も、住友不動産が19日に高値を更新。三菱地所や三井不動産、野村不動産HDの高値更新が近いと読む兜町関係者は多い。
「ただし、トランプ大統領が訪日する11月5日前後は要注意です。北朝鮮が動く危険性は高く、株価がドカンと下がるかもしれません」(株式評論家の倉多慎之助氏)
短期勝負に徹するべきかもしれない。