「かつて命が輝いていた町は、死の町になった・・」我々はこれを見ても、何度でも同じ過ちを繰り返すのだろうか?
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2017年5月13日 お役立ち情報の杜(もり)
2008年8月6日(水)、NHKで放送された番組を紹介します。ウクライナ出身の歌手であるナターシャ・グジーさんが登場し、話をしたあと、歌・演奏をします。
下記、YouTubeビデオのリンクです。
ウクライナ美女が 千と千尋〜 主題歌を熱唱 Nataliya Gudziy sings Spirited Away
以下、書き起こしを記します。
書き起こし始め
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写真(ウクライナ出身の歌手:ナターシャ・グジーさん)
「今日、8月6日は、60年以上前に、広島で悲劇が起こった日です。広島や長崎の悲劇が、まだ終わっていないように、20年以上前に起こったチェルノブイリの悲劇は、まだ終わっていません」
「今から22年前にチャルノブイリ原発が爆発しました。当時、私は6歳でしたが、お父さんが原発で働いていたので、家族全員で原発から、わずか3.5kmのところに住んでいました」
「事故が起こったのは夜中だったので、ほとんどの人たちが、そんなに大きな事故が起きたとは知りませんでした。そのため、次の日は普通に生活していました」
「子供たちが学校に行き、お母さんたちが、小さな子供たちを連れて、一日中、外で遊んでいました。そして、一日中、目に見えない放射能を浴びていました」
「事故のことを知らされたのは、その次の日でした。大したことが起きていません、 でも念のために避難してください、3日間だけ避難してください」
「3日後に必ず帰ってきますので、荷物を持たずに避難してください。そう言われて、 私たちは、みんな、荷物を持たずに町を出てしまいました」
「でも、3日たっても、一ヶ月たっても、そして20年たっても、その町には戻ることがありませんでした」
「子供の頃、毎日遊んでいた美しい森も、たくさんの思い出が詰まった家も、放射能のせいで壊されて、土の中に埋められました。」
「今、そこには、何にも残っていません。かつて、命が輝いていた町は、死の町になってしまいました」
「あの恐ろしい事故で私たちが失ったのは故郷だけではありません。とってもたくさんの人が亡くなっています。私の友達も、何人も亡くなっています。」
「そして当時、私と同じように子供だった人たちが、もう大人になり、結婚したり子供を産んだりしています。そして、新しく生まれてくる赤ちゃんたちの健康にも異常があります」
「人間は、忘れることによって、同じ過ちを繰り返してしまいます。悲劇を忘れないでください。同じ過ちを繰り返さないでください」
「そう願って私は歌を唄っています。この歌も、そんな気持ちでお届けしたいと思います。とってもかわいらしい曲なんですが、とても意味の深い歌詞を持っている曲です」
いつも、何度でも(作詞:覚和歌子)
呼んでいる 胸のどこか奥で
いつも心踊る 夢を見たい
悲しみは 数えきれないけれど
その向こうできっと あなたに会える
繰り返すあやまちの そのたびひとは
ただ青い空の 青さを知る
果てしなく 道は続いて見えるけれど
この両手は 光を抱ける
さよならのときの 静かな胸
ゼロになるからだが 耳をすませる
生きている不思議 死んでいく不思議
花も風も街も みんなおなじ
ラララララララララ・・・・・・・・・
ホホホホルルルル・・・・・・・・
呼んでいる 胸のどこか奥で
いつも何度でも 夢を描こう
悲しみの数を 言い尽くすより
同じくちびるで そっとうたおう
閉じていく思い出の そのなかにいつも
忘れたくない ささやきを聞く
こなごなに砕かれた 鏡の上にも
新しい景色が 映される
はじまりの朝の 静かな窓
ゼロになるからだ 充たされてゆけ
海の彼方には もう探さない
輝くものは いつもここに
わたしのなかに 見つけられたから
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書き起こし終わり
2008年に放送された番組です。この後、2011年3月、日本は、福島原発事故という悲劇を繰り返してしまいました。放出された放射性物質の量は、チェルノブイリ原発事故をはるかに超え、放射線管理区域に何百万人という国民は放置されたままです。放射線測定も健康診断も限定的で、情報隠ぺいに励む原子力マフィアたち。妊婦や子供に対しても、容赦なく帰還推奨しています。非道徳的という言葉でも表わしきれない惨状です。
図(原発事故の避難基準) 出典:阿部憲一氏のフェイスブック投稿資料
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「悲劇を忘れないでください。同じ過ちを繰り返さないでください」という、ナターシャ・グジーさんの思い・祈りは完全に無視されてしまったのです。
日本人は今後、何度でも、同じ過ちを繰り返し続けるつもりなのでしょうか?
以上