コインパーキングから「ロック板」消える? 不正防止よりも重要視することとは
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2017.03.08 乗りものニュース編集部
コインパーキングで近年、「ロック板」を廃止した方式が増えています。どのように不正利用を防止し、そしてなぜそれが広がりつつあるのでしょうか。
不正の言い逃れはできない「ロック板なし」
近年、ロック板(フラップ)を廃したコインパーキングが少しずつ増えています。もちろん、出入口のゲートもありません。
ロック板を採用したコインパーキングのイメージ。駐車すると、車両の下からロック板が跳ね上がる(画像:photolibrary)。
無防備すぎるように思えますが、不正に利用されるおそれはないのでしょうか。駐車場のシステムを手掛けるアイテック(東京都文京区)に、誕生の背景を聞きました。
――コインパーキングのロック板は、そもそもどういうものなのでしょう。
駐車するとそのロック板が跳ね上がり、料金を精算すると下がって出庫できるようになるというものです。それまでは駐車場の入口で駐車券が発券され、出口で精算する「ゲート式」が主流でしたが、処理に時間がかかりクルマが詰まりやすいことから、1台1台出入りを管理できる「ロック板式」が広まっていきました。
――ロック板をなくして、不正に利用されるおそれはないのでしょうか。
確かに、料金を払わずに出庫することは容易です。しかし、駐車マスに埋設されたセンサーで車両を認識し、マスの奥に立つポールに取り付けられたカメラで車両のナンバーを記録することで、出入りを管理しています。また、場内全体を見渡す監視カメラで、全体の出入り状況も随時記録していますので、不正の証拠を把握して、あとから料金を請求します。言い逃れはできません。
導入の背景に「ロック板式」の問題点
――仮に不正するとどうなるのでしょうか。
不正に出庫したクルマを、すぐ捕まえて料金を請求するわけではありません。ナンバーや不正の証拠は把握しているので、そのクルマが全国にある同方式の駐車場に再び入庫した際に、警備員が未払いぶんの支払いを促す紙をクルマに貼ります。紙を貼られた人は、その場の精算機で支払うこともできますが、請求書の発行を申し出て後日、支払い手続きを行うことも可能で、実際には後者のケースが多いです。
――なぜこうしたシステムを開発したのでしょうか。
最大の目的は、ロック板による事故やトラブルを避けることです。ロック板は、精算から一定の時間内に出庫しないと再び跳ね上がりますが、たとえば、料金の精算後に車内で電話していて、それに気づかず発車し、クルマが破損してトラブルになるケースがあります。また、乗降の際にロック板でケガをしたという人も多く、当社が実施したロック板式駐車場に関するアンケート調査では、20パーセント以上の人がなんらかのトラブルを経験していました。
――「ロック板なし」は増えているのでしょうか。
当社はこの方式を2009(平成21)年に業界で初めて開発し、現在、全国2300弱の駐車場に導入されています。お話しした通り、ロック板式はクルマが破損するようなトラブルもあり、時に深刻なクレームが寄せられます。一方でほとんどの利用者は、料金をちゃんと支払いたいという意思を持っています。利用者の「事故」を避けたいと考えている駐車場運営者に選ばれているのだと思います。
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ロック板のない駐車場には、不正利用を防止するよりも、まずトラブルを避けるという意図がありました。一面では、利用者との信頼関係で成立している方式ともいえそうです。
【了】
駐車マスに埋設されたセンサーで車両を感知し、カメラでナンバーを記録することで出入りを管理する(画像:アイテック)。
http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/855.html