関東地方の今年1月と2月の地震の起こり方は、昨年の11月、12月の地震の起こり方と大きな違いは無かったのですが、この3月は前半と後半で大きく地震の起こり方が変化しています。その意味で、今までとは全く変わった状況に関東地方が入りつつあると思います。
三月前半は、7日間、全く陸域も海域も震度1以上の地震発生がなく、かつ陸域の地震が一件しか発生しなかったのです。
以下の地震発生数は3月29日19:00現在でのものです。
1月分:31件(陸域:20件、海域:11件)・(震度1:23件:74%)・(M4以上:4件:13%)
2月分:43件(陸域:25件、海域:18件)・(震度1:27件:63%)・(M4以上:7件:16%)
3月分:33件(陸域:16件、海域:17件)・(震度1:22件:67%)・(M4以上:3件:9%)
月間で見ると、3月は1月や2月とあまり変化はありません。しかし、関東地方で最も回数が多く発生している茨城県の陸域の地震を例にとります。
1月の陸域地震と全地震への茨城県陸域の地震の割合:85%−55%
2月の陸域地震と全地震への茨城県陸域の地震の割合:84%−49%
3月の陸域地震と全地震への茨城県陸域の地震の割合:69%−33%
ですが、問題は、次のことです。
3月の陸域地震と全地震への茨城県陸域の地震の割合:00%−00%(3月1日から3月16日)
3月の陸域地震と全地震への茨城県陸域の地震の割合:73%−55%(3月17日から3月28日)
関東地方の、震度1以上であった地震(つまり、テレビやラジオで報道される地震)の3月のものは次の通りです。
2017年3月1日 9時44分ごろ 茨城県沖 3.8 1
2017年3月1日 21時09分ごろ 千葉県東方沖 3.4 1
2017年3月5日 10時19分ごろ 千葉県北東部 4.7 3
2017年3月5日 10時33分ごろ 千葉県東方沖 3.3 1
2017年3月5日 13時18分ごろ 千葉県東方沖 4.3 2
2017年3月5日 16時39分ごろ 千葉県東方沖 3.5 1
2017年3月13日 14時13分ごろ 千葉県東方沖 3.6 2
2017年3月14日 3時54分ごろ 千葉県東方沖 3.8 2
2017年3月14日 15時13分ごろ 父島近海 4.3 1
2017年3月14日 19時19分ごろ 伊豆大島近海 2.4 1
2017年3月15日 16時30分ごろ 千葉県東方沖 3.8 2
2017年3月16日 2時05分ごろ 茨城県沖 3.7 1
2017年3月16日 19時05分ごろ 千葉県東方沖 3.5 1
***************************
合計13件、陸域;1件、海域:12件(内、千葉県東方沖が8件)(陸域の地震1件の内、茨城県の地震は0件、よって0%。)
2017年3月17日 22時00分ごろ 茨城県南部 3.9 2
2017年3月19日 20時35分ごろ 千葉県北西部 3.5 1
2017年3月22日 0時15分ごろ 千葉県南部 3.4 1
2017年3月22日 4時07分ごろ 父島近海 3.9 1
2017年3月22日 18時01分ごろ 茨城県沖 2.8 1
2017年3月22日 19時00分ごろ 埼玉県南部 2.8 1
2017年3月22日 22時50分ごろ 千葉県北東部 3.7 2
2017年3月22日 23時47分ごろ 茨城県沖 3.9 2
2017年3月23日 4時51分ごろ 茨城県沖 3.5 1
2017年3月23日 5時12分ごろ 茨城県南部 2.6 1
2017年3月24日 1時30分ごろ 茨城県南部 4.0 2
2017年3月24日 2時22分ごろ 茨城県南部 3.0 1
2017年3月25日 13時27分ごろ 伊豆半島東方沖 1.6 1
2017年3月25日 20時25分ごろ 茨城県北部 2.7 1
2017年3月27日 14時31分ごろ 茨城県北部 3.8 2
2017年3月27日 20時22分ごろ 茨城県北部 3.7 2
2017年3月27日 21時08分ごろ 茨城県北部 2.8 1
2017年3月27日 22時31分ごろ 茨城県北部 3.2 1
2017年3月28日 19時28分ごろ 茨城県南部 3.0 1
2017年3月28日 21時37分ごろ 茨城県南部 3.0 1*
合計20件、陸域:15件、海域:5件、陸域地震15件の内茨城県の地震が11件。その他の4件の内3件は千葉県。
陸域の地震が3月前半に極端に少なかっただけでなく、3月前半は海域:12件の内、千葉県東方沖が8件もあり、67%が千葉県東方沖、つまり、犬吠埼沖での地震であったのです。そればかりか、3月後半は千葉県東方沖地震の発生が止まっているのです。千葉県東方沖地震は、房総半島東方沖に海山が沈み込んで、そこへ圧力が加わった結果起こる地震ではないかと思います。
このころから、自分には、房総半島東方沖の日本海溝から沈み込んだ海山に大きな圧力がかかり、この海山が破壊されることで311大地震と同規模か、またはより大きな地震が発生するのではと考えています。
ただ、まだその発生にはある程度の時間があり、その前に、陸域や海域でM6からM7地震があると思います。
以下の記事は、311大地震が日本海溝へ沈み込んだ海山の破壊で発生したという論文の紹介とそれを関東に応用するとどうなるかを述べたものです。
以下は、カルト板へ
[nfml:7897] 近い将来起こるであろう関東地方での大地震の起こり方の予測
http://www.asyura2.com/16/cult17/msg/783.html
投稿者 taked4700 日時 2017 年 3 月 28 日 09:59:05
として、投稿させて頂いたもののそのままの引用です。リンクを新たに見るよりも、このまま見れる方が簡単でしょうから、リンクではなく、引用をさせて頂きました。
以下、引用
311大地震は三陸沖の日本海溝から大陸棚の下へ滑り込んだ海山がプレート境界
で引っかかり、それが一気に破壊された結果起こったという論文が書かれています。
その報道記事が「震災の原因は沈んだ海山? 引っかかってエネルギー蓄積」(
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201110090183.html )です。論文そのも
のは、http://link.springer.com/article/10.5047%2Feps.2012.01.004 にありま
す。
宮城県石巻市とほぼ同じ緯度の日本海溝の西側(東北地方側)にほぼ接して見える
直径60キロ程度のでっぱりがそれである様子で、googlemap( https://www.google.
co.jp/maps/place/%E5%8D%83%E8%91%89%E7%9C%8C/@35.500323,139.7498744,934868m/
data=!3m1!1e3!4m5!3m4!1s0x60229b5fd61b9511:0x1cb677dbffe07bbe!8m2!3d35.60505
74!4d140.1233063 )の右下の縮尺を2cmで50kmぐらいにすると、このでっぱ
りが観察できます。
問題は、このでっぱりよりもよりきつく固着しているように見えるでっぱりが犬吠
埼の沖合にあることです。犬吠埼の東南東の方向に50キロ程度離れた見えるでっぱり
で、日本海溝のすぐ西側(関東平野側)に見えるものです。このでっぱりのすぐ南側
に東西方向に走る溝が見えます。この溝は九十九里浜の沖合に見える浅い大陸棚にあ
るかなり大きな亀裂につながっています。断言は出来ませんが、過去、繰り返し、こ
のでっぱりが大規模に西へ動くことでこれらの溝が作られてきた可能性があるのでは
ないでしょうか。つまり、311大地震が起こった現在、関東平野に影響を与える最
大の地震として考えられるのは、犬吠埼沖のこのでっぱりが、311の時の石巻の東
方沖のでっぱりが破壊されたのと同じように破壊されて起こる地震であるのではない
のでしょうか。もし起これば、その影響は311大地震をはるかにしのぐものになる
はずです。311大地震よりも陸域に近く、かつ、人口密度もはるかに高いからです。
犬吠埼の沖合10キロぐらいまでの範囲で震源深さの浅い、正断層型の地震が数多く
起こっています。この様子は、Hi-net自動処理震源マップ(
http://www.hinet.bosai.go.jp/hypomap/mapout.php?_area=EXP12&_period=30days&r
n=37133 )で見ることが出来ます。この震源の浅い正断層型の地震が、上で述べた
でっぱりの西側で起こっているわけですから、沈み込んだ海山の上部が東向きに力を
受け、その結果、海山の西側の麓が持ち上がることで起こっているという解釈が出来
るのではと思います。犬吠埼の沖合の浅い微小地震は311大地震前から常時起こっ
ていましたが、311後多発する傾向があります。
311前後で地震の起こり方が全く変わった地域があります。それは福島県と茨城
県の県境の沿岸部に近い陸域です。震源の浅い微小地震(
http://www.hinet.bosai.go.jp/hypomap/mapout.php?_area=EXP08&_period=30days&r
n=22490 )が起こっています。これも、犬吠埼沖の微小地震と同じく正断層型で
す。そのため、やはり、沈み込んだ海山の麓が持ち上げられていて正断層型の地震が
起こっているという解釈が出来るかも知れませんが、海底のでっぱりとの距離が離れ
すぎているため、茨城県と福島県の県境に、沈み込んだ海山が位置していて、その頂
上が西向きに動くことで発生している正断層型地震だと思います。
地震と海山の関係について2008年に発表された論文「海山に起因する弱いプレート
間カップリングと繰り返し発生するM7級地震との関係」(
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/people/kimi/Projects/Ibaraki.html )は311大
地震が起こる3年ほど前の知見であり、茨城県沖の日本海溝に沈み込みを始めている
鹿島第一海山のより西側(茨城県側)にある海底のでっぱりについての研究です。そ
こで述べられている「(1)海山が沈み込むことによってその基底部に応力が集中し、
その前方に比較的弱いプレート間の固着を持つアスペリティを形成していること、さ
らに(2) 海山上のプレート境界はこれまで予測されていた性質とは異なり、固着強度
が弱い(すなわち海山自身はアスペリティにはならない)と考えられること」は、869
年貞観地震以来三陸沖での太平洋プレートの沈み込み抑制が起こっていた期間に計測
されたデータから導かれたものですから、2011年311大地震で太平洋プレートの沈
み込み抑制が終了した現在、海山本体が破壊されてM9規模の地震が犬吠埼の東方沖
で起こる可能性を否定するものでは無いと思います。つまり、太平洋プレートからの
沈み込み圧力が弱い状態では、海山と言う比較上他の部分よりも硬い岩盤は破壊され
ず、そのため「海山自身はアスペリティにはならない」ということであり、太平洋プ
レートの沈み込み圧力が強くなれば海山自体が破壊され得ると思います。太平洋プ
レート上にあった海山は火山であり、火成岩ですから、普通の海底にある堆積岩、つ
まり、火山灰などが堆積してできた岩石よりも硬いはずです。まして、海溝の陸より
にある陸のプレートは海底に積もったプランクトンなどが混じった堆積岩ですから火
山を構成する火成岩よりも格段に柔らかく、そのため、大陸棚の下へ潜り込んだ海山
の地形がでっぱりとなって海底表面に観察ができるのでしょう。なお、「(1)海山が
沈み込むことによってその基底部に応力が集中し、その前方に比較的弱いプレート間
の固着を持つアスペリティを形成していること」については、陸のプレートに対して
海山が載っている海のプレートの沈み込み圧力が小さい、または、沈み込み速度が遅
い場合の現象であると思われます。なぜなら、非常にゆっくりと海山から陸のプレー
トへ圧力が伝わるため、海山全体が東側(ハワイ側)へ傾くような状態になり、その
結果、海山の西側の麓付近にゆがみが発生するはずだからです。海のプレートの沈み
込み圧力が大きい場合も同じような現象が起こる可能性がありますが、麓が破壊され
る前に海山の上半分程度が破壊されてしまい、海のプレートの大規模な沈み込みが起
こるはずです。(伊豆・小笠原海溝の西側にある海山は火成岩と言うよりも蛇紋岩で
出来ています。太平洋プレートが沈み込み、マグマが上昇してくる過程で蛇紋岩が出
来て、それが浮き上がった結果出来た海山ということです。)
日本だけでなく世界的に地殻変動が激しくなっている様子ですが、日本は、やは
り、2011年3月11日のM9地震(311大地震)が大きな結節点でした。311大地
震で三陸沖から太平洋プレートが大きく東日本の陸域の地下へ滑り込み始めたので
す。869年貞観地震以来、三陸沖からの太平洋プレートの陸域の地下への滑り込みは
停止していたはずで、311の大地震は、それが再開したという意味でとても大きな影
響を日本列島の地震の起こり方へ与えていると思います。
今切迫しているのは、日本海溝での311の割れ残り、つまり、311で滑ったと
ころの北側である青森県や北海道の東方沖、そして、南側である茨城県から千葉県の
東方沖での太平洋プレートの大規模な滑り込みのはずです。
12月24日に北海道で次の地震が発生しました。
http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/20161224184036.html
発生時刻 2016年12月24日 18時40分ごろ
震源地 上川地方南部
緯度 北緯43.5度
経度 東経142.5度
深さ 180km
マグニチュード 4.1
震度1
北海道 十勝大樹町
青森県 階上町
上川地方南部(
http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/?e=127 )の地震は2004
年春以来8回しか地震が起こっていませんが、上の地震以外は浅い所で起こった地震
です。しかも、2013年4月19日のものが10キロである以外、6回は「ごく浅い」地震で
す。
上川地方南部は180キロと言う深さと逆断層型であったことから、北海道の東方沖
でのかなり大きな地震が近いうちに起こることを示唆しているはずです。または、北
海道の陸域での噴火が数年から10年程度で起こる可能性もあります。100キロから150
キロ程度の深さまで海のプレートが沈み込むとマグマを発生させることが多いからで
す。実際、Hi-net自動処理震源マップの「最新30日間」(
http://www.hinet.bosai.go.jp/hypomap/mapout.php?_area=HOKKAIDO_MAP&_period=3
0days&rn=58977 )を見ると、北海道の北西部にかなりの数の青いドット(深発地
震)が表示されるようになってきています。これらの青いドットの大きさからマグニ
チュードを推測すると、多くがM3以下です。つまり、上川地方南部のM4.1はかな
り大きな深発地震であるのです。
311大地震での割れ残りの北の方である北海道での大地震がなくとも、関東地方
での大地震は切迫していると思いますが、もし、仮に北海道で大地震が起これば、い
よいよ関東での大地震が切迫していることになります。
三重県とか愛知県の沖合で発生している深発地震も富士山あたりでマグマを発生さ
せているはずです。311前は現在のように深発地震がこの地域に集中していず、3
11後からこの地域に集中して震源深さが200キロ以上の地震が起こり始めたはずで
す。Hi-net自動処理震源マップの「日本全国広域」・「最新30日間」(
http://www.hinet.bosai.go.jp/hypomap/mapout.php?_area=EXPJPW&_period=30days&;
rn=90703 )で、青いドットが三重県・愛知県沖から南南東方向へ1000キロ以上に
渡って帯状に表示されていることを確認してください。(なお、
http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/bulletin/index.html で1997年10月以
降の月ごとの日本全国広域の震源マップを見れます。しかし、ここで表示されている
三重県沖から東南東方向へ伸びる青いドットは311後の様子とかなり似ていて、自分
が311前にHi-net自動処理震源マップで見ていたものとは印象が異なります。震源
深さの区分けが異なるのかも知れません。)
関東地震は必ず10年しないうちに起こります。関東地震が最初であり、その後、富
士山噴火と東海地震が起こります。富士山噴火は東海地震とほぼ同時でしょう。
「10年しないうち」の意味は2021年までということです。根拠は次の通りです。
1.869年貞観地震の9年後に相模・武蔵地震という関東大震災が起こっていること。
更に9年後の887年に仁和地震という南海トラフ大地震が発生しました。
2.貞観地震で三陸沖から東北地方の陸域の地下への太平洋プレートの沈み込みは停
止したはずです。もちろん、一気に完全に停止することは有り得ず、ゆっくりと沈み
込みが不活発になったと言うことでしょうが、ともかく、869年貞観地震で東北地方
の東側の日本海溝からの太平洋プレートの西への沈み込みは抑制されたのです。それ
でも、関東地方で878年相模・武蔵地震が発生しました。311大地震では太平洋プレー
トの東北地方の地下への沈み込みが再開されたのですから、より短い期間で関東地方
での大地震が起こるはずなのです。このことには、いろいろな不確定要因がありま
す。最も大きいのは、869年貞観地震の前にどの程度太平洋プレートの関東地方の地
下への沈み込みがあったかということです。ただ、869年貞観地震で太平洋プレート
は大きく沈み込んだのですから、それ以前の沈み込み量は無視してもいい程度である
可能性が強いと思います。関東地方では869年以降もかなりの数の大地震が起こって
きています。当然、869年以前はより高頻度で地震が起こっていたはずであり、800年
前後にある程度大きな関東地震が起こっていた可能性があるのです。不確定要因のも
う一つの大きなものは、房総半島南東沖の三重会合点以南の太平洋プレートの沈み込
みがどの程度活発化しているかです。869年貞観地震の時も、2011年311大地震の
時も、この地域での沈み込み活動がどの程度なのかははっきりしません。ただ、2015
年5月30日の小笠原諸島西方沖のM8深発地震が起こっていることから、現在、この
地域での太平洋プレートの沈み込みはかなり活発化しています。
太平洋プレートが関東平野の東側の日本海溝から西へ大きく沈み込み、それが関東
平野の南側からのフィリピン海プレートの沈み込みを引き起こすことで関東大震災が
発生します。神奈川県から東京都、埼玉県、茨城県、千葉県と言う非常に広い範囲が
一気に被災する広域大震災になるはずです。なぜなら、断層面が関東平野の地下に広
く、ある程度水平に近い傾きで広がっているからです。関東平野のかなり広い地域
で、数メートルは海のプレートが一気に動くはずで、プレート境界では無数の噛み合
いがほとんど同時に破壊され、それぞれが地震波を発生させ、地表付近では地震波が
互いに重なり合い、強さが何倍にもなるからです。
富士山噴火は、多分、864年貞観噴火の時のようなマグマ噴火にはならず、1707年
宝永噴火のように火山灰を大量に噴き出すマグマ水蒸気噴火になるはずです。宝永噴
火は1707年宝永地震(
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9D%E6%B0%B8%E5%9C%B0%E9%9C%87 )の49日
後に発生しました。宝永地震は南海トラフ大地震であり、東海地震、東南海地震、南
海地震が連動発生したものとされています。869年貞観地震以来、日本海溝からの太
平洋プレートの沈み込みが抑制されていたため、マグマの生成があまり行われず、そ
のためにマグマ噴火にはならなかったのです。宝永地震で富士山直下10キロ程度のと
ころにあるマグマだまりが激しく揺さぶられ、また宝永地震発生でマグマだまり自体
がある程度圧縮されて、炭酸飲料が炭酸ガスを噴き出すのと同じように火山ガスが大
量に吐き出されるマグマ水蒸気噴火となったのです。311後の現在は、富士山のマ
グマだまりに大規模なマグマ噴火を起こすほどのマグマはまだ溜まっていないはず
で、そのため、将来の東海地震でマグマだまりが揺すられた結果のマグマ水蒸気噴火
になると思います。ただ、関東大震災での揺れで火山ガスが大量に発生し、それがあ
る程度の規模のマグマ水蒸気噴火につながる可能性も十分にあります。そうであって
も本格的なマグマ水蒸気噴火は東海地震以降のはずです。
なお、富士山噴火を予測する根拠の一つとして、神奈川県西部の微小地震活動が近
年飛躍的に増加していることがあります。
http://www.onken.odawara.kanagawa.jp/modules/t_data0/index.php?id=10 に神奈
川県西部と箱根近辺の1989年から2015年までの年別の震源分布が載っています。2015
年のもの( http://www.onken.odawara.kanagawa.jp/files/dat/ha15.jpg )を
2010年のもの( http://www.onken.odawara.kanagawa.jp/files/dat/ha10.jpg )
と比較すると、非常に2015年は微小地震が活発化していることが分かります。
フィリピン海プレートは広く千葉県や関西、四国、九州の太平洋側から北西方向へ
沈み込んでいます。この沈み込み帯を南海トラフと呼んでいます。そのため、南海ト
ラフ地震は静岡県沖から四国沖までの1000キロ以上にわたる広域での地震を指してい
ます。南海トラフ地震の一部として、静岡県沖あたりの東海地震、愛知県から三重県
あたりの東南海地震、より西側の南海地震があります。前回の南海トラフ地震は1944
年の昭和東南海地震と1946年の昭和南海地震でした。つまり、東海地震は前回発生し
ていません。そのため、次の南海トラフ地震では東海地震が起こる可能性が強いので
す。
伊豆半島はもともとははるか南洋にあり、それがフィリピン海プレートの沈み込み
に伴って現在の位置に衝突したとされています。伊豆半島の衝突によって現在でも丹
沢などが隆起しています。つまり、伊豆半島の本州への衝突でフィリピン海プレート
の沈み込みは抵抗を受けていて、そのため、伊豆半島の東西でフィリピン海プレート
の沈み込み方向が多少異なっています。伊豆半島の東側(関東平野側)では北北西
へ、伊豆半島の西側(静岡県側)では北西方向へ沈み込んでいるのです。ただ、どち
らもほぼ同じ方向であるため、一方が沈み込めば、他方もそれにつられて沈み込むの
です。よって、関東大震災でフィリピン海プレートが大きく沈み込めば、伊豆半島の
西側、静岡県側でもフィリピン海プレートが沈み込み、東海地震が発生します。これ
が関東地震に続いて東海地震が発生する理由です。
1707年宝永地震も1703年元禄地震( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%83%
E7%A6%84%E5%9C%B0%E9%9C%87 )に後続して発生しています。1703年元禄地震は1923
年関東大震災よりも規模の大きな地震であったと考えられていて、房総半島南東沖に
ある三重会合点から伊豆半島の東側の根元に伸びる相模トラフ(
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E6%A8%A1%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%95
)の相模湾外の部分、つまり、房総半島の南東側が活動した地震であるようなので
す。なお、1923年大正関東大震災(
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E6%9D%B1%E5%9C%B0%E9%9C%87 )では相
模トラフの内、相模湾内の部分が破壊されて大地震になったようです。
相模トラフ巨大地震( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E6%A8%A1%E3%
83%88%E3%83%A9%E3%83%95%E5%B7%A8%E5%A4%A7%E5%9C%B0%E9%9C%87 )は、1703年元
禄地震で三重会合点から房総半島南端程度までの範囲が破壊され、1923年大正関東大
震災で房総半島南端から伊豆半島の根元付近までの範囲が破壊された様子です。つま
り、相模トラフは1703年以降現在までに、全域が破壊されたことになります。
上に述べたこと、つまり、関東平野の東方の太平洋プレートの沈み込み帯が三重会
合点の南北両方でかなり活発化していること(日本海溝でもマリアナ海溝でも太平洋
プレートの沈み込みが活発化していること)、そして、相模トラフの全域が1703年元
禄地震以来破壊されてきていることから、次の関東地震はこの869年貞観地震以降に
起こったものとはかなりタイプの異なった、ずっと苛酷なものになる可能性がありま
す。具体的には次のようなものです。
1.関東平野の東側全体、房総半島南東沖の三重会合点から茨城県沖程度までの日本
海溝から、太平洋プレートが一気に西へ大きく沈み込む可能性があります。この記事
の冒頭で述べたことの繰り返しですが、googlemap
(https://www.google.co.jp/maps/place/%E5%8D%83%E8%91%89%E7%9C%8C/@35.500323
,139.7498744,934868m/data=!3m1!1e3!4m5!3m4!1s0x60229b5fd61b9511:0x1cb677dbff
e07bbe!8m2!3d35.6050574!4d140.1233063 )の航空写真で千葉県あたりの海底の様
子を見ると、犬吠埼の東方の日本海溝あたりにはかなり大規模な凸凹が観察され、ま
た、日本海溝よりもハワイ側に海山が幾つも連なっているのが見えます。googlemap
の右下の縮尺表示が20kmとか10kmになるようにすると、海底の様子がよく分
かるようになります。日本海溝と千葉県の沿岸部の間の海底には溝が何本もほぼ東西
方向に走っているのが分かります。これらの溝がなぜ付いたのかについて学術論文が
書かれているのかどうか自分には分からないのですが、多分、大規模な地滑りとか地
震によって出来たはずです。つまり、この溝の部分が境界になって海底が東西方向に
動いたはずです。縮尺を50km表示にすると、房総半島全体が画面に写るようにな
るはずです。この状態で海底の溝を見ると、犬吠埼の緯度よりも少しだけ北側に一
本、それよりも南側に、房総半島の南端あたりまでに三本、合計四本の東西方向の溝
が確認できるはずです。房総半島の南端の海域を通っている溝が相模トラフ(の北側
の境界)です。こういった東西方向に走る溝ごとに、何回も太平洋プレートが大きく
西へ沈み込む可能性があるのです。
2.M6以上の前震現象が房総半島北東部から茨城県東部で起こる可能性がありま
す。311大地震の数日前に、311大地震の震源域でM4からM7の地震が連続して起
こっていました。この前震の様子を次のURLで見ることが出来ます。
http://www.emsc-csem.org/Earthquake/earthquake.php?id=211443# のInteractive
Maps View です。点滅している赤いドットが311大地震を示し、赤い円が直前24
時間、だいだい色の円が直前48時間、黄色い円が直前1週間での地震です。全部で20
個以上のM4以上地震が起こっていたことが分かります。近い将来の発生が予見でき
る犬吠埼の東方沖の海底のでっぱりが大規模に動くときも、同じようにM4からM7
程度の地震がこの地域で頻発するはずです。または、時間的・距離的に離れた前震が
起こる可能性もあります。特に、房総半島の下に沈み込んでいるフィリピン海プレー
トの東半分は蛇紋岩化されていて、比重が比較的小さいため、浮力があり、そのすぐ
上に位置する陸の地層との固着が強いはずで、滑り遅れが起こっている様子です。ま
た、房総半島東部に沈み込んでいるフィリピン海プレートは太平洋プレートの沈み込
みが開始したばかりの深さがまだ浅い所に沈み込むため、太平洋プレートの側面にぶ
つかる格好になっているので、なかなか沈み込めない様子です。少なくとも1923年大
正関東大震災以降のM6以上地震では房総半島の下の蛇紋岩化されたフィリピン海プ
レート部分は動いていない様子で、この部分に非常に強い太平洋プレートからの西進
圧力が溜まっている可能性があります。そのため、太平洋プレートが関東平野の東側
から大きく沈み込む前に、房総半島の下へ沈み込んだフィリピン海プレートの東半分
の蛇紋岩化された部分が大きく動くか、またはこの蛇紋岩化された部分の東縁でのM
6以上地震が発生するはずなのです。なお、1923年大正関東大震災の前は、房総半島
の下に沈み込んでいるフィリピン海プレートの蛇紋岩化されている領域の西縁で前震
が発生しています。
3.関東地方の埼玉県以北で大規模な誘発地震が起こる可能性があります。中央構造
線が長野県の諏訪湖あたりからさいたま市の南西側を通り、犬吠埼の北側あたりで太
平洋に抜けています。中央構造線の北側の陸のプレートは西日本から東向きの圧力を
受けています。そこへ太平洋プレートが西へ向かって動き、また、フィリピン海プ
レートが北西方向へ沈み込むので、陸のプレートとその下の海のプレートにかかる力
の方向が互いに大きく食い違ってしまい、それが中央構造線そのものを動かすことに
なるかどうかは疑わしいのですが、関東地方の中央構造線よりも北側にある活断層が
動く可能性が高いはずです。
4.相模トラフからフィリピン海プレートが大きく沈み込み、それが関東地方南部で
のM8地震になる可能性があります。関東平野の東側から西方向へ沈み込む太平洋プ
レートと関東平野の南側から北北西方向へ沈み込むフィリピン海プレートは、関東平
野の下で互いに接しています。また関東平野の北西部で一体化しているはずですか
ら、一方が大きく沈み込めば他方も大きく沈み込むことになります。この地震は、伊
豆半島の東側、相模湾での地震ですから、相模湾とか房総半島の外側で大津波が発生
します。沿岸から近いですから、東海道線の南側の地域は大津波に襲われるはずで
す。
5.4.で述べた関東地震が起こった結果、伊豆半島の西側でのフィリピン海プレー
トの沈み込みが促進され、それが南海トラフ大地震へとつながっていくはずです。時
期は、貞観地震の時の18年後よりも早くなると思います。次の関東地震が起こってか
ら数年程度で東海地震が起こるはずです。ただし、東海地震が起こってから、東南海
地震や南海地震までは間隔があく可能性が高いと思います。昭和東南海地震や昭和南
海地震が起こってからまだ100年経過していないからです。
http://www.asyura2.com/15/jisin21/msg/795.html