天下り受け入れた名大には42億円
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2017/02/02 22:41 半歩前へU
▼天下り受け入れた名大には42億円
文部科学省の補助金が、天下り受け入れ名古屋大学に42億円を交付。はねのけた茨城大学は落選。文科省が大学に「下げ渡す」カネは元をただせば私たちの血税だ。役人どもがビタ一銭稼いだカネではない。
それをまるで自分の懐から出すカネのように、もったいを付けたうえで、天下りの受け入れ可否で「さじ加減」を付けるなど傲慢極まりない。
平然と天下りを繰り返す官僚の実態についてジャーナリスト・若林亜紀が鋭く切り込んだ。
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「国立大学の理事、事務局長は文科省の天下りで占められている」 そう語るのは国立大学の職員。ある文部官僚の天下りの軌跡をたどろう。
磯田文雄氏は東京大学法学部卒業後、1977年に文部省(当時)入省、研究振興局長、高等教育局長などを経て2012年に東大理事に出向した。
●茨大が拒否、名大が拾う
13年9月末付で別の文科省OBにこのポストを譲り、いったん文科省に戻って大臣官房付に。14年3月で退職、同年5月に茨城大学の学長選挙に応募した。
大学側では「文科省からの天下りの押し付け」ととらえた教職員が反発、副学長を対抗候補に立て、6月の選挙で磯田氏は落選する。次に磯田氏を迎えたのは名古屋大学だった。
同年4月、文科省は「スーパーグローバル大学創成支援プログラム」を公募し、名大も茨城大学も応募していた。名大はアジア7カ国にサテライトキャンパスを設置し留学生を増やす案で応募した。
ベトナム、モンゴル、カンボジア、ウズベキスタン、ラオス、フィリピンなどにつくるという。審査結果の発表は9月なのに、奇妙なことに、名大はこれらを統括する「アジアサテライトキャンパス学院」を8月に開設し、初代学院長に磯田氏が納まった。
名大学長であった浜口道成氏(当時)が退任あいさつで経緯を明かしていた。
「文科省に(プログラムを)『やっていいか』と持ち掛けると二つ返事で『オッケー』と(言われた)」
9月、この事業で名古屋大学には最大で年間5億円、10年間で42億円の補助金が交付されることが公式発表された。104校が応募し、37校が採択された中、茨城大学は落選した。
表向きには80ページにも及ぶ指定書式での書類選考とヒアリングで厳正な選考が行われたことになっている。磯田氏の受け入れが暗黙の交付条件だったのだろうか。名大は否定する。
「押し付けられたのではない。名大からお願いして来ていただいた。給料もそんなに高くない。年俸1千万円程度だ」(名大総務部)
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一人のために年数億円の補助金
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●一人のために年数億円の補助金
「天下り受け入れた名大には42億円」
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昨今の大学教授たちは忙しくなったという。昔のようにのんびりはしていられない。文科省や外部の資金に応募して競争で研究費をとらねばならなくなった。
どういった分野に予算がつくのかアンテナを張り、膨大な申請書類をそろえる、そういった事務仕事に忙殺されるようになった。
落選すれば徒労に終わる。それが、天下りを受け入れると、いろいろスムーズにことが運ぶらしい。文科省の来年度予算案は5兆円。
「会計検査院の退職者のうち毎年約10人が再就職しているが、内閣のあっせんが疑われる」
民進党は国会で指摘した。天下りは他省庁でも疑われる。国民生活でなく、既得権益者たちの安寧な暮らしのために税金がばらまかれていく。
「霞が関では50歳前後から早期退職が始まる慣行がある。年金支給までどうやって暮らすのか」
官僚たちは天下りはやむなしと言うが、OB一人の生活保障のために年数億円の補助金をつけるのは効率が悪すぎる。
安倍政権が天下りを本当に根絶する気なら、国民が納得できる形で、早期退職を強いられる高齢公務員の生活保障を考えるべきだ。
そして、天下りあっせんは違法行為なのだから、手を染めた事務次官は厳罰に処すべきで、支払われる退職金8千万円弱も減額するべきだろう。現実的かつ厳罰を伴う「天下り根絶」策を望む。
(AERA 2017年2月6日号より)