米韓合同演習は「事実上の戦争」という見方がある
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2017年9月19日 斎藤貴男 ジャーナリスト 二極化・格差社会の真相 日刊ゲンダイ 文字お越し
米韓合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」/(C)AP
「金正恩さんは核保有国としての地位を確立したい。でないとイラクやリビアの二の舞いにされるという恐怖感がある。彼らはそう総括してしまったということです」
纐纈厚・山口大学名誉教授(日本政治史)が語った。都内で開かれた「朝鮮半島と東アジアの平和を求める9・16集会」の講演会。相手の事情や論理に無知なままでは都合よく操られるだけなので報告しよう。
正恩氏は「斬首作戦」を恐れている。2015年に発効した米韓両軍の「作戦計画5015」で、北への先制攻撃との2本柱となっている。北からの侵攻阻止を掲げていた従来の「5027」よりも、かなり露骨だ。同じ民族同士だろうと関係ない。有事における米軍の指揮権を、米韓相互防衛条約は定めている。
先月下旬に、朝鮮半島で展開された米韓合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」の基調も、したがって当然、「5015」だった。並行して陸上自衛隊が北海道で米海兵隊と大規模共同訓練を行っている。
北朝鮮が襟裳岬上空を通過するミサイルを発射したのは、これら実質的には日米韓3カ国の合同演習に対抗した形だ。フセインやカダフィのようにされたい人間はいない。なお「乙支」とは隋の遠征軍を倒した高句麗の将軍・乙支文徳に由来する。
「そもそも朝鮮半島に核を持ち込んだのは米国に他なりません。朝鮮戦争の休戦協定違反もいいところですが、ブッシュの息子さんが大統領になると、合同演習はさらに激しくなった。彼の軍事ブレーンが“演習の範疇では捉えられない、事実上の戦争”と書いているほど。これでは共和国も、臨戦態勢を取らざるを得ないのではないか」
作戦計画5015で米国が狙うのは、自国に隷従しない指導者の消去による覇権の貫徹か。地政学上の魅力や豊富な地下資源、物流の要衝としての可能性なども獲得したいのだと、筆者は思う。合同演習は同時に韓国をも平和的統一に踏み出させない“二重の恫喝”なのだと、纐纈氏は述べた。
だから金正恩は正しい、などと言いたいのでは断じてない。ただ――。
来月の解散・総選挙ともなれば、米日同盟は北朝鮮がミサイルや核実験をエスカレートさせる方向に誘っていくだろう。マスコミ総出で安倍独裁と憲法改正が進められ、日本は名実ともに米国の傭兵国家に成り果てる。くだらな過ぎる時代がやって来る。
それが嫌なら少しは知性を取り戻そう。言いたいことはそれだけだ。
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― AS (@ActSludge) 2017年9月19日
米韓合同演習は「事実上の戦争」という見方がある
― KK (@Trapelus) 2017年9月19日
来月の解散・総選挙ともなれば、米日同盟は北朝鮮がミサイルや核実験をエスカレートさせる方向に誘っていくだろう。マスコミ総出で安倍独裁と憲法改正が進められ、日本は名実ともに米国の...
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