西岡昌紀のブログ
2017年06月26日12:43
小林麻央さんの死に思ふ
http://blog.livedoor.jp/nishiokamasanori/archives/8867434.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1961193980&owner_id=6445842
既に大きく報道されて居る通り、フリー・アナウンサーの小林麻央さんが、乳癌により、34歳の命を閉じました。残された御家族の皆様に、心よりお悔やみを申し上げます。
自分は、乳癌の専門家ではありませんし、事実関係が良くわからない中で、こう言ふ事を書くべきかどうか迷ふ所は有ります。しかし、多くの患者さんへの影響を考え、医者の一人として、あえて、自分の思ふ所を述べたいと思ひます。
伝えられる所では、小林麻央さんは、乳癌と診断された際、主治医から勧められた手術法を断り、乳房の温存を優先させたとされて居ます。私は、この事が、とても気に成って居ます。
仮にそれが事実であったとすると、はっきり言ひますが、その段階で勧められた手術を早急に受けて居れば、彼女は助かった可能性が有るのではないか?と、思はないでは居られないのです。
こう言ふ事を言ふのは、亡くなった御本人と残された御遺族に鞭打つ事の様に思ふ方もおられるかも知れません。特に、報道では、それは、なかば「タブー」の様に成って居ます。しかし、私は、あえてそれを言おうと思ひます。その「タブー」を破る事が、小林さんの余りにも早すぎる死を無駄にしない道だと思ふからです。
繰り返しますが、私は乳癌については素人ですし、医学的情報も無いので、これは、今の時点で、私が抱く素朴な思ひにすぎません。
しかし、私が読んだところでは、小林麻央さんは、当初、主治医が勧めた手術を断ったと伝えられて居ます。医者である自分が思ふのは、どうしてそんな事をしたのだろうか?と言ふ事です。
その点について、世の人々は、「医者の説明が足りなかったのでは?」と想像するのかも知れません。しかし、現実に多くの患者と接する医者である私が、近年の社会情勢から想像してしまふ可能性は、違います。
私が想像するのは、「医者の説明が不十分だった」と言ふ可能性ではなく、逆に、彼女が周囲の人々から与えられる「情報」が多すぎたのではないか?と言ふ可能性です。情報不足ではなく、情報過多が有ったのではないか?と言ふ事です。
そして、更に想像を言へば、そうした過剰な「情報」を与えたのは、医者ではない人だったのではないか?と思ってしまひます。何故そんな「想像」をするかと言へば、そう言ふ事が、私の周辺でもとても多い、いや、多すぎるからなのです。
例を挙げるなら、「高血圧の薬は飲まない方が良い」とか「高血圧の薬は一度飲み始めるとやめられなくなる」と言ったウソを信じて居る患者さんが、本当に沢山居ます。恐ろしく成る程です。
そう言ふデマを信じて居る患者さん達に、「何処でそんなバカな話を聞いたのですか?」とお聞きすると、圧倒的に、身近な人々の口コミなのです。つまり、こうしたデマを広めて居るのは、無責任な素人(しろうと)達なのです。
テレビの健康番組やインターネットで読んだ一方的な話を真実だと硬く信じ込み、更には、それに自分の勝手な解釈を加えて語る人々がそこら中に居ます。そんな「健康デマ」の「布教」に邁進する素人たちが、そこら中で、「医者の言ふ事など信じるな」と言はんばかりの説教を自信満々で行なって居ます。しかし、彼らの言説は、根拠を欠いた一方的な「情報」である事が大部分です。
私は、声を大にして言ひたいと思ひます。たとえ信頼できる友人、あるいは家族であっても、素人は素人です。たとえ善意からであっても、病気の方たちに無責任な「情報」を与える事は、受けるべき手術を受けさせずに患者を死に至らしめる事も有ります。
医療関係者でない方は、周囲の御病人に、決して「医学」を教えようなどとしないで下さい。又、御病気の方は、医療関係者ではない人の意見に耳を傾けないで下さい。たとえ家族であっても、素人の意見は、セカンド・オピニオンではありません。たとえ、善意から語られた意見であっても、医学の素人である方たちの意見は、患者さんを誤った選択に導く可能性が、極めて大です。私は、この事を皆さんに強く訴えたいと思ひます。
小林麻央さんの御冥福を心よりお祈り致します。
2017年6月26日(月)
西岡昌紀(内科医)
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■がん遺児の心ケアを 元アナウンサー、闘病中に団体設立
(朝日新聞デジタル - 06月26日 12:03)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4638559
がん遺児の心ケアを 元アナウンサー、闘病中に団体設立
1
2017年06月26日 12:03 朝日新聞デジタル
朝日新聞デジタル
写真娘と過ごす生前の小林真理子さん(2006年撮影、遺族提供)
娘と過ごす生前の小林真理子さん(2006年撮影、遺族提供)
幼い子どもを残してフリーキャスターの小林麻央さんが他界した。子育てをしていてがんと初めて診断される人は年間5万6千人との推計もある。がんで親を亡くす子どもが多い中、がん遺児をサポートする取り組みが始まっている。
がんで親を亡くした子どもの心をケアするNPO法人「AIMS(エイムス)」(東京都)の前身は、胃がんで亡くなった元NHKアナウンサーの小林真理子さん(享年43)が生前の2011年に立ち上げた。
当時、真理子さんの娘は6歳。「自分の死後、まだ十分に思いを周囲に伝えられない娘の心のケアをどうしたらいいのか、小林さんは悩んでいました」。相談に乗っていたカウンセラーで明治学院大名誉教授の井上孝代さん(72)は振り返る。
米などに比べ日本では親を亡くした子どものケアは進んでいないとされる。そんな実情を闘病中に知った真理子さん。AIMS立ち上げの翌月、「この世を無念にも去らざるを得ないパパやママの希望に少しでもなり、残された最愛の子どもたちの心の手助けができれば、幸いです」とメッセージを残して亡くなった。
弟で弁護士の高井伸太郎さんや井上さんらが団体をNPO法人化。現在は、2カ月に1回程度、がんで親を亡くした子どもだけが参加し、悲しみなどをケアするプログラムを開く。
そこでは、子どもたちが、誰を亡くしたかを順に話す。話したくない子どもは話さなくていい。研修を受けたスタッフに見守られるなかで子どもたちはおもちゃで自由に遊ぶ。気持ちを発散してもらうのがねらいだ。同じ境遇の子と知り合えることにも大きな意味があるという。高井さんは「子どもの心をケアする場を増やすことが大切。医療関係者らがつなげていく必要もある」と語る。
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