香港(CNNMoney) ロシアの海運企業「ソブコムフロット」は27日までに、運航する液化天然ガス運搬船が砕氷船の助けも借りず北極圏海域を横断する航行に成功したと発表した。一般商船としては初の成果としている。
ノルウェーから韓国までの航行日数は19日間で史上最短記録としている。同企業によると、スエズ運河を通航する通常航路の日数を約3割縮めた。
同船「クリストフ・ドマルジュリ」はロシアの遠隔地にある2カ所の港をつなぎ、北方航路として知られる北極圏の北端海域を新記録となる6日半で航行したという。
クリストフ・ドマルジュリは、厚さが最大2.1メートルの氷の中の移動が出来る性能を持つ。夏季だけでなく一年中を通じ厳しい海洋環境にある北極圏海域の利用が可能であることを意味する。
ソブコムフロット社によると、今回の航行では厚さ1.2メートルの氷が広がる海域で2000カイリ(約3700キロ)以上進んだ。運搬能力が大きい船舶が北方航路を利用出来る経済的な潜在力を示したとしている。
北極圏の海氷は例年、春季や夏季に少なく、冬季に増える。しかし、気候温暖化の影響で堆積(たいせき)してきた古い海氷は過去30年間で最小の水準になったとされる。
北極圏での海氷の減少などは航路の短縮や経費節約につながるが、世界の天候パターンに直接的な影響を与えるとの懸念も呼んでいる。
https://www.cnn.co.jp/business/35106357.html
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