国連安保理 北朝鮮対応で米と中ロの立場の違い浮き彫り/nhk
4月29日 7時07分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170429/k10010965951000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_001
北朝鮮による核開発への対応を協議する国連の安全保障理事会の閣僚級会合が開かれ、アメリカが圧力を強化し脅威に対抗すべきだと改めて主張したのに対し、中国やロシアは軍事的な緊張を和らげ対話を通じた解決を目指すべきだと反論して、双方の立場の違いが改めて浮き彫りになりました。
国連安保理の閣僚級会合は、28日午前(日本時間の28日夜)からおよそ2時間にわたって開かれ、安保理15か国の閣僚や政府高官に加え、関係国として韓国も出席しました。
会合では冒頭、国連のグテーレス事務総長が、北朝鮮による核実験と弾道ミサイルの発射を厳しく非難する一方で、関係各国に対して軍事的な緊張を高めず対話による事態の収拾を呼びかけました。
続いて、各国が発言し、議長を務めるアメリカのティラーソン国務長官は「北朝鮮が核兵器でソウルや東京を攻撃する脅威は現実のものだ」と強い危機感を表明したうえで、「すべての選択肢がテーブルの上にあるべきだ」と述べ、北朝鮮が核開発を断念しない限り軍事力の行使も排除しない姿勢を改めて示しました。
このあと岸田外務大臣やイギリスのジョンソン外相、韓国のユン・ビョンセ(尹炳世)外相などが相次いで北朝鮮を非難し、国際社会が一致して圧力を強めるよう訴えました。
これに対して、中国の王毅外相は「軍事力の行使では事態は解決できない」と述べ、アメリカの姿勢に懸念を示したうえで、北朝鮮が核・ミサイル開発を停止するのと引き替えに、アメリカと韓国は合同軍事演習を停止すべきだと提案しました。
また、ロシアのガチロフ外務次官も「軍事力の行使は朝鮮半島と周辺地域に壊滅的な結果をもたらし、絶対に受け入れられない」とアメリカをけん制したうえで、中国の提案を支持し足並みをそろえました。
北朝鮮をめぐる緊張が高まる中でも、圧力の強化を訴えるアメリカと、あくまで外交的な解決を求める中国やロシアの立場の違いが改めて浮き彫りになり、引き続き双方の間で駆け引きが続くことになりそうです。
韓国は米の主張を支持
関係国として会合に参加した韓国のユン・ビョンセ(尹炳世)外相は、15か国の代表のあと発言し、中国とロシアが停止を求めた米韓合同軍事演習について、「自衛的なもので透明性も確保している。北による安保理決議の違反と同一視すべきでない」と反論しました。
また、「先週、北の国連次席大使は、いかなる非核化の協議も成功しないと明言した。こうした状況で対話のための対話は選択肢になりえない」と述べ、圧力を強めるべきだとするアメリカの主張を支持しました。
北朝鮮「今、話すことはない」
北朝鮮のキム・インリョン国連次席大使は会合が終わったあと国連本部に姿を現しましたが、記者団の質問には硬い表情で「今、話すことはない」とだけ述べて、足早に立ち去りました。
岸田外相「断固対応の必要性を確認できた」
岸田外務大臣はニューヨークで記者団に対し、「国連安保理で北朝鮮の非核化に関する閣僚級協議が開催されるのは今回初めてのことだ。国際社会にとって、この問題が喫緊の課題だということを表していると思うし、安保理決議を厳格かつ全面的に履行する重要性やさらなる挑発行為に断固として対応する必要性を確認することができた貴重な機会と評価している」と述べました。
そして、岸田大臣は、北朝鮮への対応をめぐり、「中国、ロシアとわが国の間には温度差があるわけだが、両国とも、今の地域の安全保障環境は厳しいものだということと、北朝鮮の非核化の必要性については言及しており、認識は共有できている」と述べたうえで、中国とロシアは安保理の常任理事国であり、役割は重要だという認識を重ねて示しました。
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