「坂村健の目 被ばく影響、科学界の結論」 (毎日新聞 2017/9/21)
https://mainichi.jp/articles/20170921/ddm/016/070/003000c
今月1日に日本学術会議から「子どもの放射線被ばくの影響と今後の課題」という報告書が発表された。日本学術会議は我が国の人文・社会科学から理学・工学までの全分野の代表者からなる、いわば「学者の国会」。政府に対する政策提言から世論啓発までを役割としている。
報告書が対象としている東京電力福島第1原発事故については、既に多くの論文や調査結果などが蓄積されている。国連科学委員会の報告でも、放射能由来の公衆の健康リスクについて「今後もがんが自然発生率と識別可能なレベルで増加することは考えられない」と結論が出ている。
学術会議の報告でも、被ばく量はチェルノブイリ原発事故よりはるかに小さいという評価が改めて示されているが、特に不安の多い子どもへの影響に焦点を絞っている点が重要だ。「福島第1原発事故による胎児への影響はない」としており「上記のような実証的結果を得て、科学的には決着がついたと認識されている」とまで書いている。
報告書を読むと、不安論者のよりどころとなる内部被ばくから、福島での甲状腺がん検査の評価まで、考えられそうなポイントはすべて丁寧に押さえている。
その意味で、この報告書はいわば、事故後6年たっての科学界からの「結論」。これを覆すつもりなら、同量のデータと検討の努力を積み重ねた反論が必要だ。一部の専門家といわれる人に、いまだに「フクシマ」などという差別的な表記とともに、単に感覚にすぎない「理論」で不安をあおる人がいるが、そういう説はもはや単なる「デマ」として切って捨てるべき段階に来ている。
マスコミにも課題がある。不安をあおる言説を、両論併記の片方に置くような論評がいまだにあるが、データの足りなかった初期段階ならいざ知らず、今それをするのは、健康問題を語るときに「呪術」と「医術」を両論併記するようなもの、と思ったほうがいい。
そういう転換点になりうる重要な報告なのに、毎日新聞を含めて報道の少なさはなんだろう。この報告書を、本コラムを読んで初めて知ったという読者も多いと思う。それも当然で、新聞でいえば、福島の地方紙以外は全国紙の福島版とデジタル版で一部報道された程度。子どもに焦点を当てたという点でも十分に「ニュース性」があるのに、だ。ネットでは、この報道の少なさに違和感を覚えるという多くの書き込みがされている。
この報告の題名に「今後の課題」とあるのは、既に決着のついた科学分野についてではない。科学的には結論が出ても無くならない不安、さらにそれをあおろうとする言説だ。「子どもが産めないの?」という不安を福島の子どもたちに抱かせないようにするため、学術会議の「結論」をどう広く伝えるかが「課題」。マスコミができることは、もっとあるはずだ。(東洋大INIAD学部長)
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放射能被ばくに関して無知丸出し、心底恥かしい記事です。
原子力業界の息のかかった御用学者がまとめた報告書が、どうして「科学界の結論」と言えるのか。
単なる「政府・東電・原子力ムラの結論」でしかありません。
異を唱える人にもきちんと耳を傾け、科学的に議論するというプロセスが全く抜けています。
「これを覆すつもりなら、同量のデータと検討の努力を積み重ねた反論が必要だ」と言っていますが、
チェルノブイリ事故以降30年以上にわたって、放射能汚染の深刻な影響を立証した何百、何千もの
論文やデータがあるのを御存知ないようです。
放射能汚染の影響が無視できるというのなら、それらの論文に一つ一つについて反論をして
覆すべきでしょう。
そんなことができるわけがありません。
東大名誉教授でもこの程度、もともと頭が悪いのか、被ばくで脳がやられたのか知りませんが、
救いようがありません。
おそらくこの日本学術会議のまとめた報告は、水俣病に関する田宮委員会の報告と
同じ運命をたどるでしょう。
東大の最高権威を集めてウソをでっち上げたところで、いずれ真実は世に知られます。
こんなデタラメな報告をもち上げたら、のちのち赤っ恥をかいて信用を失うこと必定なので、
みな無視を決め込んでいるのです。
(関連情報)
「福島の子どもと被ばく「出産に影響はない」“ネットでしか“話題にならない重要報告 (BuzzFeed)」
(拙稿 2017/9/16)
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/681.html
「全く活かされていない水俣病の教訓 -- 環境省の報告書を読んで類似性に唖然!」
(拙稿 2013/4/7)
http://www.asyura2.com/13/genpatu31/msg/199.html
「地に堕ちた最高学府・東京大学の権威と信用 溶融燃料とともに地下深く沈降中」
(拙稿 2012/5/7)
http://www.asyura2.com/12/genpatu23/msg/521.html