メルセデス・ベンツは相変わらずの人気(C)AP
売れるのは軽か輸入車 クルマ人気の二極化はいつまで続く
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/199123
2017年2月9日 日刊ゲンダイ
庶民は「軽」で、セレブは「ベンツ」――二極化が鮮明になってきている。
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が6日に発表した1月の新車販売ランキングによると、ホンダの軽自動車N―BOXが2カ月連続の首位。2位は日産の小型車ノートで、上位5車種はノート以外、軽自動車が占めた。
その一方、日本自動車輸入組合が6日に発表した1月の外国車販売台数は前年同月比2.8%増で、10カ月連続プラス。ブランド別では独メルセデス・ベンツが1.0%増と23カ月連続の首位だった。
「N−BOXの連続首位は、ライバルが燃費データ偽装問題で勝手にコケてくれたこともありますが、もともと『独特のデザインが好き』と言う女性ユーザーも多い。あくまで未確認情報ですが、ネット上では、発売5年目のN−BOXが今年の夏ごろにフルモデルチェンジする予定ともっぱらです。値引きなどのサービス攻勢が販売台数を底上げしている、なんて噂話も耳にしている」(業界関係者)
日本の庶民には軽が人気の一方で、海の向こうではスーパーカーも売れまくっている。
伊フェラーリが2日に発表した昨年の世界新車販売台数は8014台で、前年比4.6%増。市場別では欧州や中東、アフリカが前年比8%増の3610台と、最多。その中でも独・仏は2ケタの伸びと景気がいい。
伊ランボルギーニも昨年は3400台以上を販売と、史上最高を記録。英ロールスロイスも前年比6%増の4011台と、過去2番目の販売実績を記録している。
「株高でひと儲けした世界のにわかセレブが買い漁っているのでしょう。まあ、スーパーカーとまでは言いませんが、庶民が軽よりワンランク上の車をもっと買うようにならないと、とても景気回復は実感できませんよねえ」と、自動車販売会社社員はコボす。
ただでさえ「若者の自動車離れ」が指摘されているのに、このままでは中級車は“ジリ貧”じゃないか。自動車ライターの佐藤篤司氏が言う。
「ガソリン代をはじめ、ランニングコストを少しでも抑えたい。だから燃費のいい軽自動車で、先行き不安から消費者心理にブレーキがかかっていることは確かでしょう。今の二極化は日本のクルマの“商品力”というより、高速代や自動車税など構造的な問題を見直さない限り、しばらく続くと思いますね」
景気回復もおぼつかないか。