【ワシントン=川合智之】米下院は23日、同日中に予定していた医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案の採決を延期した。与党・共和党の一部に反対意見が強く、可決に必要な過半数の票を確保する見通しが立っていない。トランプ政権の重要政策であるオバマケア見直しを巡り、先行きが一段と不透明になっている。
下院は共和が237議席、野党・民主党が193議席を占め、法案の可決には過半数216票が必要となる。共和から21人超が造反して反対に回ると、可決は難しい。米CNNテレビによると、共和の26人が反対票を投じる意向で、さらに4人が反対を検討している。ホワイトハウスは翌24日の採決を求めているが、下院共和党には懐疑的な見方もある。
代替法案には保守強硬派の議員団が強く反対するほか、オバマケア改正で保険を失うと恐れる有権者の声に押された穏健派議員も懸念を示す。共和指導部は法案の修正を調整しているが、幅広い合意には至っていない。
無保険者の大幅削減をめざしたオバマ前政権の遺産(レガシー)であるオバマケアに対し、トランプ大統領は選挙戦中から反対を訴えてきた。「撤廃し、より良いものに置き換える」と主張したが、実現できなければ支持者の反発を招く恐れがある。
米議会予算局は23日、代替法案の影響を改めて試算した。共和が一部を修正した代替法案に基づいて見積もり直したところ、財政コストは増えるものの、2026年に無保険者が2400万人増えるとの予測は変わらないとしている。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN24H1G_U7A320C1000000/?dg=1&nf=1
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