3日、北朝鮮による軍事的挑発に対抗し韓国で原子力潜水艦の導入必要性を訴える声が高まっているが、韓国・KBSによると、韓国海軍では熟練した潜水艦の乗組員を多数育成することが困難な状況にあるという。資料写真。
乗組員の7割が“逃げ出す”韓国軍潜水艦の過酷な環境=韓国ネット「これじゃ国を守れない」「韓国で最も重要な任務をしてくれているのに」
http://www.recordchina.co.jp/b192405-s0-c10.html
2017年10月8日(日) 8時20分
2017年10月3日、北朝鮮による軍事的挑発に対抗し韓国で原子力潜水艦の導入必要性を訴える声が高まっているが、韓国・KBSによると、韓国海軍では熟練した潜水艦の乗組員を多数育成することが困難な状況にあるという。劣悪な勤務環境が原因で、この10年の間に乗組員の7割近くが艦を去っているのだ。
KBSが現場を取材・紹介したのは、1200トン級の張保皐(チャンボゴ)艦。韓国海軍初の潜水艦として1992年に就役、97年にはハワイまでの潜航に成功し、2004年の米韓合同訓練では仮想敵艦とされた米航空母艦など15隻の撃沈可能な戦力を披露した。
しかし問題は艦内の環境だ。長さ56メートル、幅7.6メートルの同艦の乗組員は40人。就寝には1人がやっと横になれるサイズのベッド2台を3人が交代で使用、食事や運動をする空間も狭い。シャワーは週にわずか1回、スマートフォンの使用やテレビ視聴は夢のまた夢だ。潜水艦司令部の関係者も「長くて1カ月近く任務を遂行するのに、この中で40人がトイレ2カ所にしがみ付いているとすれば、他に説明は要らないでしょう」とその環境の厳しさを吐露する。
こうした悪条件のためもあり、ここ10年に育成を受けた乗組員700人余りのうち、約69%に当たる500人余りが辞めていったという。また残った人員の中に一般兵はおらず、8割以上が副士官といういびつな構成だ。さらに副士官のうち潜水艦勤務の志願率は60%をようやく超える程度で、潜水艦乗組員として5年以上の経歴を備えた人材は35%にすぎない。
KBSは「韓国軍の潜水艦の年平均作戦日数は164日、規模がより大きな原子力潜水艦の導入の前に、乗組員の処遇改善が急務との指摘が出ている」とまとめている。
実態を目にした韓国のネットユーザーからも「ものすごく劣悪だ!。韓国で最も貴重かつ重要な任務をしてくれているのに、それ相応の処遇をしてあげてほしい」「こういうところの仕事こそ、一番お金を稼げる職であるべきなのに」「潜水艦をもっと大きなサイズで造って、戦闘機のパイロット並みの待遇に上げるべきだ。空も海中も危険なのは同じ」と、乗組員の処遇改善を求める声が多数上がっている。
また「僕は無理」「使命感がないとできない仕事だね」「これでは国を守れないよ」とため息交じりのコメントや、「40人にトイレが2カ所って、これが国と言えるか?。まったく情けない国防政策だ」「米国の潜水艦がどう運用されているか、国防部は把握すらしてないのかな?」など政府や軍の対応を批判する声も目立った。(翻訳・編集/吉金)