なぜ日本人の給料は上がらないのか? 武田教授が暴露する巨大なウソ
ライフ2017.03.30 703 by 武田邦彦『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』
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「景気が上向かない限り、これ以上の給料アップは願うだけムダ」。このご時世、誰もがそんな風に考えてしまいがちです。しかし、メルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』の著者で中部大学教授の武田先生は、「国や御用学者の嘘を見抜いた上で自分が決意さえすれば、給料は2倍にできる」との驚きの持論を展開しています。いったい私たちは、どんな「嘘」をつかれているというのでしょうか。
決意次第で給料を倍に上げる方法
1960年に池田勇人内閣総理大臣が国会で「所得を倍増する!」と叫んでいるのを見て、当時、学生だった筆者は「そんなこと、できるわけはない。口で言って給料が倍になるなんて、政治家も嘘つきだ」と思ったものでした。
でも、若き筆者は知識もなく、ただ感覚的にそう思っただけでした。事実、それからみるみるうちに日本人の所得はあがり、2倍どころか、1965年から1990年までの長い期間を取ると、実に8.8倍にもなっているのです。
当時は物価も給料もいまとは違う時代ですが、現代風に直すと、22万円の月給が200万円になるのですから、それはずいぶん違います。素晴らしいマンションに住み、車を持ち、好きにコーヒーが飲めるという生活になるでしょう。
そして、それは現代でも夢ではないのです。「自分の給料を2倍にするのは、自分の決意次第」というと奇妙に感じるでしょうが、本当のことなのです。このシリーズでは「わざと自分の給料を上げないようにしている日本人に、『決意さえすれば上がる』という具体的な方法」を示したいと思います。
給料を上げる手段は2段階に分かれます。まず第一段階では、
1.ダマしを見抜いてお金を返してもらう
ということで、その整理ができたら、
2.具体的に給料をあげるようにする
という第二段階に入ります。欺されている状態で給料を上げると、上げた分だけまたダマされて実質的にお金が増えないということになるからです。それでは、はじめます。
財務省や学者がついている「ウソ」とは?
財務省がウソをつけば同じようにウソをつく「御用学者」たち
10年ほど前、テレビで盛んに「子供にツケを回さない」という話がでてきました。その頃のテレビが言っていたのは、「景気が悪く税金が足りない。そこで国は国債を発行して税収の不足を補う」ということが原因で、その結果、「国の借金が1,000兆円にもなるので、国民一人あたり800万円ものツケが残る」と説明され、だから「子供にツケを残さないために、消費税を増税しなければならない」と言われました。
たしかに論理は通っているし、言う人が、財務省だったりNHKのアナウンサーだったりしたので、「それは大変だ。自分達が税金を払いたくないと言って借金し、それを子供たちにツケるわけにはいかない。少しぐらい消費税が増えても我慢しよう」と覚悟をしたのです。それに加えて、ヨーロッパの方で「ギリシャ危機」などが起こり、経済の専門家がテレビで「このまま行くと、日本もギリシャのように財政が破綻してしまう」と脅しました。
財務省、NHK、そして経済専門家の大合唱なのですから、「日本は借金国だ。子供が苦しむ」と考えてもおかしくはありません。まさか、それが消費税増税のための巨大なウソだったなどと考える方が変人だったのです。
でもこんなウソがネットの発達した日本で長く続くわけではないのです。まずは、「日本国」ではなく「日本政府」の借金を調べてみます。これからの説明はおよそ2015年ごろのもので、数字は財務省、日銀などが発表している公的な資料から出したもので、時には高橋洋一先生のような間違いの無い先生が国会などで発表している数値を使っています。
まず、「日本政府単独」の財産状態ですが、「持っているお金(資産)」が、金融関係で500兆円、土地などの固定資産が580兆円で、およそ1,080兆円の資産があります。家庭で言えば、貯金が500万円、土地が580万円というところです。これに対して借金は主として国債で、1,040兆円。差し引き、わずかですが40兆円ほど余っています。
家庭でも同じですが、貯金もあれば借金もあります。若い頃、住宅ローンを借りたときには「借金まみれ」になりますが、老後、家のローンも返したあとは貯金が優先するのも普通に経験することです。政府は大きいので、個人のように簡単に貯金を出したり借金を返したりはできないのですが、それでも実質的に大きな借金がなければ安定しています。
日本がギリシャのようにならない決定的な理由
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また、テレビの専門家がウソをついた一つに「ギリシャのようになる」ということですが、ギリシャの借金は「外国から借りたお金」でそれが返せなくなったのですが、日本政府(日本国ではなく)の借金は日本国民から借りているので、借金の質が違い、「国家が破綻する」こととはまったく無関係なのです。経済専門家はそれはよく知っているのですが、「御用学者」ですから、財務省がウソをつけば自分達もウソをつくという原理原則にそって発言していたのです。
このシリーズの第一の結論、「日本政府は資産と借金がバランスしていて、赤字ではない」ということと、「政府もNHKも経済専門家も平気でウソをつく」、ということです。これをもとに、最終的に私たち国民が豊かになる方法を探っていくことにします。
(次号につづく)
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『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』
著者/武田邦彦(記事一覧/メルマガ)
東京大学卒業後、旭化成に入社。同社にてウラン濃縮研究所長を勤め、芝浦工業大学工学部教授を経て現職に就任。現在、テレビ出演等で活躍。メルマガで、原発や環境問題を中心にテレビでは言えない“真実”を発信中。
http://www.mag2.com/p/news/244549/3
やはり日本の「バブル景気」は始まっている!2つのシグナル=児島康孝
2017年3月26日 ニュース
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国交省が発表した公示地価によると、商業地で最も高い銀座4丁目が前年比25.9%上昇の1平米=5050万円に。今の日本には、これ以外にも明らかな「バブルの兆し」が複数見られます。(『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』児島康孝)
押し目は絶好のチャンス。日本は明らかにバブル景気に向かっている
兆候(1)公示地価が商業地で2〜3割上昇も
商業地で最も高かったのは、銀座4丁目の「山野楽器銀座本店」です。前年比25.9%上昇の、1平方メートル=5050万円でした。
また、同じく商業地で価格3位の銀座2丁目「明治屋銀座ビル」も前年比28.9%上昇して、1平方メートル=3700万円。商業地の価格4位の銀座7丁目「ZARA」も27.1%上昇、1平方メートル=3660万円です。
※商業地の価格2位「銀座5丁目」は前年比なし、1平方メートル=4300万円。
こうした高価格の商業地で2割から3割近い上昇というのは、価格のボリュームを伴っていますから、本物です。
また、商業地の変動率だけでみますと、大阪の道頓堀1丁目「づぼらや」が41.3%上昇の1平方メートル=400万円。宗右衛門町46番の「CROESUS(クリサス)心斎橋」が35.1%上昇の1平方メートル=1290万円です。
このように、東京や大阪の商業地で、2割から3割以上の上昇があるということは、バブルの始まりを示しています。
一般庶民には、まだ波及していないが…
一般庶民にはまだバブル景気は波及しておらず、戦後最悪レベルの厳しい経済状態が続いています。ですが、日本経済の方向としては、バブル景気に向かっています。
※2016年参考記事「日本は、バブル景気へと向かう」
※2016年参考記事「日本は、バブル景気へと向かう2」
※2016年参考記事「暴落は、熱狂の中で起き、バブルは不安の中で起きる」
以前、上記のメルマガで書いた時は「本当かな?」と思われたと思いますが、商業地の2割、3割の上昇で、バブル景気は明らかになってきました。これは、超長期の景気サイクルが上昇転換しているためで、大きな経済クラッシュは今後30年程度はないでしょう。
※参考記事「超長期の景気循環、コンドラチェフサイクル」
※参考記事「大きな経済危機は、もう来ない」
誤解がないように補足しますと、超長期の景気が上昇していた1945年〜1990年の日本にも不況はありました。しかし、今後数十年の日本は、山一證券や長銀、日債銀がつぶれたり、リーマンショックがあったような大きな経済危機はないだろうという意味です(もちろん通常の不況期はあります)。
日本では、雇用の派遣労働化や企業の内部留保の問題で景気の上昇が遅れていますが、時間の経過とともに好況が訪れるでしょう。
Next: 兆候(2)あのラーメンの『一風堂』にもバブル景気のシグナルが
兆候(2)『一風堂』の初値2230円、
バブルといえば、新規上場株の初値が高額になるのが特徴です。
先日IPOしたラーメンの『一風堂』(力の源ホールディングス<3561>)は、マザーズ上場初日は買いが殺到して値がつかず、2日目に2230円で初値。公募・売り出し価格が600円なので、約3.7倍。これを単純化しますと、60万円が223万円になった、600万円が2230万円になった、ということです。
もちろん、保有する株式の数によって実際の具体的な金額は異なるわけですが、カネがカネを生みはじめているわけです。
力の源ホールディングス<3561> 15分足(SBI証券提供)
前述の「銀座一等地」は、さすがに売買単位が大きいですが、商業地の売買に比べて金額が小さめの株式売買でも、バブルの兆候がはっきりと現れているのです。
懸念(1)でも、アメリカ経済は大丈夫?
週末の市場は、アメリカでオバマケアの代替案が可決されるか否決されるかが、注目を集めていました。結果は、可決は厳しいとして採決見送りになりました。
オバマケアの代替案の見送り自体は、それほどアメリカの景気に影響はありません。しかし、トランプ政権が今後の景気対策でも難局を繰り返すのではないかと、ニュース報道では危惧されています。
とはいえ、景気対策では共和党も一致してくるでしょうから、景気対策ではあまり危惧する必要はないでしょう。
これまでは反トランプの国民が声を上げていましたが、あまり議会の抵抗が続くと、従来とは逆に、トランプ大統領に政策を進めてほしい国民が声を上げ始める可能性もあります。
アメリカについては、こうして、これから景気が上昇した後、2017年の終わりごろからは、景気が一時的に停滞するという景気サイクルにそった動きとなりそうです。
Next: 一方、日本は明らかにバブル景気に向かっている。直近の注目点は?
結論:日本は明らかにバブル景気に向かっている
日本は、明らかにバブル景気に向かっています。多くの国民にとっては、まだ恩恵はないのですが、銀座の商業地の地価上昇や、新規公開株の高い初値など、特徴ははっきり出ています。
これからは、1990年のバブル崩壊後にその先の不況がどうなるかまったくわからなかったように、景気上昇についても予想外の動きとなりそうです。
つまり、時間の経過とともに、考えられないくらい景気が良くなることがあり得るということです。
ただし、金融機関の貸し渋りが解消してマネーが行き渡るようになれば景気の上昇は早いのですが、まだ不動産取引以外はそうはなっていないので、時間はかかるでしょう。
これまでのデフレ不況があまりにも長かったので、金融機関の貸し渋りと非正規雇用の問題が長引いており、景気回復をなかなか実感できないわけですが、銀座の地価や新規公開株にみられるように、景気上昇のエネルギーとマネーのエネルギーは高まってきています。
マーケットも、短期的な上下の動きはあっても、長期的な景気サイクルの上昇を徐々に織り込んでゆくでしょう。
2017年の年央(6月ごろ)までの予想としては、為替は円高傾向。ドルの「ひっ迫感」が薄れ、ドル安となりやすいためです。株式は上下動。政局が絡むと、株式市場も、期的な振幅が大きくなる可能性はあります。
それでも、その後2017年の年央からは、為替は円安、株価も上昇となりそうです。
【関連】今のトランプラリーはきたる「超大型バブル相場」の前哨戦なのか?=藤井まり子
【関連】逆説の日本復活論。「トランプの関税」は我が国を再びバブルに導くか=児島康孝
【関連】「日本のホワイトカラーは生産性が低い」という都市伝説に騙されるな=児島康孝
http://www.mag2.com/p/money/162869/3
世界に誇る「日本の科学技術力」はなぜ凋落したのか?真犯人
内閣官房参与 藤井聡
2017年3月30日ニュース
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記事提供:『三橋貴明の「新」経世済民新聞』2017年3月28日号より
※本記事のタイトル・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部によるものです
【関連】さらに貧困化する日本人。「エンゲル係数急騰」本当の理由=内閣官房参与 藤井聡
このままデフレが続けば、日本人のノーベル賞受賞者はゼロになる
資源の無い国は「科学技術力」が必要不可欠
資源大国は、その資源を外国に売るだけで暮らしていくことができます。しかし、日本の様な資源の無い国は、それだけでは暮らしていけません。
「海外に輸出」できるだけに十分な「付加価値」を、そして、「輸入品に負けないだけの財やサービスを作り出す」ために十分な「付加価値」を作り出す必要があります。つまり、「海外マーケットのシェアを取るための『付加価値』」のみならず、「日本国内マーケットのシェアを海外勢に奪われないための『付加価値』」を生み出すことが求められているのです。
そして、その「付加価値」を生み出すために必要不可欠なのが「科学技術力」です。「科学技術力」こそが、自動車産業や化学製品産業、家電産業やインフラ産業等の根幹にあり、それが、日本の産業競争力を向上させてきたのです。
わが国は間違いなく、この「科学技術力」については世界一流の水準を維持し続けてきました。下記の図は、各国の科学技術力を表す主要指標の1つである「論文数のシェア」の推移のグラフです。
主要国等における論文数シェアの推移
出典:文部科学省
http://d16tvlksr2me57.cloudfront.net/p/money/wp-content/uploads/2017/03/29210105/170330hujiisatoshi_1.gif
ご覧の様にわが国は80年代、着実に科学技術力を伸ばしていました。そして99年〜2000年ごろにピークを迎えます。この頃、全世界の論文の10%を、たった1億2千万人しかいない日本人が生み出していました。そしてそのシェアは世界2位の位置を占めていました。
しかし、それ以降右肩下がりに下がっていきます。そして、2008年時点でシェアは7%、ランキングも世界5位にまで下がっています。
さらに最新のデータによれば、2008年以降、その凋落に拍車がかかっているとのこと。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170323/k10010921091000.html
2015年次点の日本の論文数シェアは、ついにピーク時の半分である5%を下回る状況に至っています。
http://gigazine.net/news/20170327-japanese-research-decline/
Next: 日本の科学技術力を凋落させた「本当の真犯人」とは?
豊かな国しか科学技術力を進歩させられない
日本の科学技術力の凋落は目を覆うばかりのもの――ですが、この推移、どこかで目にした気がしませんか?
――そうです、「我が国のGDP(名目値)の推移のグラフ」です。
こちらは、GDPのシェアの推移。
http://ameblo.jp/gensinhedge/image-11232044725-11933752817.html
ご覧の様に、1995年をピークに、論文数の推移とよく似た形状で推移していることがわかります。
ちなみに、アメリカや中国の論文数シェアの推移も、このGDPシェア推移とよく似た形で推移しています。つまり、今日の科学技術力は、GDPが増えれば増え、減れば減るというプロセスで決まっているのです(なお、両者の間には、数年の時間遅れ(ラグ)があります。これは、一般に研究をやってから論文にまとまって出版されるまで、数年の時間を要するのが一般的だからです)。
また論文数シェアはGDPシェアに依存しているという実証的知見は、かねてから指摘されているものでもあります。つまり、豊かな国しか科学技術力を進歩させられないという次第。
http://www.asyura2.com/15/hasan101/msg/458.html
なぜそうなっているのかと言えば、現代の科学技術の発展には、「大規模な実験施設や研究組織が必要」だからです。オカネがある国では、いい施設が提供され、十分な報酬の下、多くの優秀な人材が研究界に投入されていき、科学技術も発展していく、という次第。
ただし、それに加えて、科学技術の発展には「それぞれの国の産業界で、その科学技術がどれだけ直接的に需要されているか?」ということが重要であることも主要な理由です。
日本では新しい技術が実業界で活用されない
実際、筆者が科学技術活動に従事している学術分野では、確かに90年代前半までは新しい技術開発は即座に実業界で活用されていく実感があったのですが、日本がデフレ化した90年代後半以降、実業界でそれが活用されるケースが極端に減っていきました。
例えば、「橋梁」の現場では今や、新しい技術開発の需要は低迷し、とにかく旧来型の工法で安く大量生産する風潮が支配的と聞き及んでいます。これでは日本の橋梁技術の進歩が停滞していくのも必然です。
さらには、世界各国の鉄道輸出競争で日本勢の敗北が目立つようになっていますが、それも日本で鉄道建設の現場が減ってきているのが大きな原因です。現場がなければ、技術は磨かれないのです。
筆者の学位研究であった「計量経済分析に基づく都市活動の需要予測技術」についても、90年代前半までは実務適用現場が国内にも多くありましたが、2000年代に入ってから全くと言っていいほど、新規技術が需要されなくなりました。つまり、デフレがあらゆる「技術の現場」を殺し、それを通して、「科学技術力の発展」が停滞していったのです。
しかも、デフレのために税収が減ったあおりを受けて、あらゆる研究現場で予算カットが横行しているにも関わらず、「質の高い成果をより多く生み出すべし」という要求が政府から突きつけられています。結果、ほとんどの大学・研究組織では今、「ポスト削減」と「改革」の嵐が吹き荒れています。そして、大学教員はこの「改革疲れ」のために、研究活動のための時間も予算も、そしてそのための情熱も失いかけているのが実態です――。
そしてこうした流れを受け、少なくとも筆者が関わる様々な「学会」では、2000年代頃から真理やさらなる技術を追究しようという活力が急速に低迷し、ニヒリズム(虚無主義)が蔓延していった様を鮮明に記憶しています。
ですから、今でこそ日本はノーベル賞をたくさん受賞していますが、これは全て過去の遺産。今のデフレが継続すれば、10年後、20年後には、それも見られなくなるのは明らかです。
そして、このまま日本の科学技術力が低迷していけば、日本の衰退は必定です。繰り返しますが、「資源の無い国日本」は、「付加価値」を生み出し続ける力が不可欠であり、その根幹に「科学技術力」がどうしても必要だからです。
Next: 日本のGDPが衰弱した原因は「デフレ」と「緊縮財政」思想だ
日本のGDPが衰弱した原因は「デフレ」と「緊縮財政」思想だ
そもそも、GDPがいま衰弱しているのは、「デフレ」が原因です。そして、その「デフレ」をいつまでも長引かせているのは、90年代後半から我が国政府を支配している「緊縮財政」思想です。そしてその具体的象徴が、支出カットと増税をもたらす「プライマリーバランス(PB)制約」です。
これらを総合的に踏まえれば、次のようなプロセスで、プライマリー・バランス制約に象徴される緊縮財政すなわち「PB緊縮財政」が、科学技術力の凋落と、それを通した「日本を衰弱」をもたらそうとしているのは火を見るより明らかです。
PB緊縮財政 → デフレによるGDPの凋落 → 科学技術力の凋落 → 日本のさらなる衰弱
我が国政府が、目先の論文数の減少に「あたふた」して、木を見て森を見ないままに付け焼き刃的な「改革」を進める愚を避け、マクロ経済も視野に納めた「大局」的な視座から適切な科学技術政策を展開されんことを、心から祈念したいと思います。
※追伸:「現代日本のあらゆる問題の根底に、デフレがある」――という真実にご関心の方は、是非、下記をご一読ください。
https://www.amazon.co.jp/dp/4794968248/
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http://www.mag2.com/p/money/164559/3
http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/623.html