2017年04月01日山口県北西沖で1年ぶりの有感地震発生、過去の傾向から知っておきたいこと
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2017/04/02 地震ニュース
4月1日の22:14に山口県北西沖でM3.2・震度1の地震が発生した。地震の規模自体は小さかったものの、ごく珍しい震源であったという点から注目される(画像はYahoo!天気・災害より)。
山口県北西沖という震源で有感地震が起きたのは約1年2ヶ月ぶりで、前回は2016年2月20日のM3.6・震度1であった。また過去約90年間の記録では今回の地震が17回目であり、およそ5年に1度程度しか有感地震が発生しない場所であると言える。10年単位で同震源における地震発生回数を調べてみるとこうなる。
1931〜1940年 02回
1941〜1950年 01回
1951〜1960年 02回
1961〜1970年 00回
1971〜1980年 01回
1981〜1990年 02回
1991〜2000年 03回
2001〜2010年 02回
2011〜2017年 04回(2017年04月01日まで)
どの年代も10年間で1〜2回しか揺れていなかったのがわかるが、1990年代に3回の地震が起きていたことがわかる。そして2000年代には2回。実はこの2000年代の2回は2003年と2005年であったのだが、興味深いのは2005年に発生していた1月4日のM4.2・震度2のわずか2ヶ月後、2005年3月20日にM7.0の福岡県西方沖地震が起きていた点だろう。
1990年代の地震回数の増加と大地震のわずか2ヶ月前に地震の少ない山口県北西沖が揺れていたのは単なる偶然だったのだろうか。そして、2017年までに既に4回の有感地震を記録しているのは再びの強い地震の予兆である可能性はないのだろうか。
付近では3月19日にも福岡県福岡地方で約1年ぶりとなる有感地震が観測されている。既に紹介した通り(関連記事参照)この福岡県福岡地方も地震の少ない場所であるが、今回と同様2005年の福岡県西方沖地震の際に地震が増加していたことがわかっている。
そしてもしM7.2の地震が起きれば死者1,000名を超えるだろうとも言われる警固断層帯における地震に対しては専門家が「いつ起きてもおかしくない」と指摘している他、2005年の福岡県西方沖地震の前に見られていたカブトガニの大量死が既に2016年に発生しているのだ。
こうした点に照らせば、震度1という小さな揺れであったとは言え、今回の山口県北西沖の有感地震は九州北部における地震への警戒につなげていくべきと言ったほうが良いだろう。