ばら撒かれた放射性セシウムの6割が残ったままの福島県二本松市
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2017/08/27(日) 19:44:28 めげ猫「タマ」の日記
福島県二本松市のセシウムの量を(=^・^=)なりに見積もると
事故1ヶ月半(2011年4月29日) 20g
事故義5年8ヶ月(2016年11月18日)13g
今日(2017年8月27日) 12g(近々のデータを半減期で補正)
で事故7年目にないましたが事故によってばら撒かれたセシウムの6割は残ったままです。
福島県の地方紙・福島民友は福島の女子高生が実習で栽培した野菜を売りにいったら
「私の家には小さい子どもがいるので、福島産の野菜は買わない」
と言われたとの記事を掲載していました。こにあと同記事は
「原発事故から5年も過ぎたのに...」
と報じています。
※(2)を8月22日に閲覧
図―1 実習で栽培した野菜の購入拒否を報じる福島の地方紙・福島民友
彼女は風評被害で痛めつけられた悲劇のヒロインなのか、それとも放射線を知らない馬鹿なのか興味があります。そこで
「原発事故から5年も過ぎたのに...」
の1文に注目しました。事故から5年以上が過ぎ、福島にばら撒かれた放射性物質が大幅に減ったのならこの言葉は正しいと思います。でも福島にばら撒かれた放射性物質が残ったままなら、彼女は悲劇のヒロインでなく放射線を知らない馬鹿か単なる出たがり屋です。
福島県二本松市は福島第一原発80km圏内に全てが位置する市です。
※1(4)の数値データを元に(5)に示す手法で8月1日時点に換算
※2 避難区域は(6)による
図−2 福島県二本松市
図に示す様に事故7年目になりましたが、今も大部分が国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えたままです(7)。原子力規制委は事故後に時々、放射線量の分布を発表しています(3)。事故直後は80km圏内のみであり、除染(8)の効果などを見るには全域が避難地域になっていない、ある程度の放射線量がありほぼ全域で数値が出ています。放射性物質の量と放射線量の関係は放射性物質毎に分かっています。
1mm四方に1ベクレル(Bq)の放射性物質があるとすると、放射線量は1時間当たりで
セシウム134 ― 5.4マイクロシーベルト(μSv)
セシウム137 ― 2.1マイクロシーベルト(μSv)
の放射線量になります(9)。
セシウム134と137の割合は一定しています。ただし時間依存があります。以下に2011年と2017年4月末のセシウム137に対するセシウム134の割合を示します。
※(10)を集計
図−3 セシウム137に対する134の割合
図に示すように同時期ならセシウム137に対する134の割合は一定ですが、時間と共に低下します。2011年4月末時点ではセシウム137とセシウム134のベクレル(Bq)で測れる放射能量はほぼ同量ですが、6年後の2017年4月末には約15%まで低下しています。これは放射性物質が半分になるまでの時間を「半減期」と呼びますが、セシウム134の半減期は2年でセシウム137は30年です(11)。セシウム134は6年で8分1(12.5%)(0.5(6÷2))まで低下しますが、セシウム137は87%(0.5(6÷30)×100)が残ったままです。
セシウム134とセシウム137の割合が分かれば、これを元にセシウム134由来と137由来の放射線量を知ることできます。
セシウム137と134の割合をa:b
放射線量をR
とすればセシウム137由来の放射線量R137は
R137=R×(2.1a)÷(2.1a+5.4b)
セシウム134由来の放射線量R134は
R134=R×(5.4b)÷(2.1a+5.4b)
になります。
これを元に単位面積当たりのセシウム137と134の量が求まります。例えば放射線量を1時間当たりのマイクロシーベルト(μSv/h)で、単位面積を1ミリメートル四方(mm3)すればセシウム134および137の放射能量をそれぞれB134およびB137とすれば
B134=R134÷5.4
B137=R137÷2.1
になります。1グラムのセシウム134は47.9兆ベクレル、セシウム137は3.21兆ベクレルに相当します(12)。この値で割ってやれば単位面積当たりの放射線量を求める事ができます。これに面積を乗じれば放射性セシウムの全重量を求めることができます。
原子力規制委員会は福島第一80km圏内に限れば過去に11回の放射線量の面的な測定結果を発表しています(4)。これを元に面積344.42平方キロメートル(km2)の福島県二本松市(13)の放射性セシウム量を見積もってみました。
※(4)を集計
図―4 福島県二本松市の放射性セシウムの量
事故1ヶ月半(2011年4月29日) 20g
事故義5年8ヶ月(2016年11月18日)13g
で、昨年末時点で6割以上が残っています。
以下に2014年11月以降のセシウム137の量と半減期で計算される量を示します。
※1 セシウム137の量は(4)等より集計
※2 凡例中「半減期」は「半減期で計算される量」
図―5 セシウム137の量と半減期で計算される量
図に示す通り2014年11月以降は半減期で計算さる量とほぼ同じです。最新データ(2016年11月時点)から今日(2017年8月26日)のセシウムの総量を計算すすると12gです。
福島県二本松市のセシウムの量は
事故1ヶ月半(2011年4月29日) 20g
今日(2017年8月26日) 12g
で事故7年目にないましたが事故によってばら撒かれたセシウムの6割は残ったままです。
図―5に示す様に今後は半減期でしか放射性セシウムは減って行きません。図―4に示す様に大部分はセシウム137です。セシウム137の半減期は30年です(11)。30年で半分、60年でも4分の1は残ります。福島県二本松市は今後数十年は放射能に汚染された状態が継続します。福島民友が報じた
「原発事故から5年も過ぎたのに...」
でも何も改善されていません。福島民友が悲劇のヒロインに仕立てようとした女子高校生は、悲劇のヒロインでなく放射線を知らない馬鹿か単なる出たがり屋です。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
5年では殆んど改善されないの 「原発事故から5年も過ぎたのに...」とあたかも改善されたような報道が平然となされる福島では福島の皆様は不安だと思います。
福島を代表する夏野菜にトマトがあります(14)。8月がトマトの出荷のピークです(15)。福島のトマトは美味しいそうです(19)。福島県郡山市は福島を代表するトマトの産地です(16)。福島県は福島産トマトは安全だと主張しています(17)。でも、福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産トマトはありません。
※(18)を引用
図―6 福島産トマトが無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県郡山市の皆様を見習い「福島産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)【復興の道標・放射線教育】安全性伝える知識必要 相馬農高生が実感:復興の道標:福島民友新聞社 みんゆうNet
(2)福島民友新聞社 みんゆうNet −福島県のニュース・スポーツ−
(3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会
(4)(3)中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日〜11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(5)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(6)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(7)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(8)福島県 二本松市|除染実施区域(市町村除染)の概要・進捗|除染情報サイト:福島県・環境省
(9)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(10)報道発表資料 |厚生労働省中の各月の「食品中の放射性物質の検査結果について」
(11)半減期 - Wikipedia
(12)放射能の比較 - Wikipedia
(13)二本松市 - Wikipedia
(14)夏 | ふくしまの野菜 | JA全農福島
(15)福島県の旬(出回り時期) 野菜編
(16)今年もおいしい、トマト!トマト!トマト! | ふくしま 新発売。
(17)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(18)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(19)イオン郡山フェスタ店